私は日課として、会社に出勤する前のしばらくの時間を利用し、自宅周辺を『目で散歩』しています。・・・というのも、飼っているトイプードルがちょうど朝のウンチの時間になるので、その時間を利用して周辺を観察しているのですが・・・。
ほんの限られた場所なのですが、毎日観察しているといろいろ面白いものが見えてきます。特に普段目が届かないような小さなミクロの世界には、飛びっきり面白いものや新しい発見がいくつも隠れているようです。普段は自分の目でそのまま見ていますが、気になるものが見つかると『ムシメガネ』の登場です。気になる場所をスポットで、あるいはミクロハイクの要領でルートで探ってみます。
4月のある日、裏山の斜面でふんわりと柔らかそうな緑色のかたまりの中に、小さな丸いものがいくつも並んでいるのを発見しました。早速『ムシメガネ』を持ち出して観察です。ムシメガネで覗いてみると、目玉がいくつもこちらを向いて並んでいるように見えました。さらにぐっと近づいてみると、まるで『目玉のオヤジ』といった感じで、今にも動き出しそうです。
こういったことがきっかけで、あちこちミクロの世界を探検するのが楽しみになりました。数多く観察しているうちに、小さな野の花の周辺にはとても多くの生き物が潜んでいることに気がつきました。花の蜜を吸いに来たり花粉を食べに来る昆虫をはじめ、そういった昆虫などを狙って花の裏側から様子を伺うハナグモの仲間など・・・。
小さなミクロの世界の中でも毎日激しい(食う食われるの関係=食物連鎖)が繰り返されています。
また、ムシメガネを通して目の前に登場するものひとつひとつどれもが、無駄の無い美しい姿形をしていることにも気がつきます。『自然の一番繊細な手仕事は 小さなものの中に見られます-レイチェル・カーソン』まさにこの言葉どおりの世界なのです。皆さんもちょっとした時間を利用して、ムシメガネを片手に身近なミクロの世界を探検してみてはいかがでしょうか?
ただし、このアクティビティーで探検する『ミクロの世界』に魅了されてしまうと、時間を忘れて次から次と新しい探検に出かけたくなりますので、ご注意!!
(林昌尚/福井県)
※本記事は情報誌「ネイチャーゲームの森 vol.69」(2010年3月15日発行)より転載しています。
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