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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチファームでシェアリングネイチャー No.29〈大事なのは見えない部分〉(2020.04.17)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO29

〈大事なのは見えない部分〉

植木鉢に蒔いておいた"サンチュ"をポリポットに植え替えた。

鉢から全部一輪車の中に出して一つずつ植え替える結構面倒な作業だ。

やっと本葉が出始めた幼苗を根が千切れないように、葉を傷めないように優しく優しく植え替える。

もう少し大きくなれば直に畑に植えてもいいのだが、こんな小さい苗では乳飲み子をいきなり世間に放り出すようで、風や雨で簡単に傷めつけられ根付く前に万事休すとなってしまう。

過保護になるのは承知の上で、ここはポットで育苗してから定植するという方法をとる。

苗は双葉の間から本葉が一枚やっと出てきた頃だが、根を見てビックリ!

植木鉢の底までビッシリ伸びて、さらに行き場がなくなった根は横にも伸びだしている。

地上に出ている葉の部分はやっと背丈が2㎝ほどになったばかりなのに、見えない根の部分は優に20㎝を超えている。

こんなに小さく、か弱く見える苗だが、その下には見える部分の10倍以上の根が力強く逞しく縦横無尽に鉢の中を張り巡り、地上部を支えている。

これだけの根があるからこんな幼苗でもしっかりと 大地に立てるのだ。

"砂漠が美しいのはどこかに井戸を隠しているからだ"と星の王子様は言ったが、本当に大事なものは目に見えない。

見えてる部分にしか目が向かないと、見えない部分(本質)がないものとして見えてこなくなってしまう。

土の下にある"根"がどんな状態にあるのか、何を求めどこに伸びようとしているのか、自分自身の"根っこ"も時々見つめなおして大事なものを見失わないようにしていきたいと思う。

もちろん、根っこがあればの話だが・・


▶PDF版をダウンロードする 29イノッチファーム通信№29(pdf

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西澤代表理事からのメッセージ「コロナに負けるな」

当協会代表理事、西澤信雄から文筆家らしく「詩」でメッセージが届きました。

新型コロナウイルス感染の拡大と防止対策のために、世界中でいつもと違う生活を強いられている人々がいます。日本ももちろんそうです。

シェアリングネイチャーの仲間たちが、全国各地で一緒に楽しい自然遊びを楽しんだ子どもたちとご家族、そして、これから出会うであろう人々とともに、また「自然を心から楽しめる日」が来ることを信じて、仲間たちととともに前を向いて、いまこのときに向き合っていきたいと思います。



「コロナに負けるな」


西澤信雄 
(公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 代表理事)


町から人がいなくなった
周りから仲間がいなくなった

でも
空は青い、山は緑だ
鳥が歌い、花が咲く
川は流れ、海は光る
こんな時こそ
目をつむり、音をいっぱい聞こう
両手を広げて、風を楽しもう
大きく息を吸って、心を感じよう
目を見開き、自然を見よう
そして
ベランダの花と話せ
庭の木々と明日を語れ
小さな自然の命を体いっぱい感じよう
大きな自然の魂を心いっぱい感じよう

またきっと、仲間と一緒に
自然を心から楽しめる日が来る
必ずやってくる
コロナに負けるな


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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.28〈人はなぜ穴を掘るのか?〉(2020.04.16)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO28

〈人はなぜ穴を掘るのか?〉

孫たちが畑に来ると必ずする遊び、"穴掘り"。丁度一週間前に掘った穴をそのままにし今日は続きを掘った。

前回は50㎝ほどの穴が今日は1mほどまでに深くなった。

2年生が掘り上げる土の量は大したことないが、途中から助っ人に入った女子高生が掘ると見る見る穴が深くなる。

どの程度の深さまでなら穴から出られるかそのたびに挑戦している。

窪みは使っちゃダメとか、階段は使っちゃダメとか彼らなりにルールを決めて挑戦している。そのうち、畑にある資材を使って穴をふさぎ屋根にして完全に蓋をしてしまった。

"おじいちゃん、もっと真っ暗にしてよ"とどうやら穴倉での秘密めいた暗闇体験をご所望のようだ。

トタンやビニルシート、ベニヤ板などをどんどん乗せて暗くしてやったら大喜び!穴の中からはしゃぎ回る声が聞こえてきた。

それしても人はなぜ穴を掘るんだろうとふと考えてしまう。

海に行けばなぜか砂浜を掘るし掘った砂で山を作る。

大昔、洞窟やほら穴に住んでいた頃の名残りなのだろうか?

あるいは、掘ることで食料を得た記憶が甦るのだろうか?

