まつたにみよこさんが書いた「リスのわすれもの」、小学校の国語の授業や音読の宿題で聞いたことがる人もいるのではないかと思います。
リスの「さんた」が、「くるみおじさん」から、ひいひいひいひいおじいさんリスの「たろすけ」さんとのエピソードを聞いて、森の不思議なしくみにふれるお話。
わすれんぼのリスと、土に埋められないと発芽しないクルミの組み合わせのおかげで、ひいひいひいひい孫リスが、クルミをたくさん食べられるようになる。でも、やっぱりリスはわすれんぼだから、新しいクルミが芽吹いていく。
リスとクルミだけじゃなくて、ネズミやカケス、それにホシガラスも。
わすれんぼなご先祖が作った森で暮らす生きものたちがたくさんいるんですね。
え?わすれんぼ、ってどういうこと? 〈ごちそうはどこだ〉を遊んだら、わかるんです。
〈ごちそうはどこだ〉は、ちょびっと準備が必要なのと、流れをおさえておくことが大切です。
<準備物>
□木の実 たくさん
・人数×3つくらいが目安
□範囲を決めるロープ グループの数
□木の実の数を整理するための紙とペン
□(必要な場合)合図の道具
□(必要な場合)木の実を入れる袋
<ごちそうはどこだ>
(1)「貯食」をする生きものについて伝える
(2)グループを同じくらいの人数にわける(木の実の数を揃えましょう)
(3)グループごとに、ロープで囲った自分たちの森に木の実を隠す
(4)他のグループの森で木の実(ごちそう)を見つける
(5)自分たちの森で、残っている木の実(ごちそう)を探す
(6)他のグループの森で見つけた木の実の数と、自分たちの森で見つけた木の実の数を確認する
(7)木の実の数を整理してみる
グループ活動のときは、しっかり準備をしてみたけど、親子や友だちと遊ぶときはもっとシンプルに楽しめます。
<準備物>
□そこに落ちている木の実
<ごちそうはどこだ>
(1)同じ木の実が落ちてないところに隠す
(2)相手に探してもらう
(3)見つからなかったのがあれば一緒に探す
(4)交代する
ぐっとシンプルに遊べますね!
実際には貯食をする生きものたちは、冬を越えるために、とてもたくさんの木の実を隠していると思います。
その中には、やっぱりうっかり忘れてしまったものもあれば、遠くに埋めちゃったので、そのままになったものもあるでしょうし、あるいは、もうお腹いっぱいで、掘り出さないまま季節が巡った、なんてこともあるかもしれませんね。
またアニメの「おさるのジョージ」に出てくるリスのジャンピーも、他のリスに木の実を持っていかれてしまうエピソードがありますよね。
鼻が利く生きものもいるでしょうから、隠した木の実って、実際に他のリスや、ネズミなどに食べられちゃうことはやっぱりありそうです。
そうなると、埋めた木の実の一つ一つに、あまりこだわらないじゃないかな、なんて思ってみたりも。
貯食をする動物に聞いてみないと真実はわからないですが、「わすれんぼ」をはじめ何らかの理由で忘れられた木の実の数と、生きものの暮らしとが、不思議なバランスをとっている自然って、やっぱり面白いですね!
・違う森から持ってきた木の実の場合は、芽が出ないように火を通すなどしておきましょう
・木の実を隠す際に「穴を掘って埋める」と、木の根っこを傷つけたり、蟻の巣を壊したり、生きものへの影響が大きいです。フィールドによっては「穴は掘らない」を約束事にすると良いでしょう。
・ツタウルシなどのかぶれやすい植物がないか確認を
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公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会
事務局次長・マーケティング部
学生時代からネイチャーゲーム自然学校・自然教室に関わり、あれよあれよという間にネイチャーゲーム漬けの日々(つまり仕事)。スタッフ研修で、本気でドングリを隠そうと高いところに引っ掛けておいたら・・・ドングリを探しに来た他のグループから、「みんなの身長を考えてよ」って叱られました!身長差などに配慮して「なんとか手が届く位置に、枝がない木」をあえて選ぶと、シンプルになっていいかも。