スタッフブログ
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-57〈黒いあいつ〉(2021.2.16)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-57
〈黒いあいつ〉
このところ、"黒いあいつ"が畑の周りに 群がっている。その数、30~40 羽。隣の畑になにやらエサになりそうなもの(どうも糠のようだが)をまいたせいかもしれない。人が 近づけばさすがに飛び立つが、あの黒くて大きい鳥が数十羽も群がっているとちょっとビビる。昔、ヒチコックの「鳥」を観たがカラ スと言えども集団で襲いかかってきたらかなり怖い。
現に、子育て中の巣近くを知らずに歩いていたりすると、後ろから襲われたりする。賢い鳥だから、人間の顔も覚えているそうで、私の顔も覚えられているかもしれな い。
以前、ブルーベリーを覆っていたネットの中に入りこんで出られなくなったカラスがいたが、その時、周囲にたくさんの仲間が集 まって、ガーガー鳴きかわしていた。
「大変だ!仲間がつかまりそうだ、何とか助けなくちゃ。犯人はあいつだ、あの顔よく覚えておけよ、あいつは危険人物だぞ」と間違いなく "緊急事態"を仲間に知らせている鳴き方だっ た。
以来私がいる時には畑にはあまり近づかなくなったが、あの時の異様とも思える鳴き方はまさに仲間の危機を心配しての鳴き声だった。
物を食い荒らす、糞害もひどい、うっかりしていると襲われる危険もある、そんなカラスだが、他の鳥とは違う"何か"特別なものを感じ る。時に人を小ばかにしたような鳴き声や、哲 学者然とした顔つきでこちらを観察するような仕草は何かの化身のようにも思える。 "危険人物"なのでなかなか近づいての写真は撮れないが、今度知恵比べしてみようと思う。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.16 NO152-57 黒いあいつ.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-26〈でかすぎる~!〉(2021.2.15)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-26
〈でかすぎる~!〉
毎日庭のキンカンを盗みに来るヒヨ ドリ、雨が降ってもやってきた。丸ごと一個咥えたはいいが大きすぎるのかなかなか口の中に収まらない。嘴で挟んで潰そうとしてみたり、無理やり飲み込もうとしたり・・・・。ミカンと違って結構皮が硬いので、簡単にはむけない。
何度もあれこれ試しているが一向に口の中には入っていかない。笑いをこらえながらしばらくレンズを覗 き、最後まで見届けることにした。雨が降っているせいか、あのぼさぼさの頭の毛はムースを付けたようツンツンに なって愛嬌たっぷりだ。
ミカンが生ってる時もそうだが、彼ら は甘くなる時期を狙って盗みに来る。酸 っぱいうちには手を(口を)出さない。 ネットをかけて守る手もあるが、ま、この 程度なら分けてあげてもいい。黒いあいつだと大きいので被害も甚大だが、ヒヨ ドリならかわいいもんだ。畑では白菜やブロッコリーの葉を丸坊主にしてくれるいたずらっ子だが、こんな憎めない仕草をされては、邪険にもできない。許してやろう。《ウー、でかすぎて口に入らない》
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.15 NO152-56 でかすぎる~!.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-55〈ひこうき雲〉(2021.2.13)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-55
〈ひこうき雲〉
夕日に赤く染まった"ひこうき雲"、昼間の白いのは"ヒコーキ雲"、なんの感情も伴 わない時には"飛行機雲"。何が違うのかと問われても、こればかりは説明のしようがな い。自分の中では、西に向かって引かれたこの日の赤い筋は、"ひこうき雲"と表現する のがぴったりなのだ。冷たい冬空に引かれた 1 本の赤い線は、公的な飛行機雲よりもなん となく暖かみのある"ひこうき雲"の方が収まりがいいし、この時の気分にぴったりだ。
『言葉の羅針盤(若松英輔著)』のなかで、"漢字が直接的に普遍性を求めるのに対し、 かな文字には「私」という通路を経て普遍にたどり着こうとする動きがあるように感じら れる"とあった。時にはひらがな表記の中に「私」の意思を忍ばせたいと思う。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.13 NO152-55 ひこうき雲.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-54〈ぶらーり、いい気持ち〉(2021.2.12)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-54
