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2008年岩手宮城内陸地震と私のシェアリングネイチャー

栗駒山2022年.jpg2022年の栗駒山

こんにちは、宮城県シェアリングネイチャー協会の塚原俊也です。

今回は「平成20年岩手宮城内陸地震」から16年が経過した宮城県栗原市の今を震災とシェアリングネイチャーという私なりの視点でお伝えしたいと思います。

この記事を書くにあたり、震災で家族や友人・知人を亡くされた方、今もなお震災のつらい記憶が癒えない方がいることにも心を寄せつつ読んでいただければと思います。

2008年6月14日午前8時43分震度6強という激しい揺れが栗駒山を襲いました。

震源地は、北緯39度01.7分、東経140度52.8分。震源の深さは8kmで、マグニチュードは7.2(暫定値)。この地震により17名が死亡、6名が行方不明となり、負傷者は426名でした。
被害の特徴として、同じ規模の地震と比較して、建物被害が少なく土砂災害が多いことが挙げられます。
被害のあった場所で特に有名になったのは荒砥沢ダム上流の崩落地でした。最大落差は148m。
また、この崩落地の中で、土砂が水平距離で300m以上も移動した箇所も確認されています。

私の暮らす栗原市は地震に限らず過去何度も発生してきた河川の氾濫や冷害などたくさんの自然災害と向きあい、知恵をあわせ、工夫を繰り返してきました。
そうした先人たちのいとなみが、この地域に豊かさと多様な文化を育んできたことから、栗駒山麓ジオパークの取り組みをスタートさせ2015年に日本ジオパークに認定されました。
前途の経験を未来へ伝えるため、山麓の地形・景観を教育、学術研究、観光、防災などに活用し、持続可能な地域づくりを目指しています。

近年はジオパーク関連の取り組みとして「栗駒山麓ジオトレイル」と称して、栗原市内を歩いて旅ができるロングトレイルを設置する活動が始まりました。50万年前から火山として活動している栗駒山の自然や地形とともに山麓の平野から山岳地域で培われた暮らしや文化を体感できる歩く旅のカルチャーを創り始めています。

栗原市に限らず日本という国は常に火山活動や地震、さまざまな自然災害と共にあり、自然からの恵みも厳しさも隣り合わせの中で暮らしや文化を作り上げてきたと思います。日本人は悠久の時代から「自然の中の自分」という自然観を感じてきたのだと思わずにはいられません。今を生きる私にとっても、地震や自然災害は私なりの自然への畏敬の念やシェアリングネイチャーにとって大切なことを感じさせてくれるものになっています。


震災から16年経過し、地滑りを起こした山肌は徐々に緑を取り戻し、復興事業により、その傷跡も目立たなくなっています。だからこそ震災の記憶や教訓を忘れず後世へ伝えるためのジオパーク活動があったり、シェアリングネイチャーの理念や活動が必要だと思っています。

皆様、ぜひ栗駒山麓の今を体感しに栗原市へいらしてください。

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プロフィール
塚原俊也 
所属:くりこま高原自然学校 校長
   OWLS(outdoor works & lifestyle)代表など
栗駒山域および北上川流域にて子どもから大人を対象に冒険キャンプや週末型森のようち
えん、エコツアーなど自然体験活動の企画・運営・指導にあたる。栗駒山で家族5人やス
タッフたちと共同生活をしながら持続可能な暮らしの実践中。
モットーは~子どもと一緒に「はひふへほ」大人の役割「かきくけこ」野外教育で冒険智
力(AI)を育もう~
2022年JOLA(Japan Outdoor Leaders Award)優秀賞受賞
役職:(公社)日本シェアリングネイチャー協会理事
NPO法人自然体験活動推進協議会理事
NPO法人Leave No Trace Japan 理事 指導者委員 など

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