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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチファームでシェアリングネイチャー No.22<草の根>(2020.03.18)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO22

<草の根>

畑の草取りをしていたら、まだ草丈は低いのに根が地中にびっしり生えて土がごっそり付いてきた。

まさに網の目状態に土に入り込み、地上部をしっかり支えていた。

雑草魂なんて言う言葉があるが、この根っこを見るとうなずける。

右の草はハルジオン、どこにでも生えてる草だ。足で蹴飛ばせば花や茎はすぐに千切れるが、どっこい、これだけ根を張っていれば次々に新芽が出てきて枯れることはない。

土を落とし、水で洗って乾かしたらほそ~い根どうしが絡みついて容易に引き離せない。無理にほどこうとすると根が細いので簡単に切れてしまう。櫛で梳きたい衝動に駆られるが、多分櫛の歯に毛根が絡まってしまうだろう。

この根を大地にしっかり張って雨にも風にも人間にも負けないであちこちに仲間を増やしていく。

タンポポと同じように綿毛の落下傘に乗って遠くまでタネを飛ばせるので、どこにでも生えてしまう。この強さ、生命力にあやかりたい。

もう一つの草は、スズメノカタビラ。

イネ科の草で踏んでも刈り込んでもすぐにまた生えてきて、ほぼ1年中畑のどこかで見られる。

農家の人に厄介者扱いされる雑草の代表格。

でもこれだけ土中に根を張っているということは、その部分は土が硬くならないから敢えて根を残して地上部だけ刈るという人もいる。

草を敵に回すか味方につけるかここは考えどころである。

この根っこ、黒く染めて髪の毛代わりに使いたい(笑)


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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.21<ダイコンの花>(2020.03.16)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO21

<ダイコンの花>

例年よりかなり早くダイコンの花が咲きだした。No12でハクサイの花を紹介したが、ダイコンにも時期が来ればちゃんと花が咲く。白くて清楚な花だ。

アップで見ると、とても野菜の花とは思えないほどの穢れなき美しさ。白無垢の花嫁さんのようだ。この美しさに?誘われて虫たちが花粉を吸いにやってくる。

お味のほどは?


ダイコンも白菜もよく見ると花弁が
4枚で同じアブラナ科の野菜。ブロッコリー、キャベツ、コマツナ、チンゲンサイ、みんな同じ仲間。

このアブラナ科の野菜は一緒に作ってタネ取りしようとすると交雑してしまう。

ま、ほとんどのタネがF1種なので自家採取しても翌年同じものはできないのだが。

ダイコンもハクサイも味覚、嗅覚で堪能した後は視覚でも味わう。仏前に備えたらさぞご先祖様も喜ぶことだろう。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.19<イノッチファームのオノマトペ>(2020.03.09)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO19

<イノッチファームのオノマトペ>

ネイチャーゲームのアクティビティに〈自然の重ね言葉〉がありますが、イノッチファームにどんな重ね言葉があるかオノマトペで探してみました。

じっくり見てみると、面白いものがいっぱいあって、改めて自然の作り出す造形美に驚かされます。

▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№19.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.18<畑でビンゴ>(2020.03.03)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO18

<畑でビンゴ>

33日ひな祭りの暖かな日、畑で〈フィールドビンゴ〉をやりました。一人でノンビリと。

いつも見ているフィールドですが、対象を絞って探して見ると今まで気づかなかったものがいっぱい見つかりました。

左上から下に向かって、動物のおとしもの・黄色い花・たまご・ちくちくするもの・たべあと・キノコ・あしあと・ぬけがら・ビンゴカード。

水の音、チョウ、とりの巣は見つかりませんでしたが、"命の気配"があちこちに見られてなんだか走り出したくなる気分でした。

春ですね。


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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.17<ルバーブの植え替え>(2020.02.26)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO17

〈ルバーブの植え替え〉

ルバーブの栽培を始めたのはかれこれ7~8年前になるだろうか。

それまで聞いたこともない野菜だったが、ひょんなことから栽培が始まった。

日本名はショクヨウダイオウと言うらしいがメジャーな野菜ではない。

最近でこそ知っている人が増えたが、栽培したての頃は知っている人は1割程度。

本ではまだまだ知名度が低い野菜だ。

南シベリアが原産で寒さには強いが暑さに弱い作物。このルバーブ、茎を食べるのだが、ジャムにするとめっぽう旨い。というか、ジャムでしか食べられない。

サラダでも食べられるというがあまりの酸っぱさに、かじった途端吐き出したくなるほどだ。

リンゴやイチゴ、ブルーベリー、ユズ、キンカンといろんなジャムを作るが、ルバーブジャムが一番簡単であっと言う間にできる。

4月ごろから11月頃まで次々に収穫できるので、ジャムはいつでもいくらでもできるという優等生!