〈ぶらーり、いい気持ち〉
鈴懸の木(スズカケノキ)、またの名はプラタナス。葉っぱを落としたこの時期、ピンポン玉のような大きさの球果がそれこそ鈴なりになる。
鈴がたわわに木にかかっているの で"鈴懸"かと思ったら、別の説もあった。山伏が着る"鈴懸"という法衣についている 房の形に似ているからというものだ。どちらの説でもいい、"鈴懸"と命名したこと自体しゃれていてステキな名前だ。
"プラタナス"も何か都会的な響きがあって、ビルの谷間に植えられた街路樹は、周囲の風景にマッチしている。"広い葉"という意味らしいが、 こっちは鈴よりも大きな葉に着目しての命名だ。この球果が欲しくて、長い棒で叩いてみ たが、簡単には落ちない。のんびり風に揺られてるだけかと思いきや、なかなかの頑固者だった。しかも硬くて、これで頭をたたいたら目から火が出るほどだった。
こちらは、"ハンカチノ木"の球果。真っ白なハンカチのような花が咲いたあとにこん な実ができる不思議さ。ちょっとグロテスクな幼虫から華麗なチョウが誕生するのとは反対に、清楚なハンカチから生まれたじみーな果実。落ちて腐りかけた実の果肉部分を取り 除くと、アーモンド型のタネが1つ出てくる。硬くてちょっとやそっとでは割れない。タ ネを蒔いても発芽率が悪いそうだが、その硬さがハスのタネのようにいざという時に役に立つのだろう。この実もたくさん木についていて気持ちよさそうにぶらーりとしている。 さむーい夜、この実に霜が降りて月の光に照らされたら、"モチモチの木"で豆太が見たような灯りがともるだろうか
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.12 NO152-54 ぶらーり、いい気持ち.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-53〈ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ〉(2021.2.11)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-53
〈ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ〉
今、中国野菜の紅菜苔が満開の時期を迎えている。花を愛でるために育てたわけではな いのだが、菜の花の一つとして早春の畑に彩を添えている。
今日は 3 月並みの陽気で、この暖かさに誘われてかたくさんのミツバチが飛び回っていた。その数約 20~30 匹ほど。そばに行ってみると、"ヴォーヴォー"と羽音が聞こえてくる。トンネルの中で聞く車の音 のようだ。花から花へとせわしなく動き、頭を突っ込んで盛んに蜜を集めている。
動きが早くてなかなか写真も撮りにくいのだが、撮った写真をよく見ると、後足に花粉団子がついているのが見える。蜜を吸っている間に足には花粉をつけるという同時作業。 この団子は巣に持ち帰って貴重な栄養源として使われる。これからどんどん暖かくなりいろいろな花が咲き出す。ミツバチにとっては忙しい一年の始まりだ。
だが、子育てのためにせっせと集めたハチミツの多くは人間に横取りされてしまう。こんな小さな体でスプー ン一杯のハチミツを集めるのはどれほど大変か、心して食べないと罰が当たる。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.11 NO152-53 ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-52〈ヤモリのミイラ〉(2021.2.9)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-52
〈ヤモリのミイラ〉
畑の小屋に入ったら足元にヤモリが・・・。いつもならすぐに逃げるのだが動こうとし ない。近寄ってみるとどうやら死んでいるらしい。一昨日小屋に入った時にはいなかった ので、昨日か今日の出来事だ。このヤモリ、小屋のロッカーにいて、時々顔を合わせてい る住人の一人。"家守"なので丁重に扱っていた。外傷はないので死因はナゾ。ただ、湿 気を好む、適温は 18 度~26 度、生きた虫を食べるなどの生態を考えると、死因はどれも 当てはまる。乾燥続き、小屋に水気はない、氷点下の寒い日が続く、虫もいない、、、。 野生の生き物にとって冬越しはそれこそ命がけなのだろう。
改めて、外に出してよく見てみるとからからに干からび、お腹はぺちゃんこ。まるで干 物状態だ。ヤモリは 11 月~3 月くらいまで冬眠するということだが、ロッカーから出てき ているのはどういうこと?と謎が深まる。日中、日が出ていると小屋の中は結構暖かくな る。"春が来たかな?"とうっかり勘違いしてウロウロ歩き出すと、夜は冷え込む。そん な寒暖差についていけずついに力尽きたか???。死因は特定できずとも、このお腹の薄 さを見ると何やら哀れを誘う。万歳した 5 本の指は万事休すの白旗だったのだろうか?
