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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.111〈9.11〉(2020.09.11)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO111
〈9.11〉
9月11日、暮れゆく西の空に黒い雲と白い雲が最後の光を浴びて一日の終わりを告げている。
ねぐらへ帰るのだろう、カラスの群れが数羽、南の空から北の空へと飛んでいく。
やがて日が沈み草も野菜も薄暮の中で色を失っていく。
と、突然背後の空から黒い物体が飛び出してきた。コウモリだ!。
1匹、2 匹・・・次々に現れてとうとう9匹まで増えた。
虫が出てくるこの時間帯、食事にありつこうと一斉に畑の上を飛び始めた。
クリの木 の上ではアオマツムシが大きな声で鳴き始め、日中の暑さに終止符を打とうとしている。
9月11日、今日も無事に一日が終わろうとしている。多くの人にとって、その日一日が無事に終わるのはごくごく当たり前のこと、ことさら感慨にふけることもない。
しかし、19年前の今日はそんな当たり前の一日が吹っ飛んでしまった日でもあった。
同時多発テロでニューヨークの世界貿易センタービルがハイジャックされた2機の飛行機であっと言う間に破壊されてしまい、3,000人近くの犠牲者を出してしまった。
あれから19年、武力による争いは一向に止むことなく、何の罪もない女性や子どもたちが尊い命を奪われている。武力には武力でと、膨大な軍事費で人殺しの兵器が次々と作られていく。
これだけの軍事費を貧困や飢えに苦しむ人に回したら、世界中の貧しい人たちの命がどれだけ救えることだろう。自然界の生き物たちは、他の生き物の命をいただきながらそれでも共存共栄の道を歩んできた。
そうすることで種の生存が保証されるからだ。
全ては"バランス"という船に乗りながら誰一人(一匹)取り残すことなく大海原を航海している。
その船に人間が乗る資格があるだろうか?
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