しかし、3〜4年もすると太い根が張ってくるので株分けして植え替えないといけない。

直径4~5cmになった太い根が絡み合いながら40~50cmほどの深さまで伸びている。

これをスコップで掘り起こして絡み合った太い根を切り離すのはかなり重労働!

大変だがこれをしないと茎はだんだん細くなってしまう。

ここ3~4年ほど前からルバーブジャムを美味しいと言って食べてくれる人が増え、畑で作ってその場で食べる機会が増えた。

なぜか女性の方が好きな人が多く、出来立て熱々のジャムを満面の笑顔で食べてくれる。

生産者にとっては"美味しい、おいしい"といって食べてもらうのが何よりの喜びであり至福の瞬間でもある。

そんなイノッチファームでのルバーブジャム作りの様子はまたの機会に・・・・。

▶PDF版をダウンロードする イノッチファーム通信№17.pdf

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台風19号被災地域の支援活動に〈カモフラージュ〉!?

皆さんこんにちは。豊国です。

コロナウイルスのニュースが連日、世間を騒がせていますね。

私は、自分の免疫力を高めることで対抗(?)したいなと思っています。

基本的な手洗い・うがいに加えて、十分な睡眠、適度な運動、瞑想、健康的な食事を心がけています!(なるべく、ですが...)

あまりパニックになったり、過度に怯えることなく、心身ともに健やかでいれば感染しない!・・・はずです。

さて、少し前の話ですが、2月9日に栃木県でのボランティア活動に参加し、去年の台風19号によって被災した農地の復旧作業に関わってきました。

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この場所は、近くの河川が氾濫し、かなり高い場所まで水に浸かりました。

電柱に引っかかったままになっている藁の高さがそれを物語ります。

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そして水が引いた後も、農地には、流れてきたゴミが一面に散らばっています。

この日は、この農地のゴミ拾いと、民家の裏などに散らばった藁の撤去をしました!

参加しているボランティアは全部で10名ほどいました。近隣から参加している人もいれば、レギュラーで何回も参加している人もいるようです!

私は、といえば、台風19号の被害に未だ苦しむ人がいるのに、自分はすっかりそれを忘れていたなぁと反省。

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広い農地でゴミ拾い。その殆どが、お菓子の空き袋やら、ペットボトルやら、プラゴミです。

これらは分解されることなく、ずっと土に残ってしまいます。

プラスチックを作った人も、使った人も、その時には何の悪意もなかったはずだけれど、一度災害などの不測の事態が起きると、収拾のつかないことになってしまうのだなぁと思います。

SDGsの17ゴールの1つ、「つくる責任、つかう責任」の言葉の意味が、目の前の状況と合わさってひしひしと伝わります。

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そしてゴミ拾いをしながら、ふと(あ、これ、リアル〈カモフラージュ〉じゃん。)と。

もしかして、ネイチャーゲームとボランティア活動もなにかコラボレーションできそうだな・・・そんなことを思いつつ、作業しました。

最終的にはゴミ袋10袋以上のゴミを回収することができました!

私は今回、NPO法人トチギ環境未来基地https://www.tochigi-cc.org/)さんのボランティア活動に参加してきました。

3月いっぱいまだボランティアを募集しているようなので、お時間のある方はぜひ、現地へ行ってみてください。


イノッチファームでシェアリングネイチャー No.16<命の繋がり>(2020.02.24)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO16

〈命の繋がり〉

草が大きくならないうちにとりあえずトラクターで耕耘(こううん:耕すこと)する。

狭い畑といってもいちいち鍬で掘り起こすのはとてもじゃないがやりきれない。

トラクターで耕せばあっと言う間だ。大した力も使わず気持ちよく作業できる。

さて、一畝耕して方向転換してみると、耕耘したての土の上に何やらせわしなく動き回るものが多数!

すぐに"ムクドリ"と分かる。どこで見てたのか掘り起こされた畑に飛んできて、しきりに何かついばんでいる。

恐らく土の中に隠れていた虫を我先にと突っついているのだろう。"トラクターが動けば餌にありつける"と学んだのか、あるいは単に虫が動き回っているのを"鳥の目"で素早く見つけたのか?

