【やり方】
(1) 探したい模様や形を決めます。カードを何枚か手づくりして、その中から選んでもいいですし、特にカードを待たなくてもOK。
(2) (1)で選んだパターンを自然の中から探します。
「自然界の形や模様のおもしろさに気づく」というこのネイチャーゲームが好きで、ときどきひとりでやっています。
私のやり方は、周りにあるものを見て、「形」だけではなく、「形と数字の共通性」をさがすという、少し変わった方法。たとえば、松ぼっくりを枝についていたほうから見ると、ひとつひとつの"かさ"がらせん状に並んで見えます。このらせんは右巻きにも左巻きにも見えますが、列の数を数えると、左巻きが5列、右巻きが8列あるように見えます。さらに、左巻きは数え方を変えると13列あるようにも見えます。
また、いろいろな花の花びらの数を数えると、多くのものが3、5、8、13枚です。
この「3、5、8、13・・・」という数字の並びは、「フィボナッチ数列」と呼ばれ、「前の二つの数字の和になっている」という単純な規則性でできています。ところが、この単純な"ルール"は、パイナップルの実やひまわりの種など、探すと身の回りのあちらこちらに見られます。
このネイチャーゲームであたりを観察すると、いろいろなところにフィボナッチ数列が見つかるので、面白くてしょうがありません。また、ツクシの"はかま"から"はかま"までの長さの比、木の葉の縦横の最大長比、これらは絵画や建築に見られる「黄金比」であることも発見できます。
そして、自然物だけでなく、人工物までもがこの数字に支配されていることに気づくとき、自然界を貫く不思議な軸を見たように思え、「人間も自然の一部である」と感じざるを得ません。まさに、「自然との一体感を得る」瞬間です。
自然のなかにあるさまざまな形を見つける、ネイチャーゲームの〈フィールドパターン〉は、観察力を養う「カラスの活動」ですが、私流の〈フィールドパターン〉は、ついつい没頭しているうちに、自然を深く体験する「クマの活動」になってしまいます。私にとっては、感性よりも理性を使う、ちょっとかわったクマの活動です。
(能條 歩/北海道)
フィボナッチ数列とは?
イタリアの数学者フィボナッチは、木の枝に葉が生えていく成長過程や、花びらの数、カタツムリの殻の渦の広がり方など、多くの自然物に規則性があることを発見した。隣り合う2つの数を足すと、次の数に等しくなるという規則性をもった数列のこと。
※本記事は情報誌「ネイチャーゲームの森 vol.65」(2009年3月15日発行)より転載しています。
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