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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチのシェアリングネイチャー No.152-110〈シランとスズラン〉(2021.4.23)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-110

〈シランとスズラン〉

シラン(紫蘭)とスズラン(鈴蘭)が咲き出した。シランはそのまま蘭の仲間だが、スズランはユリの仲間。シランは昔から栽培されていたそうだが未だに野生種か園芸種か分からないらしい。こんなに鮮やかで可憐な花なのに、どこにでもあるせいか見向きもされない。この花を拡大すればカトレヤになるではないか。そしたら、花屋で高値で売られるのに、丈夫で簡単に増えるので花としての価値は低い。おかしなものだ。希少だから、珍しいからとちやほやされ、どこにでもあれば知らん顔。花そのものの美しさを愛でたいものだ。

スズランは、園芸種のドイツスズランと在来の日本スズランがあるが、我が家の庭にあるのはドイツの方。花の中を見て赤っぽい色があるのがドイツだそうだ。高原に咲くイメージでとってもかわいい花。これも地下茎で良く増える。有毒なので北海道では"ウマクワズ"という別名もあり農家では歓迎されない。花はただ花の命を咲かせているだけなのに、人はそれに人の価値基準を当てはめ評価をする。自分の感性を大事にしたいと思う。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.23 NO152-110 シランとスズラン.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-105〈キンラン発見〉(2021.4.17)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-105

〈キンラン発見〉

相模原公園の散歩コースでキンランを見つけた。今にも雨が降りそうなどんよりとした曇り空だったが、黄色い花が"ここにいますよ"と呼んでいた。"ボーッ"と歩いていたのでは気づかないが"何かあるかもしれない"とそこに気持ちを向けていると結構目に入ってくる。一つ目はすぐ足元に咲いていたが、二つ目は10mくらい先の林床に咲いていた。これを見つけた時にはさすがに嬉しかった。歩きながら4つ見つけ、なんだか自分だけのお宝を発見したようで気分がいい。

この場所は、ササや灌木が生い茂っていて長い間藪のままだった。2,3年前から下刈りをし明るい林床が見渡せるようになった。クヌギやコナラなどの林は冬場、葉が落ちるので日が差し込む。明るくなった林に元々あったキンランが咲き出したというわけだ。かつて、薪炭材として活用されていたクヌギやコナラの林は、きれいに手入れされ"里山"として管理されていた。下草のない明るい林には春になるとキンランを始め、ギンランやカタクリ、シュンランなどが当たり前に咲いていた。人の営みに適応しながら長い間生き延びてきた花たちだ。だが、いつの日かそんな生活様式が変化し、やがて里山は荒れていった。

人を信じて住む場所を見つけた花たちと、もう一度信頼関係を取り戻したいと思う。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.17 NO152-105 キンラン発見.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-109〈ネギの花〉(2021.4.21)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-109

〈ネギの花〉

ネギの花が咲き出した。ネギボウズだ。ネギも野菜(植物)だから当然花を咲かせる。ベレー帽をかぶった宇宙人のようでカワイイ。

このネギボウズ、食べても美味しいのだが花が咲き出す前、まだ薄皮を被っている間が食べ頃だ。ここまでくるともう硬くなってしまい食用には向かない。株ネギなので、時々株分けをしながらもう何年もこの畑で命を繋いでいる。ネギボウズができる頃は葉も硬いので食べられない。しばらくはお休みだ。小ネギのタネを蒔いたので、それが大きくなるのを待つことにする。

写真を撮ろうと改めてネギの花を見たが、一つのネギボウズに百を優に超える花が密集している。こんなにたくさんあるとは思わなかった。この一つ一つにタネができるので、相当数のタネになる。放っておけばタマネギやニラなどと同じく2~3ミリの黒くて平べったいタネになる。いつもはボウズを取ってしまうが、このままタネができるまで待って、蒔いてみようかと思う。

下仁田ネギがうまくいったのでもう一匹ドジョウを狙おうか?

