新しいクラスの仲間や先生と早く打ち解け、
ワクワクした気持ちで
新年度のスタートが切れるよう
「ネイチャーゲーム」を使った
学級開きをいくつか紹介したいと
思います。
クラス替えがあって
知らない人がいる、
話したことがない人がいる、
そんな場合に使います。
【やり方】
事前準備:
10から12程度の質問項目を
〈この人をさがせ〉カードに
書いておいたものを作っておく。
(カードはA6程度)
例:リレーの選手になったことがある人( )さん
トカゲをつかまえたことがある人 ( )さん
海で泳いだことがある人 ( )さん
木登りがとくいな人 ( )さん
一輪車に乗れる人 ( )さん
おりがみでつるを折れる人 ( )さん
ほうちょうでリンゴの皮を向ける人( )さん
ア:合図と共に質問項目に該当する人を
探し名前を書いていく。
該当しなかった場合は、
別の人に聞きに行く。
質問した相手からの質問も受ける。
同じ人の名前は書かないよう、
いろんな人に質問する。
※クラス人数が少ない場合は、
人数分の質問項目を考え、
「全員の名前が入るようにしましょう」
とルールを決めてもよい。
イ:終了後、先生から
T「トカゲをつかまえた人を探せた人?」→ 何人か挙手
T「それは誰ですか?」(指名)C「〇〇さんです」
T「へ~、〇〇さんトカゲ捕まえたんだ、どこで捕まえたの?」C「△△で!」
T「そんなとこにいたんだ、すごいな。先生も今度捕まえたいな!」
と、いくつかの項目について少し話を広げる。
“このクラスには
こんな子がいるんだな”と、
クラス仲間の個性について
知るきっかけ
となります。
質問項目は
学年や地域の特性などを考え、
自然体験や生活経験、
さまざまな教科を
網羅した形で
考えてみてください。
友達同士はもちろん、
先生方も
初めて出会う子どもたちの
意外な一面を
見られると思います。
・適正条件
学年:2年生以上 場所:室内、屋外共歩き回れる程度の広さがあれば可
人数:6人~40人程度(場所があれば学年全体でダイナミックにやっても楽しい)
時間:20~30分
5~6人のグループを作り、
みんなで協力して
“生き物”をあてるゲームです。
生き物に詳しい子がいたり、
リーダー格の子がいたり、
指示待ちの子がいたりと、
子どもたちの個性が表出します。
お互いを知るチャンス
になります。
【やり方】
ア:5~6人のグループを作る
(クラス人数によっては
グループ人数を加減する)。
イ:各グループで
質問する順番を決めておき、
順に並ぶ。
ウ:下の図のような
体形を作り準備する。
エ:先生がある“生き物”を思い浮かべる。
オ:各グループの1番目の人が
一斉に先生のところに質問に行く。
質問するときは
他の人に聞かれないよう
小声でする。
カ:グループに戻り、
聞いたことを伝える。
2番目の人が別の質問をしに行く。
こうして何度か質問をし、
そこから得たヒントを頼りに、
その生き物を特定し
先生のところに生き物の名を告げに行く。
合っていたら“正解!”と告げ、
他のグループが正解するまで待つ。
不正解の場合はさらに質問を続ける。
このゲームは
“質問内容”が大事なので、
練習として、
次のゲームをやっておくと、
何を質問すればよいかがつかめます。
先生がある生き物の特徴を
1つずつヒントにして出し、
子どもたちは一人で考えて
その生き物が何かを
当てるゲームです。
【やり方】
ア:先生が生き物の特徴を表すヒントを
1つずつ出す。
いくつかのヒントを聞いて
分かったら人差し指を鼻の頭に載せて
合図をする。
答えが分かっても、
“ハイ”と手を挙げたり、
答えを言ったりしてはいけない。
ルールは一つ“しゃべらない”。
イ:全員の指が鼻についたら、
一斉に答えを言う。
先生が出すヒントは
こんな内容です。
私は肉食です
→空を飛べます
→掌に乗るくらいの大きさです
→体の色は、茶色いものや黄緑色のものがいます
→卵から生まれます
→足は6本です(このあたりで指が動き始めます)
→顔は三角形です(ここでかなりの指が動きます)
→前足の2本は獲物を捕るのに使います
→その2本は鎌のような形をしています
〈動物質問室〉での質問は、
上記のように、
(1)足の数
(2)食べもの
(3)棲んでいるところ
(4)大きさ
(5)色
(6)生まれ方(卵か赤ちゃんか)
などを聞くと
たどり着けることを
あらかじめ伝えておくと
よいでしょう。
・適正条件
学年:2年生以上 場所:室内、校庭 人数:6人~40人 時間:30~45分
※〈ノーズ〉は園児からできますが、分かった時点で咄嗟に答えを言ってしまうのがほとんどです。でも、それも良しとして楽しんでください。
校庭で見られる自然物を
ビンゴカードに書き(絵や文字で)、
3~4人程度のグループで
協力して探すゲームです。
初めて出会ったクラスの
仲間とすぐに打ち解け、
お互いの良さに気づけるゲーム
です。
また、相手の感覚と
自分の感覚は違うものだと
気づけるゲームで、
お互いの感じ方を尊重しあう
ことにも繋がります。
【やり方】
事前準備(1):3×3(4×4も可)マスのカードに
校庭で見られる自然物や現象を
記入したカードを作っておく。
例:黄色い花、
いいにおいのするもの、
ふわふわするもの、
ダンゴムシ、
鳥の鳴き声、
キノコなど。
自然物でなくとも、
校庭で見られる学校独自のものもよい。
(百葉箱、創立百周年記念樹、二宮金次郎の像etc)
事前準備(2):3~4人のグループで行うので、
グループ作り用のカードなどを用意しておく
(まだ人間関係が
出来上がっていないので、
カードなどで意図的に
グループつくりをする)。
(1)同じ動物名を書いた紙を
3つずつ用意し、
折りたたんで見えなくする。
各自に選ばせ同じ
動物のグループになる。
(2)もっとシンプルに、
同じ数字を書いた紙を3つずつ用意し、
(1)と同じように選ばせる
ア:ビンゴカードを
各自1枚ずつ配り、
書いてある項目を確認する。
イ:みんなで探しに行き、
グループ全員が確認したら〇をつける。
一人でも確認できなかった項目は
〇が付けられない。
(例:いい匂いと思わない、
鳥の鳴き声を聞いてなかったなど)
※見るだけでなく、触覚、聴覚、嗅覚等を使って確かめることを伝える。
ウ:集合の合図で集まり、
見つかったもの、
見つからなかったもの、
何か発見したものなど話し合う。
ビンゴカードは同じものでも良いですが、
書いてあるものの配列を変えると
同じグループでも
ビンゴになる数が違ってくるので
より楽しさが増します。
・適正条件
学年:1年生以上(文字が読めるなら) 場所:校庭 人数:3人~40人
時間:30~45分
井上 満 いのうえ みつる
元 公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 常務理事
ネイチャーゲームの楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの人に伝え、共に感動をわかちあいたい、そんな思いで実践をしています。自然の中にいるたくさんの命に直接触れ、命を実感できるような自然案内人をめざしていきたいと思います。