スタッフブログ
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-119〈森の色いろ動物園〉(2021.5.4)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-119
〈森の色いろ動物園〉
風薫る 5 月、暖かな陽気にくすぐられ畑や道端に色が溢れだす。この色をいただいてちょいと遊んでみる。5,6 年前だろうか、ハガキ大の紙にタンポポの花をこすりつけたらきれいな黄色に染まった。面白くなって色んなものをこすりつけてみると、見た目とは違った色や見た目以上に鮮やかな色が出てきて楽しくなった。せっかく色が付いた紙、そのままでは味気ないので周りをペンで囲って目を描いてみる。すると、見たこともない生き物が見えてきて紙面は動物でいっぱいになる。以来、〈森の色いろ動物園〉と命名してネイチャーゲーム仲間にも紹介しあちこちで実践している。絵を描くのに苦手意識を持っていた が、これなら楽しいし、旨いも下手もない。子どもでも十分楽しめる。
カタバミは見た目通り鮮やかな黄色に染まる。赤ジソの葉は濃い紫色に、青ジソはくすんだ緑に。パセリは本物よりも鮮やかな緑になった。オオイヌノフグリの小さな花は、鮮やかなブルーに。大きく育ったヨモギは濃いめの緑に。ピンク色のアカバナユウゲショウはピンクにならず薄紫に。カラスノエンドウは同じピンクだが濃い紫になった。予想が大きく外れたのはジャガイモの花。花は薄紫だが付いた色は茶色に近い色。とっても不思議だった。こんな風にいろんな草や花をこすりつけただけで楽しい色遊びができるし、自然の妙が味わえる。季節を変えてまた遊んでみようと思う。
▶PDF版をダウンロードする 2021.5.4 NO152-119 森の色いろ動物園.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-118〈ハチの巣作り〉(2021.5.3)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-118
〈ハチの巣作り〉
アシナガバチの仲間だろうか、巣作りをしているハチを見つけた。ぶどう棚の下、腰かけ用の横板の後ろ側にプラ製の板があるがそこに作っていた。地面から 40 ㎝ほどの高さにあった。目線をかなり下に向けないと見つからない場所だ。この時期は女王バチが一匹で巣作りをすると言う。ある程度できたところで産卵し、子育てをして働きバチを増やしていく。そうなると巣作りは俄然勢いを増してどんどん大きくなる。一般的にハチは危険生物としてみなされ、マムシやダニ、ケムシなどと同じように人に嫌われ恐れられている。事実何度か刺されたことがあり、痛い思いもしている。が、肉食の彼らは農作物を食い荒らす害虫退治には有益な生き物なのだ。主にイモムシ類を食べてくれるので無農薬の畑には有難い存在だ。だから、駆除はしない。そのまま仲間を増やしてもらい、除虫スタッフとして働いてもらう。畑で作業している分には刺されないので安心して増えるのを待つ。
こちらは去年巣作りをしていたハチだが、巣が大きくなる前に女王バチがいなくなってしまった。何かに襲われたか、病気にでもなったか、はたまた災害に見舞われたか?ハチといえども生き残るには大変な苦労を強いられるのだろう。毎年、畑のどこかに巣作りするハチだが、大きくなった巣には未だお目にかかってない。今年こそは巣作りに成功し、思う存分イモムシを食べて欲しいと願う。
▶PDF版をダウンロードする 2021.5.3 NO152-118 ハチの巣作り.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-117〈自然を見つけるには〉(2021.5.2)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-117
〈自然を見つけるには〉
朝日新聞に「ドリトル先生 ガラパゴスを救う」という記事が連載されている。その中に、次のような一説があった。「自然は絶えず動いたり、変化したりしていますからね。だから観察者は、まず自分の動きをとめなくてはなりません。」と。普段は農作業の合間にチョコッと畑の自然に目を向けているが、今朝は散歩途中に畑に寄り、動かずにじっと草むらを観察してみた。すると、見える見える。わずか1m四方に小さな生き物がたくさん息づいていた。じっとその場に座ってさえいれば次々に生き物が見つかる。日本のファーブルと呼ばれた昆虫画家の熊田千佳慕さんは何時間も動かずにじっと虫を観察し、絵を描いた。そこまではできずとも5分10分でもいい、虫の時間に合わせてみようと思う。
▶PDF版をダウンロードする 2021.5.2 NO152-117 自然を見つけるには.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-116〈レンゲソウとクローバー〉(2021.5.1)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-116
