東京都府中市で開かれていた「れんげまつり」で、集まった子どもたちとネイチャーゲームを楽しんだときのこと。
去年の稲わらが、そこここに落ちているレンゲ畑で、一人一本、稲わらを持って活動開始。
レンゲ畑や、周りを子どもたちが思い思いに散策します。
新しく素敵なものを見つけたら、「ありがとう。さようなら」と持っていた稲わら手放して交換していきます。
稲わらはいつの間にか、
もっと長い稲わらに。
落ち葉に。
枝に。
どんぐりに。
テントウムシに。
もちろん、農家の方に採っていいよと言っていただいたレンゲやシロツメクサの花にも。
みんなで集まったら、順に「宝もの」を紹介してもらいました。
テントウムシを持っている子は右手を上に左手を上にと、しきりに動かして大変そうですが、かわいくて仕方がない様子。
「3回交換したよ」という子もいれば、最初に交換した自然物をずっと持っている子も。
でも回数に関わらず、みんな自然の宝ものについて、大切そうに、気に入ったところを紹介してくれました。
この遊びのポイントは、気に入ったものを「ひとつだけ」しか持てないこと。
子どもたちは、たくさん集めるのがすごく好き。
いつもなら、同じ木の実や落ち葉をいっぱいいっぱい集めます。
でも「ひとつだけ」にすると、周りのいろいろなものを見るようになります。
そして、心ひかれる出会いがあるたびに、「どっちにしようかな?」と考えたり、見比べたり。いつもと違う自然とのかかわり方が生まれます。
そして何よりも大切なことは、手放すものをゴミ箱にポイするのではなく、「ありがとう・さようなら」と「自然に返す」こと。
自然に返した自然の宝ものは、きっと他の生きものたちにとって、大切なものです。
「大金持ちを目指して交換していく」のではなく、わらしべ長者のように、親切で優しい気持ちで、自然とかかわれる時間になることと思います。
〈わらしべウォーク〉は準備いらずで、すぐに始められる活動です。
<準備物>
□わら(そのフィールドに落ちている素材、枯れ草や枝など)
<わらしべウォーク>
(1)「わらしべ長者」の昔話をし、「わらしべ長者」になって遊ぶことを伝える
(2)参加者に、わらを配る
(3)参加者は散策しながら、今持っているものより気に入るものを探す
(4)気に入るものを見つけたら「ありがとう・さようなら」と交換する。
ただし、ひとつしか持ってはいけない
(5)集合して持ってきたものを見せあい、シェアする
「わらしべ長者」の絵本を読んだ次の朝、「今日はわらしべ長者になって歩こう!」って子どもを誘ってみませんか?
いつもの保育園・幼稚園までの道で、近所の公園で、「ひとつだけ」の宝もの探しを楽しみましょう。
きっと時間がかかるから、忙しい朝はやめたほうがいいです。
でも、この活動は、子ども一人ひとりの感性にふれることができる時間になります。
子どもの散策する様子、交換に悩む姿、新しい発見をしたときの喜びの表情、丁寧に「ありがとう・さようなら」と伝えるバイバイに、きっと素敵な発見があることと思います。
・移動時にも実施しやすい活動ですが、じっくり自然を見たり、感じたりすることで得られる気づきもあるので、短い距離や、限られたエリアでの実施をおすすめします
・触ると危ないもの(トゲのある枝・ウルシなどのかぶれやすい植物など)については、あらかじめ伝えるようにしましょう。家族で実施する際は一緒に歩くようにしてください。
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公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会
事務局次長・マーケティング部
学生時代からネイチャーゲーム自然学校・自然教室に関わり、あれよあれよという間にネイチャーゲーム漬けの日々(つまり仕事)。 「れんげまつり」のお話は学生の頃のこと。ネイチャーゲーム指導員の資格を取ったばかりの頃に、みんなで大学構内でネイチャーゲームをして遊んでいたら、近所の「浅間山自然保護会」の方に声をかけていただき、そのご縁で参加。 お礼にもらった「サッカーボール」は、まだ大学にあるのかなぁ?