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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.3 <アオムシ君、最後の食事?>(2019.12.29)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO3
<アオムシ君、最後の食事?>
2019.12.29
今年は12月に入っても暖かい日が多く、例年ならとっくにいなくなっているはずのアオムシがまだブロッコリーにたかってて、大勢で食事中。(何匹いるかな?)無農薬栽培なので虫が来るのは想定内、イノッチファームでは普通の光景。でも、さすがにこの時期は食慾もなく、これだけいても食べる量は大したことはない。人間が食べるいわゆる"ブロッコリー"の部分は食べないので、ご覧の通り、ちゃんとしたブロッコリーができている。
もう12月も終わりに近づき、さすがに寒い日も増えてきた。霜も降り始めて大部分のアオムシはこのままさなぎになれずに死んでしまうかもしれない。そう思うと、「好きなだけたっぷりおあがり」と、最後の食事風景を見守ってあげたくなる。アオムシの天敵であるハチやカマキリはとっくに姿を消した。だからなのかもしれないがこんなにも無防備に葉っぱの上で食事しているアオムシ君、これから温暖化が進むとひょっとしたら越冬する仲間も出てくるかもしれない。
人間にとって、野菜を食べてしまう虫は厄介者だ。一つの野菜に何十匹もたかっていたら手で取るのは大変な作業。特に野菜の苗がまだ小さい春先に食べられると大きな被害になってしまう。だから普通の農家は農薬をまいて虫を退治し、野菜が順調に大きく育つようにしている。
しかし、家庭菜園程度の面積しかないイノッチファームでは商売にするわけではないので虫食いの野菜でも一向に構わない。今までの経験からすると農薬をかけなくても全滅はしない。人間が食べる分はちゃんと残る。だからむやみにつまんで踏みつぶすことはしない。親であるモンシロチョウは花粉を運んで受粉の手伝いをするし、アオムシは鳥やハチ、カマキリなどの餌として彼らの命を支え小さな食物連鎖の輪ができている。もちろんその輪の中にはトンボやクモもいるし、コウモリやネズミ、ヘビ、カエル、カラスもいる。小さな面積しかないイノッチファームだが、農薬や化学肥料を使わないでいるといろんな生き物がやってきて豊かな生態系を作り上げている。
恐らく、つい最近(50~60年前)まではそうやってどこの畑や田んぼもたくさんの生き物と共存しながら野菜や米つくりをしていたはず。しかし、農薬を使うことでどこか一つの鎖が切れてしまうと全体のバランスが崩れ、生き物自体の生存が危ぶまれてくる(ネイチャーゲームの〈食物連鎖〉というアクティビティ)。
すでにその兆候はいたるところに出ていて危機的な状況にまで来ている。たかがアオムシ。だが、たかがストロー1本、レジ袋1枚に企業は動き始めている。農薬への危機感は??
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