〈レンゲソウとクローバー〉
かつては一面に広がっていたレンゲ畑だが、いっとき見られなくなってしまった。レンゲソウのタネを蒔いて肥料にする手間を考えたら、化成肥料を使ったほうが手っ取り早いのだ。効率優先の農業が盛んになり、昔ながらの農法はしばらく途絶えていた。
だが、嬉しいことに最近またレンゲ畑が見られるようになってきた。農家のこだわりなのだろう、「〇〇緑化」と札がある田んぼは全てレンゲソウが咲いていた。レンゲはマメ科植物なので根粒菌が棲みつき窒素を固定する。その窒素が稲を育てるのに有効となる。レンゲと根粒菌の共生関係を人が上手に活用しているのだ。この近くにA小学校の田んぼがあったがそこにもレンゲが咲いていた。毎年5年生が授業で稲作に取り組むということだが、田んぼにレンゲが咲いている意味を理解し、環境について考えるきっか けとなったら嬉しい。
クローバー(シロツメクサ)もレンゲと同じマメ科なので、根粒菌が付く。畑にも少し生えているが、緑肥にするには少なすぎる。土地が広ければ1年おきにクローバーのタネを蒔いて肥料にするのだが、それほど広い畑ではないのでクローバーを育てるゆとりはない。それでも根粒菌は しっかりため込んでいるので生えている分は緑肥として使わせていただく。クローバーは雑草ではなく立派な肥料となるのだ。
▶PDF版をダウンロードする 2021.5.1 NO152-116 レンゲソとクローバー.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-115〈幼稚園と先生とネイチャーゲーム〉(2021.4.30)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-115
〈幼稚園の先生とネイチャーゲーム〉
今日はN幼稚園の先生方と園の保有するK山でネイチャーゲーム体験。「今日は園児がいないので、先生方自身が思いっきり自然を楽しんでください」と話し早速ネイチャーゲーム開始。
ドングリを使ったジャンケンゲームでアイスブレークをした後はそのドングリで〈ごちそうはどこだ〉、続いて〈同じものを見つけよう〉、〈フィールドパターン〉、〈森の美術館〉を体験し、最後は〈音いくつ〉で終了。雨上がりの爽やかな風が吹き抜けるK山には先生方の明るい笑い声が響き、それにつられるようにウグイスも鳴き出す。
午後の講義では、「子どもと一緒に、自然の美しさや不思議さを分かち合える、そんな先生になってください」とお願いして締めくくりとした。日頃園児たちと接している先生方の感性はとっても瑞々しく、まさに生まれたての新緑のようだった。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.30 NO152-115 幼稚園の先生とネイチャーゲーム .pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-114〈満月と繋がる?〉(2021.4.27)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-114
〈満月と繋がる?〉
昨夜畑で満月かと見まごうきれいな月を見たが実際は今日だった。夕方雲が出ていたので、多分見られないだろうと諦めていた。19時のニュースでも「雲が多いでしょう」と言ってたので、それを信じていた。寝る前に夜風に当たろうと外に出たら・・・、なんときれいな満月が出ているではないか。すぐにカメラを持ち出して"ピンクムーン"を撮る。ピンクムーンとは芝桜が咲く時期なのでそう呼ぶらしい。
お月見は、人間だけでなく植物もするだろうと、葉っぱ目線でも撮ってみた。昼間は盛んに働いている葉っぱも、夜は静かに呼吸をしているだけになる。光合成工場はお休みで、月を眺めながらきっと静かな夜を過ごしているのだろう(と勝手に想像する)。
太陽は直視できないが、月はいつまでも見ていられるのでいつの間にか繋がっているような錯覚を覚える。暑くも寒くもなく今夜の月は包み込むような優しさであまねく地上を照らしている。闇と光の間を行き来する月の光はその淡さゆえにホッとできるのかもしれない。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.27 NO152-114 満月と繋がる.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-113〈自然の中で子どもは育つ〉(2021.4.26)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-113
〈自然の中で子どもは育つ〉
今日は園児たちと山遊びの日。
保育園の年長さん11人と遊んだ。山に着くなり、子ども達は次々に落ちているものを拾って見せに来る。"見てみて大き な葉っぱが落ちていた"と朴の葉っぱを、"こんなのが落ちていた"と紫のフジの花びら、"ネエネエ、ボクのも見てよ"と杉の球果を目の前にかざす。子ども達は順番などお構いなしにいろんな落とし物を持ってきた。森にあった小さな落とし物を目ざとく見つけ、興味を持ってすぐに拾うという行動はそこにちゃんとフォーカスが当たっているということに他ならない。