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.21 NO152-109 ネギの花.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-108〈カモミール〉(2021.4.20)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-108

〈カモミール〉

畑のカモミールが一斉に咲き出した。3月頃だろうか、こぼれダネでたくさんの苗が芽を出しているのに気づいたが、あれよあれよという間に大きくなり白い花でいっぱいになった。何年か前にタネを蒔いて育てていたものだが、それ以来毎年畑のあちこちに芽を出して花を咲かせている。写真を撮ろうと花の そばに寄ったら、あの甘い香りがぷーんと匂ってきた。カモミールにはジャーマンとフレンチの種類があるということだが、花の咲き方からジャーマンカモミールのようだ。1年草というのも当たっている。キク科の花なので中心部にたくさんの小さなタネができ、それが畑中にばらまかれる。この花を野菜の近くに植えておくと虫よけにもなるらしいので数年前から試してみているが、効果のほどは「う~ん???」ってとこか。

見るだけでは勿体ないので、早速ハーブティーとして飲む。花を7~8こ摘んでカップにいれ、熱湯を注ぐだけ。白いカップに白い花なので見栄えは今一。近くにカラスノエンド ウが咲いていたので、ピンクの花を2つほど浮かべてみたらずっとおしゃれになった。カモミールはリラックス作用があるので、飲んでみるとスーッと気持ちが落ち着き、口から消化器官全体が浄化される気がする。

畑ではいつもはコーヒーを飲んでいるのだが、たまにはカモミールティーもいい。これから、ミントやラベンダー、バジルも咲き出す。ハーブティー専門の無料喫茶でもオープンしようかな。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.20 NO152-108 カモミール.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-107〈生命の流れ〉(2021.4.19)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-107

〈生命の流れ〉

ついこの前まで褐色に覆われていた森が新緑で萌え始め、一気に緑に染まってきた。生まれたての頼りない葉はフニャフニャと体をよじらせながら風に弄ばれているかのよう。日光を浴びて、初めて"光合成"にチャレンジする若葉にそっと息を吹きかけてみる。そして代わりに若葉から放出された出来立てホヤホヤの空気(酸素)をいただく。何度か繰り返し、空気のやり取りをする。見えない空気で若葉の生命と繋がっているのを感じる。

「 森が息を吐くとき私は息を吸い込む

  私が息を吐くとき 森は息を吸い込む

私たちは、与えることで受け取り

  私たちは、受け取ることで与える
                               メリッサ・クリーグ

森にあふれる緑は、"生命"そのもの。緑を見ると落ちついたり安心したりするのは緑の中に自分と同じ生命を感じるからだろうか。

"生命の流れ"の中に私もいる。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.19 NO152-107 生命の流れ.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-106〈オオミズアオ〉(2021.4.18)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-106

〈オオミズアオ〉

それは突然のことだった。畑であれこれ作業をしていて四方に目を動かしていた時、急に飛び込んできた。そして瞬時に「オオミズアオ」と分かった。それほど存在感のある蛾で、見た瞬間に分かるのだ。クリの木の下、立てかけておいた端材にしがみついていた。昨日は気づかなかったのでひょっとしたら今日羽化したのかもしれない。が、脱いだ殻は見つからない。幼虫のエサとなりそうなコナラ、クリ、プルーン、リンゴの木があるので、この畑の出身かもしれない。となると幼虫がいたはずなのだがそれにも気づかないまま冬を迎えてしまったのだ。自分の畑なのに、毎日来ている畑なのに見てない部分、気づけてない部分がまだまだ山ほどある。観察眼が足りないということか。

この蛾は夜美しい翅を広げて飛ぶ姿からヨーロッパでは"月の使者"とか"月の女神"とか呼ばれているらしい。羽化しても口が退化していて何も食べられず、1週間しか生きられない短命の蛾。その間に交尾相手を見つけ産卵までこぎつけなければならない。月の使者とか月の女神とかそんな優雅な名前とは裏腹に、厳しい現実が待ち受けているのだ。夏の夜見かけることはあるが、こんな時期に畑で見たのは初めてだ。限られた命の中で次の命を残す、ただそのためにだけ食べ物も取らずこうして優美な姿で出逢いを待つ。たった1週間の命にここまで着飾るオオミズアオ。短くも美しく散っていくその生き様はなんと潔いことか。とうていマネできるものではない。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.18 NO152-106 オオミズアオ.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-104〈大きくな~れ〉(2021.4.16)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-104

