育児真っ最中の我が家。日々の暮らしで、これはネイチャーゲームだな!という実感を持つことがあります。それは、自然を体験するように、暮らしの中でも「みる、きく、かぐ、さわる」などの感覚を使って、さまざまな発見を3歳の娘が教えてくれる場面が数々ありまして。我が家のネイチャーゲーム(シェアリングネイチャー)的な1日を少しご紹介します。
保育園から家への帰り道。ネコジャラシを見つけるたびに、触りたくなるようで「ふわふわだよ!」って教えてくれます。「ふわふわの次ぎは、チクチクを探してみようか」と僕が言うと「うん!」って元気よく探す娘。ツツジの枝がチクチクして「お父さん触ってー」とわかちあいを求めてきます。次は「アリさんいるかな?」。すると見つけたアリさんと一緒にすごくゆっくり歩いています。まさにアリの時間体験!今度は、「クモさんの巣みーつけた!」って。一緒にしゃがんで見つめて、興味津々。そうして、もう家に着いてしまうので、今日はおしまい。続きは夕飯の「いいにおい」に期待しよう。〈フィールドビンゴ〉のような帰り道は、森の中を探検した気分で家に着くことができます。
家に着いてからも、ネイチャーゲームが形を変えて、生活の中に現れることが楽しいです。木の下で落ちてくる葉っぱを待ってキャッチする〈落ち葉キャッチ〉は娘が大好きなもの。これが夕飯時には、お鍋からユラユラ立ち上る湯気をみて、「湯気キャッチしよう!」とお鍋の中とお話しています。
〈森の美術館〉を思い出し、紙とテープでフレームを作り「これ虫さん見るのに使うの!」と、フレーム越しにお母さんをよーく見てお話が弾み、そして、寝る前には〈音いくつ〉。周囲の音に耳を傾け「こっちから聞こえたから、こっちの指をおってね」ってやり方も教えてくれます。車の音、窓に風が触る音、小さくなった虫の音、弟の寝息にも指をおります。でも、しだいに自分の寝息のほうがスースー聞こえて、1日が終わっていく。
育児の中でも、日々の出来事が、ネイチャーゲームのエッセンスに溢れていると気づくとき、暮らしの豊かさを思えますね。
(宮川知之/東京都)
※本記事は情報誌「ネイチャーゲームの森 vol.68」(2009年12月15日発行)より転載しています。
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