それは木々が放つフィトンチットや酸素量、──というのが定説です。さらに音の効果があると、ご存知ですか?
日置光久(ひおき・みつひさ)・監修
東京大学大学院教育学研究科特任教授。広島大学大学院にて理科教育学、自然体験・メディア論、科学哲学等を学ぶ。広島女子大学助教授、文部科学省教科調査官・視学官等を経て、現職となる。日本シェアリングネイチャー協会理事。
人間の可聴域、すなわち聴こえる音の範囲は20?2万ヘルツ。さらに残念なことに、高音は年齢とともに聴こえにくくなります。
つまり私たちが聞いている音は、世界に満ちている音のごくわずか。そして生物は種それぞれに特有の可聴域をもち、多くの情報を音で受けとっています。この可聴域は、それぞれの生物の生態により異なり、天敵に聴こえない音を発して仲間とコミュニケーションをとったり、周波数の低い音(声)で遠くの仲間に情報を伝えたりしているのです。つまり同じ世界にいるように見えても、生きものたちはまったく違う音の世界を生きているということ。
私たちが静かだと感じる森のなかも海のなかも、じつはさまざまな音で満たされているわけです。音が全部聴こえたら、森はとてつもなく騒がしいのかも...。
「音で自然を感じる」代表的なネイチャーゲーム。耳で自然をキャッチしてみると、意外や意外!目では確認できなかった豊かな世界に気がつきます。同じ場所でも朝と夕方、また季節によっても異なる音を発見できます。
【楽しみ方】
①・・紙と筆記具を準備します。
②・・好きな場所で心を落ち着かせ、周りから聞こえてくる「音」に集中します。
③・・紙の中央を自分のいる場所として、周りから聞こえた音のイメージを記号化し、方向や大きさを意識しながら紙に記入していきます。音の記号は自分流で、自由に描きましょう。
④・・5?10分くらい続けると、最初は気づかなかったいろいろな音が聴こえてきたりします。
※情報誌「シェアリングネイチャーライフ」Vol.11 特集(デザイン:花平和子 編集:伊東久枝、佐々木香織、水信亜衣 表紙イラスト:矢原由布子)をウェブ用に再構成しました。
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