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ライフスタイル
夕暮れを静かに味わう〈サンセットウォッチ〉
自然の中にいても、街の中にいても、毎日かならず日暮れは訪れます。夕暮れ時の空を見上げて、昼から夜の移り変わりを静かに味わってみましょう。

暮らしの中での〈サンセットウォッチ〉のやり方

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【やり方】

(1) 夕暮れ時の自然の変化がわかる場所(お気に入りの場所でも、公園でも、街中でも、自宅のベランダでも、どこでもOK)を見つけましょう。

(2) 夕暮れの変化(空の色や気温、鳥や生きものの動きなど)を五感でゆっくり感じとります。※変化の様子をメモしてもいいでしょう。

sunset02.png天草に沈む夕陽。凪の不知火海は大きな鏡のようだ。ミサゴやアオサギが悠々と飛び、静かでゆったりした素晴らしい時が流れる。



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近くの公園の芝生広場で日暮れを過ごす。たくさん木に止まっていた鳥がだんだん少なくなり、残った鳥たちは日没直前に飛んでいなくなった。聞こえていた鳥の声もやがて聞こえなくなった。

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いつもの帰り道に大きな夕陽が現れた。しばらく立ち止まって見入る。見慣れた地元の風景が夕焼けに照らされて映画のワンシーンのよう。自然のダイナミックさを感じた。

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雪上キャンプの日、曇っていた空がピンクに染まりはじめた。日没後は空が明るい紫色に。そして紺色になって静寂な夜が訪れた。

「くらし時間のネイチャーゲーム」体験談

私の仕事場は、海に囲まれた照葉樹林の中のキャンプ場「グリーンスポーツみなまた」です。素晴らしい自然の中に居られる事に、とても感謝しています。そんな自然の中に、ゆったりとした幸せな時間を過ごせる場所があります。管理事務所から歩いて100歩の所、奥に漁港と漁師さんの集落のある小さな入り江に面した海岸です。日が暮れかかり、そろそろ閉園時間という頃、私はそこに向かいます。穏やかな不知火海しらぬいかいの向こうに見える天草あまくさの島々に沈む夕陽を眺めに行くのです。小さな石の敷きつめられた浜に出ると、座り心地の良さそうな岩や流木に腰をおろします。  

まだ陽が沈むまで少し時間がある様です。静かな海にオレンジ色の道が太陽まで真っ直ぐ続いています。静けさの中、ちゃぷちゃぷと打ち寄せる波の小さな音が聞こえてきます。海の上の空をミサゴがゆっくりと飛んで行くのを見る事もあります。空の色や雲の形や波の様子など、目の前に広がる風景は一日一日違います。
そして、
「いま見ているのは地球が生まれてから何度目の夕陽なのだろう」
「いま聞いているのはここに海岸が出来てからずっと続いている波の音なんだ」

そんな事を想っていると、体が永い永い時の中に入り込んでいき、海や森に暮らす生きものたちの命に自分の命がつながっていくのを感じます。太陽がすっかり沈んでしまってからも、ゆっくりとこの時を感じていたいのですが、暗くなる前にキャンプ場のゲートを閉めに行かなければなりません。「太陽さん、また明日」と海岸を離れます。  

皆さんにも、とっておきの〈サンセットウォッチ〉の場所があると思います。そんな場所を集めた「全国〈サンセットウォッチ〉おすすめポイント一覧」でもあれば、そこかに出かけた時、日暮れ時フラリとその場所に立ち寄って、〈サンセットウォッチ〉を楽しんでいる誰かと、静かでゆったりとした一時を共に過ごす事が出来るかもしれません。

(三村堅一/熊本県)

※本記事は情報誌「ネイチャーゲームの森 vol.65」(2009年3月15日発行)より転載しています。

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