スタッフブログ
重い障がいをもつ子どもたちに季節の自然を届けるシェアリングネイチャープログラム
(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)
一本の電話からはじまった歩み
(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)
NPO法人ひまわりProject Team 代表理事の藤原千里さんから話をいただいたのは2012年のこと。重い障害をもつ子どもたち(重症心身障害児。本文では以下「重症児」)を対象に、放課後に「自然あそび」を提供できないかと「放課後子どもひろば ひまわりHAUS」の活動について相談をいただいたことからスタート。ネイチャーゲームリーダー3~4名の協力をいただきながら毎年機会をいただき、8年目となった2019年も6月5日に訪問させていただきました。
重症心身障害児とは・・・
重度の知的障害及び重度の身体障害(肢体不自由)を併せもつ(重複障害)子どもたちのことです。障害が重く、ほとんど全面的な生活介護が必要なだけでなく、てんかんなどの他、呼吸機能、嚥下機能、消化器、姿勢など医療的管理が絶えず必要とされます。
参加者である重症児の子どもたちにとって、近所の公園の自然であっても「遠い場所」でした。車いすの子どもや、寝たきりの子ども、気管切開をしている子どももいます。段差はもちろん、土埃をはじめとするさまざまな自然物に対して注意が必要な場合もあります。また体温調整の難しさから暑さ、寒さ、日差しなども外での活動を制限する要因となります。こうした状況から屋外での活動においては、医療関係者の付き添いが必要な場合があるのです。
シェアリングネイチャーならではの
自然あそびと込める願い
唐突ですが「サザエさん」の歌を思い出してみてください。オープニング、エンディングの映像に「季節の自然の様子」が流れています。参加する重症児の子どもたちも、こうしたテレビの映像を見て「今の季節の自然物」を見ているそうです。しかしそれらはあくまでも映像としての情報であり、その手触りや大きさ、細かな色合いなどは知らないかもしれません。
「見たことがある」「聞いたことがある」けれども、直接はふれたことのない自然との出会いを作り、「知っている」に変えていきたいというのが、最初にお聞きした代表理事の藤原さんの思いでした。
そこで考えたのが、子どもたちが野外に出られないなら、自然に来てもらおうという逆の発想、「季節の自然を配達しよう」です。そして季節の自然を活動場所である養護学校に届けるためにどうしたら良いかアイデアを出していきました。
プログラム(1時間)の概要(2019.6.5の実施内容)
・みんなが知ってるトトロの音楽とお話で導入
・トトロの木と落ち葉など、季節の落し物を楽しもう
・旬の野草、野の花がやってきた
・旬のハーブを楽しもう。鼻をいっぱい使おう
・昆虫観察カップで虫観察
・ドングリマラカスを作って合奏しよう
・季節のクラフトのお土産プレゼント
受け身と積極性
(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)
プログラム案を組み立てていくにあたり感じたことが「私自身のこれまでの経験とのギャップ」です。
ネイチャーゲームの活動は参加者が主体的に動き、自分自身の五感、感性で自然を楽しむことが特徴です。しかし重症児の子どもたちは、身体を動かすことや、発語が難しい場合もあります。このことから、こちらの提供が多くなってしまうとともに、言葉のキャッチボールも難しく、「参加者が受け身になりすぎるのではないか」と感じてしまったのです。これについて初年度にまとめた実践報告で下記のように振り返っています。
この悩みに対して代表の方に言っていただけたのが「重症心身障害をもち手足が不自由な子どもにとって、触ること自体がとても能動的なことです」という言葉です。言葉を介しての意思表示やわかちあいが難しいとき、子どもたちが受け身の状態に見えるかもしれませんが、子どもたちが興味をもつということ、そして見ようとすること、触ろうとすること、耳を傾けること、においをかぐこと、これらが「自分自身の感覚を使う」という意味で、とても能動的な状態と言えるのだと気づかせていただきました。
