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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチファームでシェアリングネイチャー No.47〈落花生にも個性〉(2020.05.23)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO47

〈落花生にも個性〉

5月7日に落花生のタネを蒔いた。

去年収穫した中から大粒のものを選抜しタネとして保存していたものだ。

同じ日に蒔き、同じ土、同じ場所、同じように管理したにもかかわらず、まだノンビリ土の中にいてそろそろ顔を出そうとしているもの、チョコッと顔を出し始めたもの、葉を広げ始めたもの、グングン葉を伸ばしているものと、さまざまだ。

どうしてこのような状況が生まれたのか?

それは落花生の"個性"としか言いようがない。

人の赤ちゃんも、生まれて9か月で歩き出す子もいれば2歳になってやっと歩き出す子もいる。

背が伸びる時期も違うし体重の増え方も違う。

同じ種でも本来みな違う育ちをするのが当たり前なのだ。

それはひとえに種の保存を最優先するから。

みな同じ日に発芽し育っていったら、遅霜に会って全滅するかもしれないし、

外敵に食べられてしまうかもしれない。

発芽日数や育ち方が違えば必ず生き残る個体が出てきて全滅はしない。生き残る戦略なのだ。

昨今のF1種は人間の都合で品種改良されたものだから一度に発芽し、サイズも同じ、収穫も一度にできるように仕組まれている。

翻って人の世界に目を向けると、一人一人の個性よりも横並びのF1種になることをどこかで仕組まれていないだろうかと、心配のタネが膨らんでくる。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.46〈キアゲハの幼虫〉(2020.05.20)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO46

〈キアゲハの幼虫〉

ダイコンの花に隠れていて気づかなかったが、ダイコンの根元にあったパセリにキアゲハの幼虫がいた。

毎年のことだがパセリやニンジンの葉に卵を産み、気が付くとあの"鳥の糞"が見つかる。

今日は大小合わせて4匹の幼虫が見つかった。

小さくてもチョッカイ出すとあの臭い黄色いツノ(臭角)を出す。

パセリの苗は3本しかないので恐らく食べつくされてしまうだろう。
家のゆずの木にはナミアゲハの幼虫がいた。

初めは見分けがつかなかったが同じ"鳥の糞"でもいろいろな視点で見比べてみると、

幼虫時代から模様が違うことに気づく。

食草が違うのでセリ科の植物にいればキアゲハだし、ミカン科の木にいればナミアゲハと分かるが、

見る目さえ養えばわずかな違いにも気づける。

このブログを書いていたら横で年長の孫が、「あっ、アゲハの幼虫だ!」と。

「うーん、似ているけどこれはキアゲハの幼虫なんだよ。アゲハはミカンの木なんかにいるけど、キアゲハはパセリやニンジンの葉っぱを食べるんだ」と説明。

しかし孫は「でもさ、どうしてキアゲハなのに木にいないのかな~」と不思議がっていた。

何を言ってるのかと思ったら、彼はキアゲハを木アゲハと思っていたらしい。

謎が解けて、「キアゲハは木アゲハじゃなく、黄色いアゲハでキアゲハっていうんだよ」と説明してやった。

これから脱皮を繰り返し、やがて緑と黒の鮮やかな色になった幼虫はさらに食欲旺盛になってパセリを食い尽くす。

そして、梅雨に入った頃きっとまたあの優雅な姿でお礼の挨拶にやってくることだろう。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.45〈アカボシゴマダラ〉(2020.05.18)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO45

