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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.110〈エンマコオロギ〉(2020.09.10)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO110
〈エンマコオロギ〉
畑で農作業をしていると、「コロコロコロ~♪」と涼やかな虫の音が聞こえてくる。
鳴き声からするとエンマコオロギのようだ。
アブラゼミやミンミンゼミの猛暑を助長するような鳴き声はうんざりだが、秋の虫の音は風鈴のように心地よい音色でふうわりと鼓膜をゆする。
コオロギだけでなく、スズムシやカンタン、マツムシなど自然の奏でる音は下手な楽器よりよっぽど心の奥に響き、月を愛でながら秋の夜長を過ごすにはこれ以上ない音楽となる。ところが、この心地よい虫の音が聞こえるのは日本人とポリネシア人だけというから驚きである。
日本人は虫の声や鳥の声、雨音、小川のせせらぎなどは言語脳である左脳で聞き、西洋人は音楽などを聴く右脳で聞いているという。
だから日本人はそれぞれの"虫の音"は"虫の声"として聞いていて、「スズムシが鳴いている」「カンタンの鳴き声だ」と聴き分けることができる。
そういえばずっと昔モンゴルに行ったとき、「今鳴いている虫はなんていう名前の虫で か?」と聞いたら、「あれは虫だ!」と返ってきた。どうやら、日本人にとって心地よい虫の鳴き声も彼らにとっては全てうるさい音の noizy になってし まうらしい。
同じ人間でも住む場所や言語環境で聞こえる音、聞こえない音があるのは面白い。情報過多なのか歳のせいなのか、最近人の声もnoizyに聞こえる。一人一人が発する"音"を、きちんと"声"として受け止められる"聴力"を身につけたいと思う。耳と目と心で聴く力を!
▶PDF版をダウンロードする イノッチファームでシェアリングネイチャー№110.pdf
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