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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチファームでシェアリングネイチャー No.12<ハクサイの花>(2020.02.15)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO12

〈ハクサイの花〉

暖冬のせいか、今年はもうハクサイの花が咲きだした。こんなに早く咲きだしたのは今まで
記憶にない。
あまりの早咲きに驚いているが、もっと驚くのは"エッ?ハクサイに花が咲くの?"と思ってい
る人がたくさんいること。

ハクサイだってキャベツだって植物だから花が咲くのは当たり前と、小さい頃から見慣れて
いる者にとっては常識なのだが、スーパーに並んでいる野菜(しかも食べる部分だけ)しか知
らない者には驚きなのだろう。

ニンジンもゴボウも玉ねぎも収穫しないで放っておけば花が咲くし、サツモイモだってところどころにアサガオのような花を咲かせる(サツマイモはアサガオと同じヒルガオ科)。

交配を繰り返し人の手で意図的に作られた野菜だってれっきとした植物、子孫を残すためには花を咲かせ実をならせタネをつけようとするのは必然の営み。

葉を食べるハクサイ、茎を食べるアスパラ、根を食べるサツマイモ、地下茎を食べるサトイモ、実を食べるキュウリ、そして花蕾(からい)を食べるブロッコリー。

食べるのは野菜の成長過程のどこか一部なのでその野菜の一生を見ることはない。

でも命をいただき自分の体を作ってくれている野菜の一生くらいは知っておきたいし知ることでありがたみも増す。

その感謝の気持ちは持ち続けていたい。一雨ごとに春が近づき、ハクサイの董もぐんぐん伸びる。

そしたら辛し和えにして食べよう。春の香りがしてメチャクチャうまいのだ!

久しぶりの農作業に夢中になっていたらいつの間にか日が沈んでいた。

大山丹沢の上には真っ赤に染まった雲がドラマチックに蠢いていた。明日は晴れるかな?


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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.11<もうお出ましですか?>(2020.02.13)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO11

〈もうお出ましですか?〉

白菜を取ろうとしたら何やら素早く動く物体を発見!

"えっ!"と驚いた先にはテントウムシが!!今日は4月の陽気でシャツ1枚でも十分なほどの暖かさ。

でも、まだまだ2月、まさかこんな時期にテントウムシがと目を疑ったが、まぎれもないナナホシテントウ。この暖かさに誘われて動き始めたらしい。こんな時期に出てきても好物のアブラムシはまだ見つからないだろうに、どうやって餌を探すんだろうと心配になってしまう。

今年はカマキリ同様、このテントウムシ君たちにも野菜にたかる虫を退治してもらうつもりでいる。無農薬栽培のイノッチファームにとって大事な大事なお客さん、踏みつけないようにそっとそばから離れた。

さて白菜を取って外側の傷んだ葉っぱをはがしていると葉っぱの間から"バッタ"が出てきた。

"ええっ、今度はバッタですか!"と再度ビックリ!

バッタは夏から秋の虫、なんで今頃と不思議でならない。調べてみるとどうやら成虫で冬越しするクビキリギスのようだ。もちろんちゃんと生きていた。先月は薪を入れてたコンテナの中にも同じような虫が入っていた。

ダンゴムシもそうだが、こうやって人の目につかないところでけなげに冬越ししている生き物を見ると、その逞しさや生命力にただただ脱帽するしかない。

日々コロナウィルスに戦々恐々としている人間がなんだかとっても弱い生き物に思えてしまう。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.10<かわいいお客さんだけど・・・>(2020.02.04)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO10

〈かわいいお客さんだけど・・・〉

畑で焚火をしようと野菜コンテナに入れておいた薪をどかしてみると、何やら素早く動く物体を発見!