〈アカボシゴマダラ〉

イノッチファームに見慣れないチョウが飛んできた。初めてのお客さんだ。

「えっ?これは何?見たことないぞ?もしや貴重種?」。

その場でスマホで調べたが分からなかった。

ウスバシロチョウかと思ったがちっとも薄くないし、それほど優雅でもない。

家に帰って、パソコンで調べてみると・・・。"アカボシゴマダラ"の春型だった。

そう、特定外来種に指定されているチョウだ。

数年前、近くの林で丁度羽化したてのアカボシゴマダラを見つけたがその時は夏型だったので鮮やかなアカボシがついていた。

まさか星のない春型がいるとは知らなかった。

ここ数年前から神奈川県を中心に急激に増え徐々に生息域を広げているらしい。

調べてみるとどうやら人為的に持ち込まれたもののようだ。

今年の2月、自然観察会で"オオムラサキ"の幼虫を探していたら"ゴマダラチョウ"と"アカボシゴマダラ"も見つかり、それぞれの幼虫時代の違いを観察することができた。

どれもエノキの葉を食べるので"アカボシゴマダラ"は特定外来種として「駆除対象」になってしまうのだ。

"ガビチョウ""アライグマ""オオクチバス""アメリカザリガニ""ウシガエル"なども特定外来種だがすでに市民権を得てしまっている。

人間の身勝手で持ち込まれた挙句、"特定外来種"として疎まれている彼ら。

日本の固有種を守るためとはいえ、同じ命あるのものとして駆除することはできない。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.44〈コンパニオプランツ〉(2020.05.15)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO44

〈コンパニオンプランツ〉

コンパニオンといっても宴会の席でお酌をしてくれるお姉さんの話ではない。

適した野菜や花を栽培している野菜のそばに植えると病害虫を防いだり、

生育が良くなったりする組み合わせで、「共栄作物」「共存作物」などと呼ばれている。

一般的な農家は害虫や病気対策には農薬を使うが、無農薬にこだわるイノッチファームは自然界の仕組みを活用して野菜を育てるし かない。

写真Aはズッキーニのそばにマリーゴールド とネギを植えたもの(ネギは画面に入ってない)。

ネギは虫よけ、マリーゴールドは受粉の手伝いや線虫対策。

でも、ズッキーニは苗を植えたばかりでまだしっかり根付いていないためか、

すぐにウリハムシの攻撃に遭い穴だらけになってしまった。

コンパニオンプランツの効果はなし!

同じように、トマトやナスにはナスタチューム、ゴーヤにはネギをそばに植えたが、果たしてどれだけの効果があるかは未知数。

今までも農薬は使わず、野菜本来の"生き抜く力"を信じてやってきた。

ハクサイ、キャベツ、ダイコン、ニンジン、トマト、ナス、キューリ・・・。

ことごとく虫の餌食になるがなぜか全滅することはない。

虫たちは小さい野菜、弱っている野菜、密植状態でヒョロヒョロの野菜を中心に攻撃する。

見るからに元気モリモリの野菜には寄ってこないか、来ても大した被害にはならない。

野菜そのものに抵抗力があるのか、あるいは何か虫が寄り付かない物質を出しているのかは不明だが

(一説によると、虫に攻撃された野菜が"敵が来たぞ!"と いう物質を出して仲間に知らせ、忌避物質を出すらしい)。

動物も含めて地球上の様々な生き物がお互いに共存・共栄しながらバランスを保って生きてきた。

それを攪乱してしまったのが人間なので、せめて攪乱物質だけは使わないでおこうと思う。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.43〈芽が出た?〉(2020.05.13)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO43

〈芽が出た?〉

突然ですが、三択問題です。

水を張った皿にゴーヤのタネを入れておきました。

数日経つとタネから白いものが出てきました(A)。

この白いものはなんでしょう?

