【やり方】
(1) 心にとまる自然物をひとつ選び、その自然に聞いてみたい質問をします。
(2) 自然からの答えを自分なりに考えてみます。
私は植物や昆虫、そのほかの生きものとの対話を楽しみます。言い換えると、「生きものの気持ちになってみる」ということなのですが、これはネイチャーゲームの<自然へのインタビュー>に通じるのかな、と思いました。
私の家の近くで、樹齢260年とも言われるスダジイの大木が、道路建設に伴い伐採される予定でしたが、人びとに惜しまれて別の場所に移植されることになりました。
260年前に、一粒のドングリから双葉を出した時、行き交う人びとはどんな暮らしをしていたのだろうか。木は自分の枝の下で、休んだり、実を拾ったり、食べたりする人びとや動物たちをどんな気持ちで眺めていたのだろうか。
そして今、大木となって場所を移されることが、この木にとって果たして本当の望みなのだろうか。それは、人間のエゴではないのか? しかし・・・などなど、私はこの木の前を通る時につらつらと思い、さらに、「共生ってなんだろう?」などと、ぼんやり考えたりもするのでした。
「生きものの気持ちになってみる」と、思いがけない発見や視点が開けてきて、楽しいものです。「彼らは、なんでここにいるのだろう?」という問いかけが、<自然へのインタビュー>の出発点になります。
ある初夏の日、公園の茶畑の葉陰でアシナガバチの巣を見つけました。まだ直径1.5cmくらいで、その巣をつくった蜂が1匹、巣に止まっています。
「どうしてここに巣をつくったのかな?」
「そうか、エサが多いから?」
「遠くまでエサを探しに行く手間が省けて、そのぶん子どもをたくさん育てられる?」
「なんでエサが多いってわかるのかな?」
「お茶の木にはチャドクガなどがつくよね?」
「人間はチャドクガにかぶれるけど、君は大丈夫だろうか?」
「葉が傘になって雨もよけられそうだから、ここを選んだのかな?」
などと思い浮かびます。ああ、きりがない。
楽しい対話はこうして続きます。
(早川広美/神奈川県)
※本記事は情報誌「ネイチャーゲームの森 vol.72」(2010年12月15日発行)より転載しています。
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