一瞬だったが今までの経験から多分ネズミだろうと予測できた。薪をどかすたびにあっちにこっちにと逃げまどい薪の下に隠れる。一本ずつゆっくりゆっくり薪をどかしていくとついに隠れる場所もなくなり正体を現す。体だけの大きさは5~6センチの小さなネズミ。ハツカネズミと思われる。

イノッチファームにはネズミの通り道が地面の下のあちこちに張り巡らされていて、野菜を収穫するたびにネズミのトンネルに出くわす。モグラが掘った穴を活用することもあるらしいが詳しいことは分からない。

サツマイモがかじられていたり物置に置いておいたカボチャをかじられたりしたこともたびたび。カワイイとは思うが農家にとっては招かれざるお客さん、被害を抑えるためには捕獲しかない。

A:殺鼠剤を使う、B:粘着シートを使う、C:捕獲器を使う、D:超音波で追い払う。

Aは農薬になるので使わない、Bは処分するのに抵抗がある、Cは捕獲した後死ぬのを待って畑に置き、カラスなどに食べてもらう、Dは電源がないので畑では使えない。

ということで、これまでに3匹ほど、年に1匹程度の割合で捕獲器で捕獲した。が、今回はシェアリングネイチャーを忘れ、鬼と化して自分の手でやるしかない。動きは素早いが狭いコンテナの中、棒で2~3回つついたらあっけなく昇天!

あ~ぁ、今年はネズミ年だというのに・・・。

でも、感傷に浸っていたら大げさだけど自分が生きていけない。生きるためには邪魔するものは排除し、血肉になるものは体に採り入れる。

人に限らず"生きる"ということは他の命を奪い、奪った命をいただくということ。

本来はその作業を自分でしなければならないのだが、そしてかつてはみな自分でしていたことなのだが、今は他の誰かが殺め、解体し、小さくスライスしてスーパーに並ぶ。

自分で殺さないから心が痛まない。食品ロスもそんなところから発生するのかもしれない。

自分が生き続けるということは、他の命を殺し続けるということ、そのどうにも逃れられない悲しみや痛み罪悪感があってはじめて"いただきます"の意味が分かるのだと思う。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.9<やられたー!>(2020.01.29)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO9

<やられたー!>

冷たい雨が続いた後、春のような陽気に誘われて二日ぶりに畑に行ってみた。

なんと、二日前には何ともなかったキャベツが全て食い荒らされている!まだ、8個くらいはあったキャベツ、大事に大事に食べていたのだが、あっと言う間に奴らの餌食に!ブロッコリーの葉っぱを食べているのは知っていた。葉っぱは食べてもいいや、大事な食用部分の蕾を食べられなければと鷹揚に構えていた。

しかしいよいよ食べものがなくなってきたのか、はたまた"こっちの方がうまいや"と気づいたのか、白菜やキャベツにまで手を(いや、口を)出し始めてきた。

数えてみるとその数約20羽、いくら小さいとはいえそれだけの数でつつかれたらひとたまりもない。1~2日で丸坊主になってしまう。

白菜はこれから暖かくなると芯が伸びてきて菜の花を咲かせるようになる。その直前の蕾を菜の花あえにして食べる楽しみがある。

奴らにその楽しみを奪われてなるものかと、すぐにネットで覆った。

暖冬とは言え、まだ1月。毛虫もイモムシもまだ出てこない。秋の木の実は食い尽くし、残るは畑の野菜だけ。仕方ないかと思いつつ、でもみんな食われてしまうのは困る。

キャベツは諦め、白菜だけを守ることにした。それにしても、ダイコンやカブの葉っぱには見向きもしない。味が分かるんだろうかと不思議でならない。

ひと段落した後、クリの木に設置した自称"イノッチ砦"に寝転び空を見上げてみた。真っ青
な空に白い雲がゆったりと流れ姿を変えながら西から東へと旅をしていた。

ゆっくり一呼吸、二呼吸しているとヒヨドリの悪行に腹を立てていたちっぽけな人間が流れ
る雲に笑われていた。

さてと、今夜はヒヨちゃん食べ残しの白菜であったかい鍋でも食べるかな。

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.8<飯盒でご飯炊き>(2020.01.22)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO8

