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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-106〈オオミズアオ〉(2021.4.18)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-106
〈オオミズアオ〉
それは突然のことだった。畑であれこれ作業をしていて四方に目を動かしていた時、急に飛び込んできた。そして瞬時に「オオミズアオ」と分かった。それほど存在感のある蛾で、見た瞬間に分かるのだ。クリの木の下、立てかけておいた端材にしがみついていた。昨日は気づかなかったのでひょっとしたら今日羽化したのかもしれない。が、脱いだ殻は見つからない。幼虫のエサとなりそうなコナラ、クリ、プルーン、リンゴの木があるので、この畑の出身かもしれない。となると幼虫がいたはずなのだがそれにも気づかないまま冬を迎えてしまったのだ。自分の畑なのに、毎日来ている畑なのに見てない部分、気づけてない部分がまだまだ山ほどある。観察眼が足りないということか。
この蛾は夜美しい翅を広げて飛ぶ姿からヨーロッパでは"月の使者"とか"月の女神"とか呼ばれているらしい。羽化しても口が退化していて何も食べられず、1週間しか生きられない短命の蛾。その間に交尾相手を見つけ産卵までこぎつけなければならない。月の使者とか月の女神とかそんな優雅な名前とは裏腹に、厳しい現実が待ち受けているのだ。夏の夜見かけることはあるが、こんな時期に畑で見たのは初めてだ。限られた命の中で次の命を残す、ただそのためにだけ食べ物も取らずこうして優美な姿で出逢いを待つ。たった1週間の命にここまで着飾るオオミズアオ。短くも美しく散っていくその生き様はなんと潔いことか。とうていマネできるものではない。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.18 NO152-106 オオミズアオ.pdf
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