木があれば登るし、川があれば石ころをひっくり返す。

赤ちゃんは何でも口に入れて確かめる。

子どもの無心な遊びや行動にはかって生きるために先祖がしてきたさまざまな行動がDNAに組み込まれているのかもしれない。

ムム、なんだかムズムズしてきたぞ!


▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信no.28.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.27〈雨乞い〉(2020.04.12)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO26

〈雨乞い〉

ここ10日ばかり雨が降らず、畑はカラッカラのパッサパサ!

少し強い風が吹くと土ぼこりが舞って靄がかかったようになってしまう。

目に土が入り、作業するのも大変になる。

でも、時期が来ればタネを蒔かなければならず、蒔いた後の水やりがこれまた一苦労!

イノッチファームのように狭い畑なら何度かジョウロで水やりをすればよいが、プロの農家はとてもそんなことはできず、ひたすら雨が降るのを待つしかない。

タネの発芽には適当な温度と水が必要なので、雨が降らなければ人為的に水をやるしかない。

こんな乾いた土では朝水やりしても午後にはもう乾いてしまうので一日2度の水やりが必要になる。

芽が出て、少し大きくなれば水やりの心配はなくなるが、とにかく発芽するまでは気が許せない。

当たり前のことだが、植物にとって太陽はもちろんのこと水はなくてはならないものなのだ。

晴れの日、雨の日、時には風の日や雪の日、自然の恩恵を受けて植物は育ち、その植物をいただいて私たちの体ができる。

だから、太陽は勿論、"雨"もありがたい天からの恵みなのだ。

畑には500l入る雨水タンクがあるが底をつき始めている。

そろそろ降ってもらわないと・・・・と、願いが通じたのか何気なく外を見たら雨の音がしてきた!

明日はどうやら本降りになるらしい。雨水タンクがまたいっぱいになってくれるかな?

それにしても、この晴天続きの中、ネギや麦、スナップエンドウは水もやらないのにこの元気、植物の旺盛な生命力に感嘆するしかない。


▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№27.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.26〈いよいよ虫たちの生死をかけたドラマが・・・。〉(2020.04.05)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO26

〈いよいよ虫たちの生死をかけたドラマが・・・。〉

コロナの影響でイベントの中止や授業の延期などが相次ぎ、その対応に追われる日々が続いている。

頭の中は毎日コロナ一色で、「は~っ」とため息ばかり。そうなると、周りの自然に全く目が向かなくなる。

畑に行って野菜の世話や草取りなどをしているのだが、心がそこにないから何も気づかないし感じない。

目の前にどんなに素敵なものや不思議なものがあっても"見ようと"しなければ、何も見えないのだ。

「これではいかん」と、今日はコロナを忘れて(とは言ってもすぐに頭の中に浮かんでしまうのだが、その時は"あっ、今コロナに気持が行
ってるな"とやり過ごす)しっかり畑の自然と向かい合った。

すると、フェンスに絡めてあったアケビに花が咲いているのに気づく。

多分かなり前から咲いていたのだが見えていなかった(ゴメン)。

そして、その足元にはハコベと並んで少し大きめのウシハコベの花が咲いていた。5 弁の白い清楚な花だ。
そして、最後の発見はカラスノエンドウにとりついたアブラムシとテントウムシ(幼虫)、そしてアリ。

これから半年余りの間"食う、食われる"の熾烈な戦いが繰り広げられる。コロナにおびえている人間だが、虫たちも生き抜くために日々戦っている。

見えない先のことを思い煩わず"今ここ"に意識を向け足元をしっかり見ようと思う。


▶PDF版をダウンロードする .イノッチファーム通信№26(pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.24<孫と畑でネイチャーゲーム>(2020.03.28)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO24

<孫と畑でネイチャーゲーム>

室内遊びに飽きた孫たちが畑に遊びに来たので、ネイチャーゲームで遊びました。「これと同じ色のもの探してきてね」と折り紙を 1 枚ずつ渡しました。

春の畑にはいろんな色があふれていますが、折り紙とぴったりの色はなかなか見つかりません。

黄緑の折り紙を持ったY ちゃんはすぐに見つかると思っていたようですが、ダイコンの葉やハクサイの葉、麦の葉、草の葉といろいろ試してみましたが、どの葉も微妙に違います。

「これはどう?」と、K くんが見つけたネギの葉にあててみると、根元の白い部分に近いところにやっと似たような色が
見つかりました。

T 君の黄色は白菜の花、K 君の青色は空にありました。

折り紙と違って、自然の中には数えきれないほどたくさんの色があふれています。

特に木の芽が芽吹くこの時期は樹種ごとにその色が違うので、同じ"緑"でもみんな違う"緑"で、まさに"百葉百色"の世界!萌えいずる自然の色に囲まれ、体内のエネルギーも湧いてきます。


▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№24.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.23<農家の怒りと悲しみ>(2020.03.23)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO23

<農家の怒りと悲しみ>

今日はイノッチファームの隣にある農家さんの畑の話。

畑で作業をしていると突然ホウレンソウ畑にトラクターが入り込んできた。

まだ、未収穫のホウレンソウがたくさんある畑だ。

「えっ?潰しちゃうんですか?」

「葉っぱの裏にハダニが付いちゃって商品にならないんですよ」

「でも、食べるには問題ないですよね?」

「お客さんが気持ち悪がって買わないんです。僕が店頭で売ればちゃんと説明できるんですが、売るのはお店の人ですからね」。

よ~く見ると(ホントによ~く見ないとわからない)確かに葉の裏に白っぽいものが見える。

これが気持ち悪いと言ってお客さんは買わないのだ!洗えば問題なく食べられるのに!

まだ、ホウレンソウは全体の9割ほどが残っていて、それが全て潰されてしまう。

丹精込めて作った野菜をこんな不合理な理由で潰さなければならない現実、やり場のない怒りや悲しみが私にも伝わってくる。

昔父がまだ現役で農家をやっていた頃、出来すぎてしまったニンジンを畑に捨てていたことがあった。

5キロの箱詰めニンジンがたったの100円!箱代やガソリン代、手間賃を入れたら売れば売るほど赤字になってしまう。

曲がったキュウリや形が悪いトマトも商品にならないから捨てる。

虫などついていようものなら、《要注意農家》として、市場で安くたたかれてしまう。

だから農家は仕方なしに農薬や化学肥料を使い、見た目がきれいで形がいい野菜を作ろうとする。

味や安全面は二の次三の次。これでいいのだろうか?

「もったいないから少し下さい」と5~6株ほどいただいた。

断腸の思いでホウレンソウを潰す農家さん、食べられずに潰されたホウレンソウ、怒りと悲しみが全身から溢れ出た。


▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№23.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.22<草の根>(2020.03.18)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO22

<草の根>

畑の草取りをしていたら、まだ草丈は低いのに根が地中にびっしり生えて土がごっそり付いてきた。

まさに網の目状態に土に入り込み、地上部をしっかり支えていた。

雑草魂なんて言う言葉があるが、この根っこを見るとうなずける。

右の草はハルジオン、どこにでも生えてる草だ。足で蹴飛ばせば花や茎はすぐに千切れるが、どっこい、これだけ根を張っていれば次々に新芽が出てきて枯れることはない。

土を落とし、水で洗って乾かしたらほそ~い根どうしが絡みついて容易に引き離せない。無理にほどこうとすると根が細いので簡単に切れてしまう。櫛で梳きたい衝動に駆られるが、多分櫛の歯に毛根が絡まってしまうだろう。

この根を大地にしっかり張って雨にも風にも人間にも負けないであちこちに仲間を増やしていく。

タンポポと同じように綿毛の落下傘に乗って遠くまでタネを飛ばせるので、どこにでも生えてしまう。この強さ、生命力にあやかりたい。

もう一つの草は、スズメノカタビラ。

イネ科の草で踏んでも刈り込んでもすぐにまた生えてきて、ほぼ1年中畑のどこかで見られる。

農家の人に厄介者扱いされる雑草の代表格。

でもこれだけ土中に根を張っているということは、その部分は土が硬くならないから敢えて根を残して地上部だけ刈るという人もいる。

草を敵に回すか味方につけるかここは考えどころである。

この根っこ、黒く染めて髪の毛代わりに使いたい(笑)


▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№22(PDF)

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.21<ダイコンの花>(2020.03.16)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO21

<ダイコンの花>

例年よりかなり早くダイコンの花が咲きだした。No12でハクサイの花を紹介したが、ダイコンにも時期が来ればちゃんと花が咲く。白くて清楚な花だ。

アップで見ると、とても野菜の花とは思えないほどの穢れなき美しさ。白無垢の花嫁さんのようだ。この美しさに?誘われて虫たちが花粉を吸いにやってくる。

お味のほどは?


ダイコンも白菜もよく見ると花弁が
4枚で同じアブラナ科の野菜。ブロッコリー、キャベツ、コマツナ、チンゲンサイ、みんな同じ仲間。

このアブラナ科の野菜は一緒に作ってタネ取りしようとすると交雑してしまう。

ま、ほとんどのタネがF1種なので自家採取しても翌年同じものはできないのだが。

ダイコンもハクサイも味覚、嗅覚で堪能した後は視覚でも味わう。仏前に備えたらさぞご先祖様も喜ぶことだろう。

▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№21.pdf

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