日置光久(ひおき・みつひさ)・監修
東京大学大学院教育学研究科特任教授。広島大学大学院にて理科教育学、自然体験・メディア論、科学哲学等を学ぶ。広島女子大学助教授、文部科学省教科調査官・視学官等を経て、現職となる。日本シェアリングネイチャー協会理事。
母親のうんこから、ユーカリを消化・解毒する特殊な腸内細菌も受け継ぐ
多くの生物のうんこは単なる食物の・・かすではなく、別の生物にとっての〝ごちそう〟だったりします。自然界では、誰かのうんこは誰かの食事となって、うんことして放置されている時間はじつは短いのです。
なかには、コアラのように、離乳食として子どもに与える動物も。また、ウサギは一般的に知られるコロコロうんちとは別に「盲腸便」という柔らかい便をし、なんと肛門から直接食べてしまいます。
これらは消化しにくい植物を一度腸内で分解・発酵させて、吸収しやすくするしくみ。こうして植物に含まれる多くのビタミンやアミノ酸を吸収しているわけです。4つの胃を持ち、反芻や発酵を行って栄養を得るのはウシやヒツジなどの偶蹄類。しかしそのような進化をせずとも、こんな栄養吸収の手があるとは...。生物の進化と知恵はじつに多様です。
でも「うんこを食べるなんて野生の世界のできごと」と思いきや、今やうんこがつくった食品が人間界でももてはやされる時代。芳醇な味わいでコーヒーの最高級品とされるコピ・ルアクは、じつはマレージャコウネコのうんこから取り出したコーヒーの種を乾燥・焙煎したもの。その芳醇さは、うんこのなかで自然発酵されたうまみなのです。
ウサギは消化しにくい食物を盲腸内で発酵させ、一度便として排出し、再び食べる!
大人にはタブー視されがちな「うんこ」...でも、なぜか子どもたちは「うんこ」が大好き。好奇心を刺激して、うんこから広がる「自然のつながり」を学んでみよう。
①参加者一人一人に「うんこカード」を配ります。
②リーダーは「つながりカード」を持ち、参加者から8?10mぐらい離れて立ちます。
③リーダーが「つながりカード」を1枚見せます。そのカードに書かれていることと、自分のカードのうんことの間に「つながり」がある参加者はリーダーに向かって一歩前に進みます。
④③を繰り返し、参加者の一人がリーダーにタッチできたら終了。みんなが気づいたことなどを話し合いましょう。
※情報誌「シェアリングネイチャーライフ」Vol.10をウェブ用に再構成しました。
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