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小中学生の自然体験
「イモ虫」歩きで、仲間と一緒に自然を感じる目かくし活動、〈目かくしイモ虫〉
知覚情報の8割以上を頼る「視覚」をあえて使わず、自然を感じるネイチャーゲーム。“イモ虫仲間”と発見や喜びを共有しながら楽しめるのも魅力的。進めイモ虫、新しい自然散策スタイルとしてぜひ。
仲間と一緒に「見えない世界」を歩く

「これから足元の様子が変わりますから、

足元の変化を感じながらゆっくり進みましょう」



バンダナを目にまき、視界を閉ざした状態で

前を進む仲間の両肩に置いた手から届く

数少ない、でも確かな感覚を頼りに進む。

仲間の肩が上がる、下がる、揺れる…



そしてそれを追うように、

私が踏みしめる足元が、

上がっていく、下がっていく、

でこぼこと、おぼつかなくなる。



文字通り仲間の肩に支えられて

その難所をゆっくりと越えていく。



そして私の肩も上がり、下がり、揺れ…

私の両肩をつかみ、真後ろを歩く仲間も、

足元に広がる未知の何かに足を取られ、

私の肩にギュッと力を入れてくる。

私と同じように。



目隠しイモ虫-大人-01.JPG

イモ虫になって感じる世界

私を含め目かくしをした4人が一列に並び、

先頭の仲間の両手をもったネイチャーゲームリーダーが、

ゆっくりと引っ張り、歩を進めていく。



言葉少なに、でも、安心して、ついていけるようにと

私たちに優しい声をかけるリーダーが、

いろいろな提案を投げかけてきます。



太陽はどこにありますか?

日の光を感じられますか?

少し立ち止まって耳をすませましょう

足元の自然にふれてみましょう

風はどちらから吹いてきますか?

みなさんの右側にゆっくりと手を伸ばしてみてください・・・



最後に、それぞれに案内されて腰を下ろした場所で

ゆっくりとした時間を過ごす。

頬をなでる風、足元にしっとりと佇む草の葉っぱ、

鳥たちのさえずりが心地よく響きわたる空間。

なんとも贅沢な時間です。



リーダーの声がけに、

ゆっくりと目かくしを外します。



もったいないような気持ちもありながら、

でも、今いるこの心地よい場所は

いったいどんなところなのだろうというワクワクが止まらない。



一瞬、真っ白な世界に来てしまったかのような、

思っても見なかった眩しさに慣らしながら

ゆっくり目を開いていくと・・・

目かくしイモ虫の楽しみ方

目隠しイモ虫-子ども-01.JPG

人は感覚を通して得られる知覚情報の80%以上を

視覚=目で見ることで得ていると言われています。



その視覚を使わず、あえて目にお休みしてもらうと

他の感覚がフル稼働。感覚が開かれていきます。



そんな目かくしすることで研ぎ澄まされる感覚を使って

自然を感じるネイチャーゲームの一つがこの〈目かくしイモ虫〉。



手順はこちら。



(1)参加者に一列になってもらう
(2)バンダナで目かくしをして、前の人の肩に手をかけてイモ虫をつくる
(3)リーダーが誘導し自然を散策する
(4)最後に全員でゆっくりと目かくしをとる
(5)歩いてきた道を、目をあけてもう一度歩き、感じたことを共有する
目かくしイモ虫実践時の安全対策

<紹介したい自然とルート>

触ってほしいもの、聞いてほしいもの、においはどうかな、そして、どこで目を開こうか・・・こんなにもワクワクを詰め込める活動はなかなかありません。

その分、しっかりと下見をすることが大切です。

そして、目かくしをしての移動はいつもよりずっと時間がかかります。

紹介したい自然が決まってきたら、無理のないルートを組みましょう。

最後にどこで目を開くか、これも大切です。目かくしを外すそのときを、素敵な自然との出会う瞬間にしたいですね!



<目かくしについて>

目かくしは無理にしなくてもかまいません。

小さな子どもや、目かくしすることを躊躇う場合には、「目を閉じる」でもちろんOKです。小さな子どもは、目かくしをしていても、そーっと、隙間から周りの様子を見ようとするときもあります。

これは無理に止めなくてかまいません。大切なのは自然を感じることです。

目かくしが怖くて、自然を感じられなかったらもったいないですよね。



<実際に触ったり、座ったりして確認してこう>

ルートが決まったら、実際に、歩いたり、触ったり、座ったりしながら、一通り実際にルートを歩いてみて、危険がないかチェックすることをおすすめします。

棘のある植物がないか、足元の状態はどうか、穴が隠れていたりしないか、座る場所は斜めになってないか、など確認しておきましょう。

目かくし活動は本人が危険を回避しづらくなります。歩くのが早すぎたり、こわいなと思った瞬間には、前の人の肩から手を話していいよと伝えてあげてください。

安全安心でネイチャーゲームを楽しみましょう!



●ネイチャーゲームをもっと知りたい方は
 ▶︎ネイチャーゲームリーダー養成講座を受講する

●ネイチャーゲームを体験したい方は
 ▶︎全国で開催しているイベントに参加する

●ネイチャーゲームの講師を呼びたい方は
 ▶︎講師依頼をして自分のイベントで実施する



藤田 航平 ふじた こうへい
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会

事務局次長・マーケティング部



大学生でネイチャーゲームをはじめて、気づけばネイチャーゲーム歴は20年。ネイチャーゲームで身につけたスキルや心がまえに支えられながら「シェアリングネイチャーパパ」やってます。今の日々の楽しみは、空を見上げるのが好きな次男(2歳と3ヶ月)と一緒に、鳥を見つけては鳴き声を真似て遊ぶこと。今日も、「あーあー」って次男ガラスが、可愛い声で鳴いています。
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