いずれにしてもまだ虫が少ないこの時期、棚ぼた式にタンパク質が食べられるのはきっとラッキーだったに違いない。

土中に隠れていた虫には気の毒だが、こうして誰かの命を支えるために誰かの命が食べられていく。

決して無駄にはならない。食物連鎖を構成している一つ一つの輪っかはそのまま命の繋がりであり移動である。

移動した命は巡りめぐってまた戻ってくる。

その輪っかの中に人もいるはずなのだが、人の命は一方通行。誰かに繋がっていかないのが悲しい。


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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.13<草刈り作業>(2020.02.20)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO13

〈草刈り作業〉

暖冬暖冬とぬるま湯につかっている間にあっと言う間に畑は草だらけ!

かわいいホトケノザが咲きだしたのはついこの前だったのにもう30~40cmの高さに成長している。

彼らは他の草が伸びる前に花を咲かせタネをつける戦略で、こんなに早くからグングン育っている。

手でむしればいいのだが、かがんでやる草取りは腰に来るし年寄りにはきつい作業。草刈り機で刈ることにした。

機械を使えば30分ほどで終わる楽な作業だ。でもプロの農家はそうはいかない。

ひろーい畑の草取りは重労働で除草剤を使わないとやっていけない。仕方なしに使っている人も多いのだろう。

有機農法や自然農法では広い畑でも農薬は使わない。

詳しくは知らないがかなりの時間と労力をかけて手作業でやることが多いはずだ。

だから、野菜の値段が高くなるのは当たり前。以前通りがかりの方に「ダイコンは売ってくれないの?」と聞かれたが、手間暇かけて育てたダイコンを缶コーヒー1本と同じ値段ではとても売る気になれない。

1,000円なら売ってもいいけどネ(^O^)」とにっこり答えておいた。

近代農業は除草剤を始めとした農薬、化学肥料を使うのは当たり前になっていて、重労働である農作業がそれで楽になっている面は確かにある。

一方で作業は大変だがなるべく環境に負荷を与えず、安全でおいしい野菜を作ろうとしている人もいる。

どっちの野菜を選ぶかで市場に出回る野菜の量が決まるのだろう。

17年前、亡くなった父から受け継いだ畑が草だらけで途方に暮れた末除草剤を買った。

買ったけど結局使えないままここまで来ている。きっとこれからも使わない。

いろいろな農法があっていいと思うがあらゆる命を育む大地をこの手で汚すことはできない。

草を刈った後はお日様が当たって絶好の芽吹きのチャンス!次のタネが芽を出そうと手ぐすね引いて待っている。

1週間もすると小さな草がびっしり生えてくるので、それと競争で野菜のタネを蒔かなければならない。

いつも5月の連休あたりまではなんとか競争に勝てるのだがそれ以降はいつも草に負けてしまう。

今年こそは草に負けないよう農作業に励みたいのだが・・・・。

 

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.14<たい肥の発酵熱>(2020.02.21)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO14

〈たい肥の発酵熱〉

化学肥料を使わないイノッチファームは、知り合いの養鶏所からの発酵鶏糞と近所のふれあ
い動物園からのたい肥の元を肥料として野菜を育てている。
鶏糞はすでに発酵済みなので問題ないが、動物園からのいただき物はその日に園舎を掃除し
て出た糞やおがくず、干し草、食べ残しの野菜くずなどでそのままでは使えない。

しばらく放置してたい肥にしてから畑に入れる。驚くのはこの時の発酵熱!畑に運び込まれた日はなんと70度以上にもなっていた。手を入れたら熱くて10秒も持たなかった。

目に見えないほどの微生物が有機物を分解する際に出す熱でこんなにも高温になる。

太陽熱で温められたわけでもなく、ガスや薪が燃えているわけでもなく、"分解"という過程の中で出る熱エネルギー、ただただ驚くしかない。

今はいろいろな研究が進んでいてこの熱を温室用に使ったり温水に変換したりして利用しているところもあるようだ。

微生物による発酵の過程は日を追うごとに弱まり、発酵熱も下がっていく。

多分夏ころには左のようなたい肥となって野菜つくりに貢献してくれるはずだ。

キムチ、納豆、ヨーグルト、チーズ、ビール、日本酒・・・。発酵食品にはずいぶんお世話になっている。

人間にとって有益なものを発酵と呼び、有害なものを腐敗と呼ぶらしいが、腸内細菌を含め、
目に見えない多くの生き物によって生かされているのは間違いないのだ。
 

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