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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-35〈1年生の先生に〉(2021.1.19)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-35
〈1年生の先生に〉
A小学校からの依頼で、出張する担任の代わりに1日だけ1年生の仮担任をすることになった。初めて会う子ども達、まずは最初の"つかみ"が大事と思い"竈門炭治郎"で出迎えることにした。
教室に入ってくる子ども達に"オハヨー!"と挨拶すると、けげんな顔をする子、"炭治郎だ"と嬉しそうな顔をする子、ニコニコ笑っている子といろんなリアクションが返ってくる。だが、どの子も初めて会うおじさん(イヤお爺さん)になんの警戒もなくすぐに寄ってきて、珍しそうに取り囲む。
代わりの先生が来ることは前日担任から聞いていたせいか、なんの躊躇もない。恐らく担任との信頼関係ができているクラスなのだろう、見ず知らずの大人にも絶対的な信用を寄せている。こんな無警戒で大丈夫か?と逆に心配になるほどだ。
仮担任とはいえ"先生"であることには変わりはない。1年生が代わりの先生に気を遣うこともないし忖度もしない。
恐らくいつも通りの光景なのだろう、ケンカもするし罵り合いもある。給食当番中誰かにやり方を注意され"もういい!"とキレて当番を止めてしまう子もいる。牛乳をこぼして、ぼう然と突っ立っている子もいる。
そうかと思えば"せんせい、内緒だよ。僕ね百万円持ってるんだ。減らさなくちゃいけないから今度ハムスターと金魚を買うんだ"と耳元で秘密を打ち明けてくれる子もいる。
「〇〇ちゃんと一緒に遊ぼうとしたら〇〇ちゃんが邪魔してくるの」「せんせい、おでこが痛い!」「トイレに行っていいですか?」・・・。
次々に寄ってたかってきてはピーチクパーチク とさえずる。
"あー、昔もこんなだったな~"と懐かしくなる。
コロナの影響で入学してから当たり前の学校生活を送れてない 1 年生、1 番ショッキングだったのは給食時間だ。
みんな前を向いて黙々と食べている。楽しいはずの給食時間がなんだか魔女にさらわれた子どもの食事のようで痛々しい。
しかし、それまでマスクをしていた子ども達が初めて素顔を見せた時間、口の周りに残るあどけなさは 7 歳の顔そのものだった。
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