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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-30〈カワセミ〉(2021.1.13)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-30
〈カワセミ〉
家からすぐ近くに鳩川があり朝の散歩中にカワセミを見つけた。翡翠と書き、飛ぶ宝石などと言われている。コバルトブルーの羽を広げ、"チーッ"と鳴きながら水面近くを飛び去って行く姿はまさに宝石そのもの。鳥の中で一番好きかもしれない。
子どもの頃遊んだ鳩川は、高度経済成長と共に汚れはじめ、洗剤の泡がぷかぷか浮かぶ死の川となってしまった。それから何十年、下水が完備し少しずつ水もきれいになって、魚も戻ってきた。
カワセミという鳥を知ったのは教員になって宮沢賢治の「やまなし」という作品に出合ってからだ。本物を見たかったがその頃の川にはカワセミはいなかった。餌となる魚が棲めるような川は山奥に行かないとなかった。
汚れた川が少しずつきれいになってくると、公園の池や近くの川にもカワセミが戻り、身近な鳥となった。人間が作り出した環境が生き物の生活スタイルにも大きく影響する典型例だ。
田んぼに農薬を使わず、ドジョウやタニシを増やしてコウノトリが自然繁殖できるようにした例や、森林伐採で大きな木の洞がなくなってしまった森に人工的な洞を設置し、シマフクロウの繁殖を手助けした例、食草となるカンアオイを植えてギフチョウを保護している例など、人間のせいで絶滅寸前に追い込まれている生き物を取り戻すには膨大な時間と費用がかかる。
鳥が生きられない世界は人も生きていけない。Today birds, tomorrow men 「今日の鳥は 明日の人間」。
▶PDF版をダウンロードする 2021.1.13 NO152-30 カワセミ.pdf
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