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保育・幼児教育
日ごろ忙しい保育者のためのネイチャーゲーム展開のヒント
「資格をとったものの、なかなか実践できていない…」 そんなお悩みをお持ちの保育士の皆さん!
自由あそびの時間など、ちょっとした保育のスキマ時間に、ネイチャーゲームを活用するヒントをお伝えします。
「資格はとったものの…」

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私が勤めていた幼稚園では活動の中でネイチャーゲームを体験してもらい、リーダー養成講座を紹介することで多くの保育者が養成講座を受講していました。一方で日常の保育ではなかなか実践に結び付いていない現状もありました。

ある時、ネイチャーゲームを実践できない理由を聞いてみると“準備の時間が取れない” “教材や道具がない” “他の活動や行事との関係でなかなか実践できない” “他クラスや他学年との園庭の使い方に工夫が必要” “保育者の人員が確保できない” “まだ自信が持てず実践の一歩が踏み出せない” などさまざまでした。

私たちがリーダー養成講座で学んだ指導実習の通りに実践しようとすると、どうしても実践までのハードルが高くなってしまうようです。

全員を集めて「さあ、これから始めますよ~」だけがネイチャーゲームの実践ではなく、もっと自由で気軽な気持ちで活用すれば良いのです。

自由あそびの時間こそチャンス!

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保育カリキュラムの中に位置づけて一斉活動として行うことも大切です。一方で自由あそびの中で行なう方法もあります。たとえば園庭の片隅でいろいろな形を描いたカードを広げ、興味を持った子どもたちに「ねえ、これと同じ形が見つからないんだけれど、だれか助けてくれる…?」

こんな問いかけに「いいよ! 行ってくる! みつけたら教えるね!」と反応する子が一人いればそこから活動が始まります。

こちらの仕掛けで自然発生的に始めることで、子どもたちは強制ではなく自主的に集まってきます。集中力には差があり、一抜けする子もいれば友達が活動している様子を見て興味を持って近寄って来る子もいます。

そして、楽しんでいる子どもの声を受けとめ、そこから対話を広げることでわかちあいにもつながります。

そのうち「そろそろお片付けして教室にもどりますよ~」の声に、「じゃあこの続きはまた今度ね…」と店じまい…。

こんな関りを園庭や園外での出先で行っていました。


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仕掛けのための小道具や小ネタがあるとよい

自由あそびにはいつも小道具を持っていきます。

小道具といっても大掛かりなものではなく〈フィールドパターン〉や〈フィールドビンゴ〉の項目を1つずつのカードにしたもの、色探しのためのカラーチップ(おりがみを切ったもの)、目玉のシール、おりがみ(バッタのカモフラージュ用)、中太のサインペン(はっぱのキツネ作りに使用)などで充分です。

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大切なのは保育者自身が自然案内人としての感性を高めること

手順・準備・小道具などの仕込や仕掛けどれも大切ですが、それ以上に大切なのは保育者自身が日常の中で自然への関心を持ち、自然を楽しみながら感性を高めること。そしてそれを継続することです。

日ごろ忙しい保育の仕事に関わっているみなさんだからこそ、自身が自然を感じる時間、楽しむ時間、心が落ち着く時間を持つことが大切です。

ネイチャーゲームのアクティビティは工夫次第でセルフで楽しめるアクティビティもたくさんあります。自分自身にネイチャーゲームを活用することは心が穏やかになるだけでなく、「これおもしろい!」「子どもたちとやってみたい!」そういったインスピレーションも湧いてくるでしょう。

保育者自身が日常でネイチャーゲームを楽しむことは保育現場での実践の第一歩です。





園田恵一 そのだ けいいち
東京都シェアリングネイチャー協会
ネイチャーゲームトレーナー

ネイチャーゲームと出会って25年。昨年、長年勤めた幼稚園を定年退職して現在は自然とともに生きる自分探しをライフワークに日々を過ごしています。
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