BLOG

スタッフブログ

イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-34〈魚のいる川〉(2021.1.18)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-34

〈魚のいる川

「川に魚がいる」というのは当たり前の話だが、当たり前でない時期がしばらくあった。一度死んだ川は何十年もかかってやっと魚が棲める川になったが、本来の川の姿ではない。

それでも魚がいるということは、エサがある、産卵場所がある、隠れる場所がある ということで、居心地がいい場所になったに違いない。子どもの頃遊び相手だったアブラ ハヤやウグイの類が何百匹と群れているさまは圧巻だ。魚がいれば、カワセミやサギが来 るし、魚が棲めるなら蛇もカエルもカメも棲める。巻貝もいて夏にはホタルも飛び交う。 魚がいる川はそれ以外の生き物も繋がって生きていられる場所となる。

八瀬川(やせがわ)は、左岸に数百メートルにわたって崖がありそこから幾筋もの湧水が流れ出ている。春から夏にかけては田んぼに水を引くための貴重な水源でもある。

用水路がコンクリで固められる前には川から鮒が入ってきて産卵し、田植えが終わった田んぼにはたくさんの小鮒が泳いでいた。鮒以外にもメダカ、ドジョウ、カエル、タニシ、ゲンゴロウ・・・。たくさんの生き物がいて、子どもにとっては格好の遊び場でもあった。そんな生き物であふれていた田んぼは、かつてのようなにぎやかさは消えてしまったが、それでも田んぼがあれば、カエルが来るし、トンボも卵を産む。ミジンコなどの小さな生き物も発生し、小魚のエサとなる。実りの秋にはイナゴやスズメのえさ場となる。

田んぼを含め人の生活が健全であれば、直結している川でも魚が生きていける。降った雨が地面に沁み込み湧水となって川を作り、田んぼや池を潤しやがて海に流れ込む。そしてまた雨となって大地を潤す。

"魚が川にいる"光景はそんな循環の中で成り立つということを忘れないでいたい。

▶PDF版をダウンロードする 2021.1.18 NO152-34 魚がいる川.pdf

スクリーンショット 2021-01-19 122647.png


コメント投稿

月別アーカイブ