何度かこの森に来て落ち葉や木の実と遊ぶうちに周りの小さな自然にも目が向くようになったのだと思う。"おもしろいな"、"ふしぎだな"、"なんだろう"と目を輝かせる子ども達のセンス・オブ・ワンダーは森遊びの成果だろう。
今日は"虫"と遊ぶ予定だったが、落とし物で遊べそうなので木の枝を拾って何か作ろうと呼び掛けてみた。曲がった枝を上手に組み合わせて"顔"を作っている子、焚き火と称して枝を組み、枯葉やコナラのおしべをを火に見立てている子、その傍らでは一生懸命枝をこすって"火おこし"をしている 子。遊びはどんどん変化していき、枯れ枝だけにとどまらず、いろんな素材で遊び始めた。木の実、木の皮、石ころ、落ち葉、オシベのかたまり、土、アリ、ケムシ・・・・。子どもの発想は無限で、場所と時間さえあればいくらでも遊べる。根気よく遊びを見守る大人が傍にいれば、後はなにもいらない。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.26 NO152-113 自然の中で子どもは育つ.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-112〈夜の森散歩〉(2021.4.25)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-112
〈夜の森散歩〉
かねてから孫たちと「夜の森散歩」をするという約束をしていたので、雨の心配のない昨夜行った。小学1年生と双子の3年生の3人、+大人3人。畑で夕飯を食べ、暗くなるのを待って近くの相模原公園に向かう。公園に着いたのは7時ごろで森の中はすでに真っ暗。「夜の森は電気を消して静かに歩く」という約束をして夜の森に踏み入る。遊歩道はところどころに段差があるので、そろりそろりと歩く。白くぼんやり浮かぶ場所があってこわごわ近づくと、梢の隙間から差し込む月明かりでホッとする。
しばらく歩いた後メタセコイヤ並木のある場所で、〈夜は友だち〉をやる。5~6m間隔に一人ずつ座り夜の森と静かに向き合う。もちろん明かりは消す。15分後に迎えに行ったが、3人共我慢できずに大人の側に行ったり、フラフラと様子を見に行ったらしい。"おじいちゃん来るの遅いよ!"、"飽きちゃったよ"と口々に言ってたが、15分は長く心細かったに違いない。
日頃大家族で暮らしているので、誰かがそばにいるのが当たり前。たとえ15分でも夜の森で一人になるのは耐えられないのだ。それでいい、そうやって人のぬくもりや人といることの安心感を肌で感じることは大事なことだと思う。"怖かった"とか、"寂しかった"とかは決して口には出さなかった3人だが、夜の森を楽しむどころか、不安や心細さでいっぱいいっぱいだったのは手に取るように分かる。懐中電灯の明かりもさることながら、信頼できる人がそばにいることの安心感は子どもにとって何より大事なことなのだ。『52ヘルツのクジラたち』を読んでそのことを強く感じた。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.25 NO152-112 夜の森散歩.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-111〈時を感じて〉(2021.4.24)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-111
〈時を感じて〉 (昨日の話です)
夕方畑に行ってテントを張る。今シーズン初めての畑テント泊だ。畑でも十分キャンプ気分は味わえることが分かって、時々テントを張っている。冬場はさすがに寒いので今頃が丁度いい。夏野菜の植え付けはこれからなのでテントを張る場所は十分にある。虫がいないのも好条件だ。家にいればパソコンに向かう時間が長く、あっと言う間に10時11時になってしまい、駆けるように時間が過ぎていく。テレビもパソコンもない畑は"今"を感じるには絶好の場所だ。
畑メシの定番は"焼ウドン"。中華鍋に野菜や肉を入れ火が通ったらウドンを入れるだけの簡単料理。まだ日が明るいうちに夕飯だ。その後は焚き火をしながらゆっくりと時間を過ごす。ヤカンのお湯が沸き、"チンチン"と小さい音を立てながら湯気を吐き出している。この優しい音とリズムが心地いい。ソロキャンプが流行っているそうだが、きっとこんなゆったりと流れる時間を求めているのかもしれない。燃える火を見ながら、何も考えず無心になろうとする。が、考えないようにしようと考えてしまい、堂々巡りになる。それでも時々頭上の月をながめ揺らめく火をじっと見つめお湯が沸く音や湯気を見ていると、頭のざわめきが収まってくる。
静かに時が刻まれていくのを感じるひと時を味わう。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.24 NO152-111 時を感じて.pdf
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