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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-49〈下弦の月〉(2021.2.5)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-49
〈下弦の月〉
朝の5時過ぎ、外に出てみると頭上に下弦の月が浮かんでいた。夜明け前の一番寒い時間帯、氷のかけらのような月は半分になった体でその存在を知らしめしているが、残念ながら煌々と光る人工光には叶わない。防犯上仕方ないことかもしれないが、偽物の月や星に散りばめられた街の夜は、月の存在さえ忘れられているようで悲しい。
少しずつ夜が明け始め、あたりに色がつき始めてくると月も次第に薄氷のように解けていく。闇の中でこそ居場所がある月は、日が昇り始めたらその場を譲るしかない。所詮、自分では輝けない身分、日に照らされて輝く時もあれば、日の光で消されてしまう時もある。自分ではどうすることもできない運命を背負って、それでも健気に地球の周りを回り一緒に太陽の周りを回り続けている。月と同じように地球自身も発光体でないならそこに住む生き物自体も誰かの光によって輝くしかない。人もきっと周囲からの乱反射を浴びて 自分という光を発していけるのだろう。人も所詮一人では輝けないのだから。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.5 NO152-49 下弦の月.pdf
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