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〈カメラゲーム〉で蘇る、私のからだの感覚
「おかあさんの目」(作・あまんきみこ)という童話をご存知ですか?
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子どもとお母さんがお話しをしています。
お母さんの目をじーっと覗き込むと、そこには山の風景や、海の風景が映るのです。
子どもが不思議に思って、お母さんに聞きます。
するとお母さんは、美しいものに出逢ったら、それを一生懸命に見つめる。そうするとそうやっていつでもその景色をありありと映し出せるのだと、答えます。
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小学生低学年の頃に読んだと思うので、内容はうろ覚えです。もしかすると少し違うかもしれません。
でも、今でも記憶に残る、素敵なストーリーです。当時は、このお話しを結構本気で信じていて、自分の瞳にも風景が映し出せるだと思っていました。
ちょうどその頃、家族で隅田川の花火大会を見に行くことがありました。その時に見た美しい打ち上げ花火。「おかあさんの目」を思い出して、目の前の花火を目に焼き付けた。あの時の風景は、何十年経っても、ありありと思い出せるのです。
この経験があるから、実は今でもやっています。
美しい夕焼けを見た時、かわいい子どもの寝顔を見た時、あえて写真なんか撮らない。ただひたすら目に焼き付けるのです。
目をつぶっても、目の前の風景がありありと思い出せるぐらいしっかり見つめたら、心の現象が終わりです。あとはもういつでも、思い出せるのです。
これに似たネイチャーゲームがありますね。〈カメラゲーム〉です。少し方法は違いますが、これも、目の前の風景を目に焼き付けることができます。
今って、みんなスマホを持っていて、すぐに写真が撮れる。しかも写真は加工し放題。
それはそれでもちろん楽しい。でもあまりに手軽に写真が撮れてしまう分、自分の体を頭を使って、目の前の風景や事象に向き合うことが少なくなってしまった気がします。
写真を撮るのももちろんOK、でもたまにそんなアナログな楽しみ方も乙ではないかと思うのです。
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