スタッフブログ
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-66〈ホトケノザを撮る〉(2021.2.28)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-66
〈ホトケノザを撮る〉
ホトケノザが今一番きれいなとき、撮り時だ。人で言えば 17,8 の乙女か?いやいや、野 山をかけ回る少女のようでもあるし、時に若妻のような色香も漂わせる魅力的な花だ。
ホトケノザ、被写体としての魅力は尽きません。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.28 NO152-66 ホトケノザを撮る.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-65〈庭の草〉(2021.2.27)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-65
〈庭の草〉
庭に早春の草花が咲き始めた。オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、タネツケバナ、キュウリグサ、ハコベたちだ。
うかうかしていると背丈の高い草に埋もれてしまうので今のウチに花を咲かせタネを残そうという戦略だ。この時期はまだ遠慮がちで葉もロゼッタ状のものが多いのだが、気温の上昇と共にあっと言う間に手が付けられなく なってしまう。
寒風の中、健気に花を咲かせる小さな草に同情しているととんでもないことになってしまう。心を鬼にして対処しないと・・・。"雑草"と一くくりにされてしまう花たちだが、受け止め方は人それぞれ。春の訪れを告げてくれる花たちに感謝しつつ、 見苦しくない程度に代表数株のみ残っていただこう。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.27 NO152-65 庭の草.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-64〈イカルがいる公園〉(2021.2.26)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-64
〈イカルがいる公園〉
いつもの散歩コースを歩いていると、何やら歩道上にせわしなく動いている物体が。イカルが集団でエサをついばんでいるようだっ た。その数 30~40羽ほど!20 メートルくらい離れていただろうか、そんなに離れていてもエサを食べる"ピチピチ"という音が聞こえて来る。
イカルが飛び去った後、地面を見てみると"エノキ"の実が落ちていて、きれいに割れていた。トレードマークの黄色い嘴は堅い木の実を割るのに都合よくできていて、 噛む力は 3~4 ㎏にもなるそうだ。あの小さな 体は 70g前後らしいから、噛む力は実に体重の 50 倍ほどの力になる。60kg の私に換算する と、3,000kgという途方もない力だ。
エノキ以外にも堅い木の実を好んで食べるようだが、自然界の生き物にとって エサや棲みかとなる環境はそのまま生死を左右する大事な要素となる。翻って、人が生き続けられる地球環境は果たしてこのままでいいのかと、イカルに問われ ているような気がする。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.26 NO152-64 イカルがいる公園.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-63〈花見で花味〉(2021.2.25)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-63
〈花見で花味〉
近くのお寺の庭に咲いている桜、種類は分からないが今満開だ。その満開の桜にヒヨドリとメジロが数羽群がっていた。花見ならぬ花味の真っ最中でしきりに蜜を吸っていた。欲張りのヒヨドリは近くに他の仲間が来るとあの甲高い鳴き声で威嚇し、追いかけっこが始まる。
花が咲いているのは細い枝なので、ヒヨドリの体重では重すぎ、ユラユラと揺れて心もとない。体をねじったり逆さまになったりのアクロバティックな体勢で器用に蜜を吸っている。しかし乱暴な食べ方をするのでせっかく咲いた花もたくさん地面に落とされてしまう。ホントに困ったもんだが、この貪欲さ、傍若無人さこそが彼らの生き残り戦術なのだろう。