①根 ②芽 ③カビ

土にも同じようにタネを蒔いておきました。

何日か経つと土がもっこりと盛り上がり(B)、やがて芽が出てきました(C)。

本葉も見え始め、見慣れたゴーヤの葉になってきました(D)。

(A) 葉はこのタネの中にあったもので、硬いタネの皮を破ってこの世に誕生します。

この地上部に子葉が出てきた状態を"発芽"と呼んでいるようですが、実は地上部に芽が出る前に見えない地中ではドラマが起こっているのです。

タネが皮を破って土を持ち上げ地上に顔を出す には、"支え"が必要です。

そのためにまず"根"が伸びて土の中で体を支える足場を作る必要があるのです。

種まきをした後は早く芽が出ないかと地上部ばかりを観察しているのですが、実は見えないところでタネはその生命活動を始めて いたのです。

(B)の段階で掘り起こしてみたものが(E)で、すでにこんなにも根が伸びていました。

1年生を担任していた頃、子どもたちとアサガオを育てましたが、タネを蒔いた後はひたすら"芽"が出るのをいつかいつかと待ち続けました。

土がもっこり盛り上がり地上部に何やら見え始めた時に"アサガオの赤ちゃんが生まれたよ"と報告に来る子どもたち。

それはそれでよいのですが見えない地中でのドラマを見せてあげられなかった、そのことに気づけなかったのが悔やまれます。

数値化とか、データ化とか、見える化とか、とかく目に見えるものが真実で説得力があるかのように思われがちですが、

本当に大事なものは目には見えないものなのだとゴーヤの根が教えてくれました。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.42〈畑でテント泊〉(2020.05.12)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO42

〈畑でテント泊〉

コロナで山にも行けずキャンプもできず、それでも畑があるのでそれなりに充実した毎日ではあるが変化に乏しい。

そこで畑にテントを張って、「テント泊」を楽しむことにした。
日中は30度近くになってとてもテントを張るどころではない、夕方涼しくなってから設営開始。

ここは上高地ではないのだ。

場所は、もうすぐ"カボチャ"を植える予定地にした。
10日ほど前に草を刈り、干し草状態になっていたのでテントを張るには好都合。

結構フカフカしていて寝心地もいい。6時過ぎ、涼しくなってきたところで夕飯。

夜風に当たりながらお肉や野菜を焼いて食べる。ビールを忘れたのが何とも残念!1時間ぐらいで夕飯終了。

その後はゆっくりコーヒータイムとしゃれこむ。

至福の時が流れる。山の中ではないが、夜の帳が下りて星が瞬き始めるとそれなりの雰囲気になる。

8時過ぎ、テントに入って横になる。

"一人で静かな時間を"と思っていたら、クルマやバイク、飛行機、ドアを閉める音、人の話し声がひっきりなしに聞こえてくる。

近くに池や田んぼはないはずなのにカエルの鳴き声も聞こえてくる。

普段は気密性の高い部屋にいるので、静かな夜が当たり前なのだが、実はこんなにもいろんな音がしていたのだ。

そんな音のせいだけでもないだろうが、なかなか寝付けず、12時を回ってしまった。

そうやって何度かウトウトしていたら、カラスの鳴き声で目が覚めた。

時計を見たら4時過ぎ、あたりはもう明るくなり始めている。そのうちヒバリも鳴き始めた。

5時過ぎ、すっかり夜が明けると現実の風景が見えてきて、「あーぁやっぱりここは畑だった」と夢から覚める。

大自然の中ではないが、一時、つけっぱなしのマスクを外せた感覚になれたのは収穫だった。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.41〈アシナガバチの巣作り〉(2020.05.09)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO41

〈アシナガバチの巣作り〉

畑のクリの木に簡易的な休憩所を作ったが、その横板の下にアシナガバチの巣があるのに気づいた。

4月下旬、クリの木周辺にハチが飛んでいたのは知っていたが、まさかこんなところに作っているとは!

まだ、巣作りが始まったばかりであの六角形の穴は2~3個しかできてない。

処分するなら今のうち!だが、巣は取らない。

なぜって、実はこのアシナガバチが巣作りをしてくれるのを密かに待ち望んでいたからだ。

31号でカマキリ誕生の記事を書いたが、アシナガバチにもカマキリ同様、野菜を食い荒らす害虫退治の役を担ってもらうのだ。

カマキリと違って行動範囲が広いから、イノッチファーム程度の畑なら簡単にパトロールできる。

今はまだ女王バチ一匹で巣作りをしているが、これからどんどん働きバチが増えてくるとあっと言う間に巣は大きくなり、それに連れて虫もどんどん食べてくれるに違いない。

期待しよう!

