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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.23<農家の怒りと悲しみ>(2020.03.23)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO23

<農家の怒りと悲しみ>

今日はイノッチファームの隣にある農家さんの畑の話。

畑で作業をしていると突然ホウレンソウ畑にトラクターが入り込んできた。

まだ、未収穫のホウレンソウがたくさんある畑だ。

「えっ?潰しちゃうんですか?」

「葉っぱの裏にハダニが付いちゃって商品にならないんですよ」

「でも、食べるには問題ないですよね?」

「お客さんが気持ち悪がって買わないんです。僕が店頭で売ればちゃんと説明できるんですが、売るのはお店の人ですからね」。

よ~く見ると(ホントによ~く見ないとわからない)確かに葉の裏に白っぽいものが見える。

これが気持ち悪いと言ってお客さんは買わないのだ!洗えば問題なく食べられるのに!

まだ、ホウレンソウは全体の9割ほどが残っていて、それが全て潰されてしまう。

丹精込めて作った野菜をこんな不合理な理由で潰さなければならない現実、やり場のない怒りや悲しみが私にも伝わってくる。

昔父がまだ現役で農家をやっていた頃、出来すぎてしまったニンジンを畑に捨てていたことがあった。

5キロの箱詰めニンジンがたったの100円!箱代やガソリン代、手間賃を入れたら売れば売るほど赤字になってしまう。

曲がったキュウリや形が悪いトマトも商品にならないから捨てる。

虫などついていようものなら、《要注意農家》として、市場で安くたたかれてしまう。

だから農家は仕方なしに農薬や化学肥料を使い、見た目がきれいで形がいい野菜を作ろうとする。

味や安全面は二の次三の次。これでいいのだろうか?

「もったいないから少し下さい」と5~6株ほどいただいた。

断腸の思いでホウレンソウを潰す農家さん、食べられずに潰されたホウレンソウ、怒りと悲しみが全身から溢れ出た。


▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№23.pdf

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