〈大きくな~れ〉

331日に蒔いたサンチュの苗をポリポットに移植した。同じ日に蒔いたのに生長具合に大分差がある。サンチュは虫もたからず作りやすい野菜なので重宝している。本葉が2~3枚出た苗は柔らかい萌黄色で生まれたての葉がとっても瑞々しい。タネを蒔いてから半月、自分の力でどんどん大きくなっている。ほんの2,3ミリの小さなタネから芽を出し、半月でこんなに大きくなっている。生長の速さに目を見張るばかりだ。

ポリポットに植え替えた苗は70鉢になった。ここでしばらく育ててさらに定植する。天候にもよるが来月下旬頃には食べられるのではないかと期待している。焼き肉に巻いたりスープにしたり油で炒めたりと用途はいろいろある。収穫時期が楽しみだ。

タネを蒔いた植木鉢の土を捨てたら中からオケラが出てきた。普段は地中にいるのでなかなかお目にかかれないお客さん。夏、足元で"ビーーー"と大声で鳴くあいつだ。見つけてもすぐに土の中に潜ってしまうのでなかなか写真に撮れなかったが、今日はじっとしていた。

野菜も生き物も命輝かせる季節、溢れる自然に囲まれ今日も元気に農作業!

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.16 NO152-104 大きくな~れ.pdf 

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-103〈畑に池〉(2021.4.14)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-103

畑に池

畑に池を作った。池と言っても、一辺が60cmほどの小さな水たまりだ。深さ30cmほどの穴を掘りビニルシートを敷いただけのもの。ヒメリンゴの木の下に作ったので夏は日影になるはずだ。水は雨水をためたタンクから供給する。バケツで 10 杯ほど入れたのでそう簡単にはなくならないはず。雨が降ればすぐにまたいっぱいになるので、放っておいても補給の心配はない。

イノッチファームは農薬を使わないし、草もいっぱい生えているので虫がたくさんやってくる。鳥やネズミ、モグラ、カエル、ヘ ビもやってくるので生き物にとっては過ごしやすい場所になっているのかもしれない。さて、そんな畑に水場を作ったらどう かと思い、去年から構想を練っていた。初めはきっちりした池を作ろうと思っていたが、解体が大変なので簡易版にした。これ なら作るのも撤去も簡単だ。 

水を張り、ボウフラ除けにメダカと川エビを入れた。この池にどんな生き物がやってくるか楽しみだ。

予想1鳥が水飲みに来る。
予想2アライグマやハクビ
シンが水飲みに来る。
予想3トンボが卵を産む。
予想4カエルが卵を産む。
予想5ボウフラが湧く
予想6カラスが行水する。
予想7ムシが溺れる。
予想8孫の遊び場になる。

いずれにしても、何か新しいドラマが始まる予感がする。楽しみ楽しみ・・・。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.14 NO152-103 畑に池.pdfスクリーンショット 2021-04-15 10.06.02.png


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-102〈タケノコの思い出〉(2021.4.13)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-102

タケノコの思い出〉

従妹から大ぶりのタケノコを2つい頂いた。子どもの頃は家の裏に竹藪があったので家で食べる分は十分賄えたが、今は頂き物で旬の味を楽しんでいる。孫にも声をかけ一緒に皮をむき丸裸にしていく。むいてもむいてもなかなかてっぺんの皮までたどり着けない。一節ごとに皮があるので、むいた皮はかなりの量になる。

この皮を見てふと子どもの頃の記憶が甦った。昭和30年代前半、子どもの頃のおやつはサツマイモやジャガイモだったが、この季節だけはタケノコがおやつ代わりのお供だった。むいた皮に梅干しとシソの葉を入れ、三角形に折る。しばらくするとしんなりしてくるのでチュウーチュー吸うのだ。

家にいる時も遊びに出かける時もポケットに入れ、思い出してはチューチュー吸う。腹の足しにはならないが、酸っぱい梅干しと塩分はタケノコの皮で程よく中和され空腹を紛らわせてくれる。高度経済成長期とは言え子どものおやつ(しかも田舎の貧乏百姓)はこんなものだったのだ。

「よし、やってみよう!」と60年ぶりに作ってみる。一晩おいたせいか皮は柔らかくなって口当たりがいい。しょっぱい梅の味が口の中に広がりあの頃の映像がモノクロ写真でゆっくり映し出されていく。貧しかったが豊かな少年時代だった。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.13 NO152-102 タケノコの思い出.pdf

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