<飯盒でご飯炊き>

先日、およそ20年ぶりに飯盒でご飯を炊いてみた。20年ぶりにしてはうまく炊けたので、フロックではないことを確かめるために再度挑戦してみた。

前回は3合炊いたが多すぎたので今回は2合。初めから強い火力でどんどん火を燃やしたら5分足らずで湯気が上がってきた。「ええっ、もう!!」とあまりの早さに心配になり少し火を弱めた。さらに少し経つと噴いてきた。前回は盛んに噴き出したのに今回はあまり噴き出さない。「水が少なかったかな?」と心配になってきたが今更足せない。

このまま様子を見ながら10分ほど置き、かまどから降ろした。更に10分蒸らした後、どんな炊きあがりかと蓋を取ってみると、ちゃんと"カニの穴"ができているではないか!飯盒の底が焦げてないか見てみると、少し黒くなっている程度で問題なし。側面にはキツネ色のお焦げができている。上出来上出来!

蒸らしている間にサバの味噌煮を温め短冊に切ったダイコンを載せる。「何か足りない???」ことに気づき、緑黄色野菜のスティックセニョールを摘んで鯖みその皿に盛りつける。インスタント味噌汁を作って、"いっただきま~す"。

飯盒の炊き立てお焦げつきご飯、オメガ3タップリの鯖缶とさっきまで畑にあったダイコンとスティックセニョール。開放感たっぷりの畑ご飯は思わず"うんめ~!!"と足をばたつかせ叫びたくなるほど。

直火でのご飯炊きは手間暇かかるけど、その分炊きあがるまでのワクワクした待ち時間がなんともたまらない!便利な世の中で敢えて不便さを強いてみることで、便利さと引き換えに失ってしまった胸の奥のザワザワしたものやドキドキした感情が蠢き始める。

これこそまさに"生きてるな~"と実感する瞬間!

そうだ、今年はこんな瞬間をいっぱい体験しよう!

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.7<今日は大寒???>(2020.01.20)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO7

<今日は大寒???>

120日、今日は大寒!

一年のうちでもっとも寒い日、のはず。なのにイノッチファームではもう早春の草花が咲き始めています。

一枚目は"ホトケノザ"、ほんとに可愛い花で大好きです。この姿、形、そして色!どうやったらこんな花ができるのか不思議でたまりません。バラやユリも確かにきれいです、見事な咲きっぷりです。でも、この草だってあと10倍も大きかったらきっと"雑草"ではなく、立派な"園芸種"になっていたかもしれません。あるいは、きれいな水と空気と汚染されてない畑にしか生えない貴重な草だったら、多くのカメラマンや花好きの方がレンズを向けることでしょう。むしってもむしっても次々に生えてくる草、どこにでもある"雑草"。だからみんなから振り向いてもらえないとしたら、人の価値観なんて曖昧で絶対的なものではないですね。雑草と呼ばれても、道端で犬のおしっこを浴びせられても、私が"美しい"と感じたものは、誰が何と言おうと、美しいし尊いのです。

口コミ、人の評価、ウワサ、SNS、テレビや新聞報道、、、、。情報があふれかえっているこんな時代だからこそ、「ワタシハワタシノカンセイヲダイジニシタイ」と思います。それは取りも直さず、「ワタシハホカノダレデモナイワタシダカラ」です。



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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.6<イノッチファームでSDGsを考える>(2020.01.14)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO6

<イノッチファームでSDGsを考える>

イノッチファームでは無農薬、化学肥料ナシで野菜を育てているが、農業資材の使用に関しては無頓着だった。農業資材とは黒マルチや不織布、防虫ネット、ポリポット、種まき用トレー、園芸用支柱など多岐にわたる。雑草防止や虫よけ鳥よけ、保温、育苗などに使われる。

父が農家をしていた50~60年前にはマルチには稲わらやもみ殻を使っていたし、育苗箱には木製の箱を使っていた。野菜の支柱には竹を使い、縛るのはビニル紐ではなく麻ひもやわらを使っていた。

