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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.147〈命尽きる時〉(2020.11.16)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO147
〈命尽きる時〉
命尽きる時〉"卵を産み、子孫を残す"という役目を終えたカマキリがぐったりしていた。
前日お腹の大きいカマキリが産卵場所を探している風だったのでしばらく見ていたが、結局その瞬間は見られなかった。
今朝、現場に行ってみるとすでに産卵は終わりすぐそばに母カマキリが息絶え絶えに横たわっていた。
"産卵"という営みは全ての生き物にとって、一世一代の大仕事、鮭の産卵風景などを見ていると本当に神々しいほどの光景で思わず"よくやった、頑張った!"と拍手を送りたくなる。
産卵中は敵に襲われるかもしれない無防備な状況下、産み終えるまでは気が気ではなかっただろう。
役目を果たした後のカマキリにはもうあの勇猛な威嚇行為は見られない。静かに"その時"が来るのを待つばかりだ。
冬がすぐそこにやってきているこの時期は、道路で死に絶えている虫たちをよく見る。
気温の低下と共に動きが鈍くなった虫たち、産卵を終えて放心状態の虫たち、そんな彼らがよろよろと道路を歩いているうちに車に轢かれたり、人に踏まれたりしたのだろう。
そんな亡骸もまた別の命を支える食料となる。
命は尽きても、別の命の中で生き続ける輪廻転生。
虫たちが脈々と受け継いできた生き様、死に様がなぜ人にはできないのだろう。
▶PDF版をダウンロードする 2020.11.16 NO147 命尽きる時.pdf
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