一方、軽量のメジロは小回りのきく体でチョコチョコと枝から枝へ飛び回り、ヒヨドリがいても素知らぬ顔で花の中に顔を突っ込んでいる。好物のミカンや椿の花はヒヨドリとかぶるが、小さくて可愛いメジロはファンも多く、結構差し入れもある。その差し入れを横取りするヒヨ、そのしたたかさは鳥類随一かもしれない。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.25 NO152-63 花見で花味.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-62〈春は黄色から?〉(2021.2.22)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-62
〈春は黄色から?〉
黄色い花が咲き出した。畑では菜の花や虹菜苔、公園ではヒイラギナンテン、ダンコウバイ、ミツマタが競い合って咲いている。タンポポも地面に密着したまま咲き出 した。
昨日、今日と暑いくらいの陽気で強 い日差しに照り返されているせいか、やけに黄色い花が目立った。早咲きの桜も薄い ピンク色でそれなりに目を引くが、鮮やかな黄色には勝てない。まだまだ冬枯れの様相が 濃く残っているこの時期、黄色は目立つのだ。
畑一面に菜の花が咲き、田んぼの畔にはタンポ ポの群落が咲き出す。"あぁ、春が来たな~" とやっと冬から解放された人々にとって、この黄色は希望や幸せを呼ぶ色に違いない。
『幸せ の黄色いハンカチ』という映画があったが、長 いお務めから妻の元に戻った健さんが、青空いっぱいにはためいていた黄色いハンカチを見た時、どれほどの安堵と幸せを感じたことだろう。
どうやら黄色には人を元気にし、幸せな気分にしてくれる効果があるらしい。 春の虫たちも同じくこの黄色に魅せられてやってくる。人の見え方とは違うようだが、黄色は虫にとっても目立つ色でまさに幸せの色。そこにいけば花粉や蜜にありつけるありがたい色だ。一斉に咲き出した黄色い花は人にも虫にも元気と勇気と活力を与えてくれる。
1 年以上にもわたるこ の鬱屈としたコロナ時代に終止符を打つべく、黄色の秘めたるパワーを"鬼滅の刃"に替えられたらと思う。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.22 NO152-62 春は黄色から?.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-61〈富士山という山〉(2021.2.21)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-61
〈富士山という山〉
富士山が見える山に登った。愛鷹山系の、蓬莱山、呼子岳、越前岳の週回コースだ。
コースタイムは5 時間半。途中、"大杉"があり、挨拶した。幹回りは優に3メートルは超える巨木だ。幹に耳を当て静かに木の鼓動を聞いてみる。耳の奥の奥の方で何かささやく ような音が聞こえる。葉擦れかもしれないし小鳥が枝をつついている音かもしれない。優 しい音で、しばし聞き入ってしまう。恐らく100 年単位で生きてきた大杉、ハグしてパワ ーをもらった。
若い頃、富士山という山は好きになれなかった。あまりにも整いすぎて非の打ち所がなく、美の象徴のような存在。花にも海にも湖沼にも、田んぼや畑や遊園地、電車や高速道路、学校。どの風景の中にあっても似合ってしまう富士山。切手にもお札にも記念硬貨にもなり、みんなから、"富士山、富士山"と愛されている山。へそ曲がりなのか、単なる美しいものに対する嫉妬心からなのか、はたまた、美に照射される自分自身に耐えられなかったのか、とにかく富士山という山は好きにはなれなかった。若い頃は。
でも、いつの頃からか、あの裾野を広げ雄大にデンと構える整った富士山の美しさを、そのまま"ああ、きれいだな~"と素直に受け入れられるようになった。長生きはしてみるもんだ。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.21 NO152-61 富士山という山.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-60〈孤高のハンター〉(2021.2.19)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-60
〈孤高のハンター〉
モズという鳥が好きだ。スズメより少し大きい鳥だが、ワシやタカなどと同じく肉食なので小さな猛禽類 などとも呼ばれている。バッタやトカゲ、時にはカエルまで捕まえてしまうハンターだ。
嘴は肉食にふさわしく、タカのようにカギ状になっていて見るからに痛そうだ。この嘴で捕まれたらバッタもトカゲも万事休すだろう。愛らしい目をした小鳥だが小動物にとっては恐ろしい天敵に違いない。
モズの"はやにえ"は有名で、木の枝や有刺鉄線などに獲物を突き刺す行動は良く知られている。畑にある木にもバッタが3匹ほど突き刺さっていたことがあった。狩りの瞬間はまだ目撃したことがないが、いつも1 匹で木の上から獲物を探す様子は"孤高のハンター"のようでかっこいい!。