地域活動事例より抜粋・再編(2013 年 3 月 15 日)
そして感覚統合へ
(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)
本当に「知っている」とはどういうことか? 情報が溢れる社会になり、自分自身を振り返っても、安易に「知っている」と言ってしまっていると感じるときがあります。健常の子どもたちと遊ぶときにも、虫についてとてもよく知っているのに、「実物を見るのははじめて」ということがよくあります。本や図鑑から学び、たくさんの情報を知っていることは素晴らしいことですが、「本を見て知っている」と「実物を通して知っている」には大きな差があります。その差は実物を目の前にした、その子どもの輝く瞳からも伝わってきます。このことは、ひまわりHAUSの子どもたちも同様です。
ひまわりHAUSの活動目的の一つに「感覚統合」があります。たとえば、『赤+甘酸っぱい匂い+丸い+硬い+美味しい=リンゴ』と言ったつながりを理解するのは非常に難しいのですが、時間をかけて継続して刺激が入ることで理解できるようになります。五感の刺激を一つのものとして理解することができるようになり、子どもたちの興味はより一層深いものになります。身近に触れることの少ない自然界の物に対しては見ただけ、触っただけ、聞いただけでも喜べるのですが、見て、触って、聞いて、それが何かを理解できるようになることを目的にすることで継続していく価値はより高くなると思っています。
(NPO法人ひまわり Project Team 代表理事 藤原千里さん)
落ち葉を見比べると種類が違えばもちろんのこと、同じ種類でさえも一つ一つ違う姿形をしています。またつるつるした落ち葉に、ちくちくした落ち葉、季節の花々のしっとりとした感触、さまざまな香り、コロコロと転がっていく丸いドングリ、虫たちの動く様子はもちろん、その大きさや質感など、実物だからこそ持っている情報があります。実物にふれあうことで、写真や絵本、お話や歌では得られない情報が、さまざまな感覚を通して届くのです。
自然が好きなあなただから、できること
(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)
私たちが取り組んでいる「季節の自然配達人」の活動は、打ち合わせはほとんどしていません。リーダー一人一人が「いまの自然」について、自分自身が見つけたもの、集められるもの、持ち寄れるものを伝えあい、それぞれに準備をしてきます。庭に草花が生えている仲間は野の花を、ハーブを育てている仲間はハーブを、無農薬の畑で作業する仲間は畑に集まるキアゲハの幼虫や飛んできたモンシロチョウを、さらに会場となる施設のすぐ近くの公園で虫たちを、そして季節のクラフトは得意なメンバーがそのときに提供できるものを用意しています。あとは当日にネイチャーゲームらしく「フローラーニング」を意識して、流れを大まかに決めて、いざ本番です。 ネイチャーゲームリーダーの仲間たちはもちろん、自然が好きな人たちは、日ごろから身近な自然にアンテナを張っていることと思います。そこにある見せたいもの、香りを楽しんでほしいもの、安全に触れる面白いものなど、届けたいものを準備すればOK。自然が好きなあなたにぜひ、こうした活動に関わっていただきたいと思いますし、また関係者の方々にはこうしたメンバーにお声掛けをいただければと思っています。
重い障害を持つ子どもたちと関わる上で
気をつけるべきこと
(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)
依頼をいただいた際には関係者の方々に、子どもたちと接する上での注意すべきことを必ず確認してください。私たちは大きく3つの点について気を付けています。
一つ目は一般イベントにも通じることです。大きな声が苦手な子どもがいたり、後ろから触れられるのが好きでない子どもがいたり、個別の配慮が必要な場合もあります。子どもたちを不安にさせないよう、あらかじめ情報を得ておきましょう。また逆に「好きなこと」「嬉しいこと」も聞いておけるとプログラムを組み立てたり、組み替えたりしやすくなります。