しかし、現在ではほとんどの農家が安価に手に入る市販の農業資材を使っている。

もちろん私も例外ではない。使い勝手が良くそれなりの効果があり、手間もかからない優れものである。

しかし、問題はその素材である。黒マルチもポリポットも不織布も防虫ネットも園芸用支柱も全てプラスチック製で、劣化してくるとマイクロプラスティックとしてあちこちに散乱してしまう。使い終わった資材は再利用したりゴミとして処分したりしているが、劣化したものを回収するのは不可能だ。

SDGsに関心を持ち始めた昨今、畑での農業資材の使用について考えるようになった。

今まで白菜を縛るにはスズランテープを使っていたが、自然物で何かいいものはないかと考えた末、たまたま近くにあったサツマイモの蔓が目に入った。試しに縛ってみたら切れずにうまくいった。これは我ながらいいアイディアだったと自負している。

ほかにも、ダイコンやサツマイモを育てる際マルチをしていたが思い切ってマルチなしでやってみた。草は余分に生えるが大きく影響することはないし、収穫量もほとんど変わらないことが分かった。

今年は白菜やサトイモにもマルチなしで育ててみようと思う。慣れ親しんだ園芸資材の使用をゼロにすることは難しいが、減らすことはできる。今、自分ができることからムリなく取り組んで行こうと思う。


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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.5<イノッチファームにお客さん>(2020.01.07)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO5

<イノッチファームにお客さん>

17日、イノッチファームにお客さんが来てくれました。

初めにこの時期どんな野菜が畑にあるのか"イノッチファームでやさいさがし"ゲームをしました。制限時間
10分!ハクサイやダイコンはすぐに分かるのですが、芽が出たばかりの麦やスナップエンドウはなかなか見つかりません。ブロッコリーとスティックセニョールの違いも難易度高!サトイモはかろうじて葉っぱが残っていたのですぐに見つかったようです。この後はせっかくなのでこの野菜を使ってお料理タイム!メニューは、豚汁・焼き芋・キヌカツギ・野菜サラダ・バターナッツ炒め・茹でスティックセニョール・カブの漬物・スイーツ。差し入れの手作り野沢菜も大人気でした。



採れたての野菜を素材の味を生かしてできるだけシンプルに調理、野菜に凝縮されたエネルギーをそっくりそのまま戴く感じです。島ニンジ ンを初めて生でかじりましたが、とっても甘くてビックリ!鮮やかな黄色の中に隠されたパワーが口の中に広がるようで、まるでほうれん草を食べた時のポパイでした(大げさ(^_^)/~)。食後、子どもたちは枯れ草や枯葉を集めての火遊びに夢中、そして畑の穴掘りへ。

今にも雨が降りそうな寒い一日でしたが、温かい食べものとそれを一緒に食べる仲間、そしてユラユラと燃え上がる炎に囲まれて、体だけでなく心の芯まで暖かくなりました。


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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.4<初シェアリングネイチャー>(2020.01.01)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO4

<初シェアリングネイチャー>

あけましておめでとうございます。
202011日、風もなく穏やかな年明けです。吸い込まれそうな真っ青な空に向かい、新しい年の清浄な空気を胸いっぱいに吸い込みました。〈呼吸数えのメディテーション〉〈音いくつ〉〈サウンドマップ〉〈感覚の輪〉とノンビリゆったりシェアリングネイチャーウェルネスを楽しみました。背中に当たる暖かなお日様に包まれていつの間にかウトウト居眠り。なんだかとっても幸せな時間でした。

冬枯れのイノッチファームには見た目生き物の姿は見られませんが、枯れ草や落ち葉の下、土の中、木の洞にはじっと春を待つたくさんの生き物が潜んでいることでしょう。今年もまたいろいろなドラマが見られるかと思うととても楽しみです。さてさて、朝ドラ、連ドラの主役は誰になるのやら・・・

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