大昔、狩り"をしていた頃の先祖の血が突然フッと騒ぎ出し、モズと一緒に獲物を狙うハンター気分になっていたのかもしれない。モズは"百舌"と書いて、いろんな鳥の鳴き方をするそうだが、未だ聞いたことが ない。どうも、あまりにうますぎてモズが鳴いているとは気づかないのかもしれない。
秋口、尾を振りながら"キチキチキチ キチキチキチキチキチキチー"と鳴く高鳴きは有名だが、先日小金井公園で、かなり長い時間けたたましく鳴いている場面に出会った。姿は見えなかったが、何十秒もの間ずっと泣き続けていた。「おいおい、息継ぎなしで大丈夫か?」と思わず突っ込みを入れたくなるほどだった。あの様子だと単なる縄張り宣言ではなく、何か外敵に対する威嚇行為だったのかもしれない。
小さいけれども、かわいいけれども、生きるためには手段を選ばないとばかりの孤高のハンター、なんかかっこいいんだよな~。次は是非ともハンティング場面を撮ってみたい。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.19 NO152-60 孤高のハンター.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-59〈生まれたよ〉(2021.2.18)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-59
〈生まれたよ〉
公園の散歩コースを歩いていると、足元にコナラのドングリが芽を出し始めている。
あ っちにもこっちにも、"待ってました~"とばかりに春の日差しを浴びていた。なぜかわからないが、子葉が赤っぽいのと黄緑っぽいのとがある。コナラのドングリは落ちたすぐに地面に植えるとほぼ 100%発芽する。
クヌギやマテバシイでもやってみたことがあるが 結果はどれも同じで、簡単に発芽する。でも、自然の状態ではこうはいかない。何百何千とドングリを落としても、たまたま条件が良かった数個だけが発芽し、あとは干からびて土に還る。運よく発芽しても、そのほとんどは大木の陰で枯れてしまう運命だ。
ネズミやリスの貯食行動を利用し遠方に仲間を増やすドングリの作戦はあらかじめプロ グラミングされたものなのか、それともたまたまそうなったのか?海に浮かんで遠くの島に仲間を増やすヤシの実、果肉を鳥に食べさせて糞と一緒にタネを散布させる赤い実、風の力を利用して遠くまでタネを飛ばす綿毛、動物の体に付いてあちこちにタネをまき散らすひっつきむし。これらの現象が植物の知恵だと言う者もいるが、たまたまそうであって人間が勝手に意味づけしたものに過ぎないという説もある。生き物同士の繋がりをロマン仕立てで語るなら前者なのだが、果たして真相やいかに???
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.18 NO152-59 生まれたよ.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-58〈マンサク〉(2021.2.17)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-58
〈マンサク〉
いつも散歩コースになっている相模原公 園、澄んだ青空にマンサクの花がひときわ 目立って咲いていた。細ヒモのような花弁が何本も垂れ下がって咲く不思議な花だ。 少し前までは気にも留めなかったし、モシ ャモシャの花は何やら得体のしれない生き 物のようで好きではなかった。
それがどういうわけか「おもしろい」となり、「不思 議な花」となり、やがて「好きかも」と変わっていった。ま、食べものの嗜好も歳と 共に変わっていくので、花に対する思いも 変わっていってもなんら不思議はない。
今まで気づかなかったその花の"良さ"がよ うやく分かる歳に近づいたということだ。
マンサクは春一番に"まず咲く"から転 じてマンサクになったという説が有力だ。 満作とも言い、縁起のいい花として"豊年 満作"などと昔からもてはやされている。
梅や早咲きの桜と同じような時期に咲き出すが、楚々とした花らしい花の彼女らとは違って、ザンバラ髪を振り乱して好き勝手に花弁を伸ばしているマンサクのなんと自由気ままなことか。"は~るだはるだ、はるがきた ~♪"なんて浮かれて踊り出しているようでとても愛らしい。
この花が咲き出すと、木 々の新芽もどんどん膨らみ 若葉が萌え始める。
冬枯れの野山にもまた春が巡ってきてたくさんの命で溢れか える。コロナで日常がガラっと変わっても季節は確実に動いているのだ。
先が見えないトンネルの中で、ふと傍らに目をやると春がそこに来ている、そんな変化に気づける今ここへの関心を日常的に持っていたい。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.17 NO152-58 まんさく.pdf
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