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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.40〈萌黄色〉(2020.05.08)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO40
〈萌黄色〉
この時期、新緑が美しい。生まれたばかりの若葉は緑よりも黄色に近い"萌黄色"。
小さくてやわらかくて透けて見えそうな赤ちゃんの葉っぱ、強風に煽られていると千切れてしま いそうでハラハラしてしまう。
今はこんなに弱々しいがお日様をいっぱい浴びてどんどん緑が濃くなり、いつの間にか全身が緑一色に染まってしまう。
そして秋風が吹き始める頃、ま た赤や黄色、茶色へと衣替えし葉っぱとしての役割を終えていく。
一枚の葉っぱの中に隠された多様な色彩の変化はまるで自然がなせるイルージョン!さすがの引田天功もマネできないだろう。
萌黄色・・・、萌木色とも萌葱色ともいい日本古来の呼び名だという。
調べ てみると平安時代には使われていたそうだ。ただ、萌黄と萌葱は違うらしい。葱の方は緑が濃いのだそうだ。
今のように化学染料がなかった時代、自然の中にある微妙な色の違いを豊 かな感性で命名したのであろう。
もえぎいろ、もえぎいろ、もえぎいろ、音の響きがなんともいい。
冬枯れのなか、裸木にしがみつくようにして硬く身を縮こませていた冬芽が、春の日差しを浴びて目を覚まし折り畳んでいた葉をゆっくりゆっ
くり開いていく。
裸木のあちこちに新しい命が生まれ、やがて木全体が新緑の海であふれかえる。
そんな萌え出たばかりの瑞々しい葉を"萌黄色"と。勝手な想像だが"もえぎ"という言葉の響きにはそんな生まれいずる命の賛歌が含まれているような気が
する。
▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№40.pdf
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