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.9 NO152-52 ヤモリのミイラ.pdf
イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-51〈木のおしゃべり〉(2021.2.8)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-51
〈木のおしゃべり〉
都立小金井公園は広大な敷地に太い木や珍しい木がたくさんある。たま~に来る爺さんがしげ しげと木を見ていたら、心許してくれたのか小さい声でしゃべってくれた。以下、本人の了承を 得て掲載することにした。
短い時間だったのであまりおしゃべりに付き合ってはいられなかったが、広ーい公園、まだまだ おしゃべりしたい木はいっぱいあるはず。今度は季節を変えてまた遊びに行ってみようと思う。 木だって耳を澄ますとちゃんと話している。《聴いてみたいな》と思ったら話してくれる。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.8 NO152-51 木のおしゃべり.pdf
イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-50〈ゆったりした時間〉(2021.2.6)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-50
〈ゆったりした時間〉
午前中はオンラインでの会議で全国のシェアリングネイチャーの仲間と顔を合わせる。北海道から沖縄まで 91 人の参加者が画面上にいる不思議な光景。まだしばらくはこんな形での会議が続きそうだ。
午後は、「ホンモノ」が恋しくて畑に行く。暖かな南風、鳥の声、冷たい雨水、煙の臭い、、、リアルな刺激に五感が目を覚ます。まずは小屋から太陽光パネルを出してお湯を沸かす。エネルギーは太陽光なので CO2の発生はゼロ。この時期なら 20~30 分でお湯が沸く。その間に火をおこしてサツマイモを焼く。剪定した枝なので、CO2 はプラマイゼロ。小さい芋を炭火の中に直に置くので、焼けるのも早い。
太陽光で沸かしたお湯でコーヒーを淹れ、焼きたての芋を頬張る。コーヒーの苦みと芋の甘味が口の中で混ざり合い「あ~うまいな~」と思わずポロリ。お口直しはスティックセニョール、柔らかな茎や花をムシャムシャ食べる。牛のように。
お腹が満足したところでお日様に 向かって目をつぶり《呼吸数えのメディテーション》。
4 つ数えながら息を吸い4つ息を止める、4 つ吐いて4つ息を止める。これを数回繰り返す。目をつぶって瞼に集中すると、瞼の裏が真っ赤に見える。無意識にしている呼吸を意識的に行うことで、空気の流れを感じることができる。わずか 5,6 分の短い時間だが、こんな呼吸一 つで気持ちが落ち着き、ゆったりしてくるのが分かる。 畑は自然との調和を得られる貴重な場所だ。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.6 NO152-50 ゆったりした時間.pdf
イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-48〈やあ、こんにちは!〉(2021.2.4)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-48
〈やあ、こんにちは!〉
野山の木々が葉っぱ落としたこの時期、冬芽に守られるようにかわいい顔が寒風にさらされている。葉が落ちた跡で葉痕と呼ばれる。顔に見えるつぶつぶは水分や養分が通った道の跡、言わば血管の跡だ。このほんわかした顔を森や公園の中で見つけると、お地蔵さんに会ったようで、思わず「こんにちは、今日もいい天気ですね」などと声をかけたくなってしまう。木の種類が違えば当然顔も違うが、同じ木でも個性があって一つとして同じものはない。人の顔だって違うのだから当たり前なのだが。ウサギに見えたり、ヒツジに見えたり、おサルに見えたり。泣いた顔、笑った顔、困った顔、・・・・。見え方も千差万別、なんでもありだ。
顔だけでなく、自然の造形物を何かの形に見立てるのは人の意識、「あっ、こんな ところにヒツジの顔があった!」と思った瞬間、それはヒツジとしてそこに存在する。気づかなければ、ただの木。同じように足元のアリやダンゴムシも「そこにいる」ことに気づかなければ、存在しないも同じこと。そうやって今までにもそのものの存在に気づかずやり過ごしてきた命の数々。幸せの物差しは人それぞれに違うが、散歩道で偶然見つけた顔に見えるものや、葉っぱの裏に隠れていた小さな虫などを見つけた時、幸せ度数は跳ね上がる。同じ命あるもの同士としてシンパシーを感じるのかもしれない。
▶PDF版をダウンロードする 2021.2.4 NO152-48 やあ、こんにちは.pdf
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