しかし、問題は相手がハチであること。

うっかりして刺激すると大変なことになる。気を付けなくては。

時々巣作りの材料を調達に行っているようだが、なぜか小屋の入口にある戸板に止まってしきりに板を噛んでいる。

どうやらこの板に含まれている物質が巣材のようだ。どこまで大きくなるか楽しみでもあり怖くもあり・・・。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.40〈萌黄色〉(2020.05.08)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO40

〈萌黄色〉

この時期、新緑が美しい。生まれたばかりの若葉は緑よりも黄色に近い"萌黄色"。

小さくてやわらかくて透けて見えそうな赤ちゃんの葉っぱ、強風に煽られていると千切れてしま いそうでハラハラしてしまう。

今はこんなに弱々しいがお日様をいっぱい浴びてどんどん緑が濃くなり、いつの間にか全身が緑一色に染まってしまう。

そして秋風が吹き始める頃、ま た赤や黄色、茶色へと衣替えし葉っぱとしての役割を終えていく。

一枚の葉っぱの中に隠された多様な色彩の変化はまるで自然がなせるイルージョン!さすがの引田天功もマネできないだろう。

萌黄色・・・、萌木色とも萌葱色ともいい日本古来の呼び名だという。

調べ てみると平安時代には使われていたそうだ。ただ、萌黄と萌葱は違うらしい。葱の方は緑が濃いのだそうだ。

今のように化学染料がなかった時代、自然の中にある微妙な色の違いを豊 かな感性で命名したのであろう。

もえぎいろ、もえぎいろ、もえぎいろ、音の響きがなんともいい。

冬枯れのなか、裸木にしがみつくようにして硬く身を縮こませていた冬芽が、春の日差しを浴びて目を覚まし折り畳んでいた葉をゆっくりゆっ

くり開いていく。

裸木のあちこちに新しい命が生まれ、やがて木全体が新緑の海であふれかえる。

そんな萌え出たばかりの瑞々しい葉を"萌黄色"と。勝手な想像だが"もえぎ"という言葉の響きにはそんな生まれいずる命の賛歌が含まれているような気が
する。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.39〈ルバーブの季節がやってきた〉(2020.05.08)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO39

〈ルバーブの季節がやってきた〉

5月に入り、いよいよルバーブが収穫時期を迎えた。

栽培を始めた10年ほど前にはまだ認知度は低く、ほとんどの人がその存在を知らなかった。

長野あたりの道の駅に行くとルバーブの茎やジャムがたくさん売られているのだが、それ以外ではなかなかお目にかかれない。

このルバーブ、葉っぱは50㎝ほどにもなり、見た目はフキに似ている。

酸味が強くとても生では食べられないのだが、ジャムにするとその酸味が効いてグンと旨くなる。

なぜか男性より女性に好まれる味なのだ。タデ科なので春先の花はギシギシやイタドリに似ている。

シベリア原産で暑さには弱いが、これから夏に向けて次々に新芽が出てきていくらでも収穫できる。

葉が枯れる11月頃まで収穫できるのでジャムの材料としては優等生だ。

ルバーブだけだと黄緑色で食欲がわかないので少しブルーベリーを入れて色付けする。パンやヨーグルトのお供としてバッチリの相性だ。

デトックス効果、便秘解消、歯や骨の強化、生活習慣病改善、ストレス軽減、免疫力アップ、強い抗酸化作用によるアンチエイジング、視力回復と、調べるといろんな効能があるようだ。

去年取ってお いたタネを蒔いたら4~5日で発芽した。

そろそろ新しい苗の替え時かな。ここ数年でルバーブファンが増えてきた。今年もジャム作りが忙しくなりそうだ。

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