二点目が持ち込むものの消毒です。私たちの活動では虫かご、昆虫観察カップはすべて洗浄、消毒をした上で持ちこんでいます。その上で虫は直接触れないようにしています。また植物の落し物は、できるものは洗浄、消毒をし、水洗いや消毒が難しいものは日光消毒などをするようにしたり、きれいに持ち込めるよう配慮しています。消毒(アルコール消毒など)は、落ち葉の匂いなどが飛んでしまったり、変色してしまう場合もありますので、事前に確認をしておくことをおすすめします。
三つ目が健常の子どもたちと同様に接するということ。知的障害の有無は専門家でない私たちにはわかりません。重症児の子どもたちの反応が薄いことはやむを得ないことですが、反応として表すことが難しいだけかもしれません。そのため、こちらの話す言葉は理解されていると考えて話しかけています。「ひまわりHAUS」での活動においては、参加者ひとりひとりにご家族や介助者がいて、個別にフォローをしてくださいます。しかもフォローするだけでなく、子どもたちと一緒になって(あるいは率先して)、驚いたり、声をあげてくださり、その反応がまた子どもたちへの刺激となり一緒に喜んでくれます。そこには常時、わかちあいがあり、まさにシェアリングネイチャーと言える時間となっています。
だれ一人取り残さない
(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)
SDGs(持続可能な開発目標)は「だれ一人取り残さない」という考え方に基づいています。自然案内人である私たちネイチャーゲーム指導員が掲げてきた目標、「人が自然を尊重し共生していく社会」の創造と重なるものです。身近な自然の面白さや不思議を、あらゆる人たちが感じられる機会を作っていくことも、「だれ一人取り残さない」という考え方に通じています。この活動を通して、また一つ、私たちが作っていくべき社会の未来に向けて、出来ることを確認させていただきました。
ネイチャーゲーム指導員の方々はもちろん、多くの方に本活動が参考になれば幸いです。
参考
地域実践事例「重い障害をもった子どもたちへのシェアリングネイチャープログラム」(2013年)
ひまわり Project Team 重症心身障害児者の自立支援活動
ひまわりHAUS:20196-6:草木や生き物、初夏の自然を感じよう♪
藤田航平 ふじた こうへい
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会
シェアリングネイチャー組織支援室
幼い頃、両親が関わる障害者支援の活動に参加。身近に障害を持つ方がいる環境で育ちました。その経験が今に生きていることに縁を感じています。
あっちゃん、いのっち、たかさん、よっしー、そして、ひまわりHAUSのみなさまに感謝。
雨の日こそ外あそび!
雨の日に子どもと野外へ出かける理由
子どもは晴れでも雨でも外へでたがりますよね。生きものとして自然を直接感じ学んでいくための本能的欲求なのではないかと感じたりするのですが...かくゆう私自身も、子どもの頃、雨の中をびしょ濡れになって遊んでいた記憶があります。その中では、雨で濡れた洋服が体に張り付く感じや雨が髪の毛からしたたってきたり地肌を流れてくる感じ、グッチャグッチャたっぷたっぷと水を含んだ靴、ゴーっという川の音が周りの全ての音を飲み込んでいるようにしんとした大気の様子、草やアスファルトや土が濡れた匂い、雨が大好きな生きものや植物たちの姿...全感覚で感じていたさまざまな「雨の日」が鮮明に残っていて、今思えばまるで直感的に「雨」の性質や「自然」を理解していく作業だったように感じられるのです。
晴れていれば、気にもとめないであろうただの道端のくぼみが、ちがうものへと姿を変える。まるで雨の日の魔法です。親になり、娘にもそんな楽しい雨の記憶を持ってほしくて、0歳の頃は抱っこひもで、歩き始めたらカッパを着せて外へ出かけるようになりました。
(↑ツヤツヤ光る濡れた葉っぱに興味津々。当時1歳)
(↑雨がジュワジュワ〜と染み出てくる芝生。すぐさま寝転んで確認。当時4歳)
最初は単純にめずらしさから、きょろきょろ見回し、あちこち触ったりしていた娘でしたが、成長と共に、道にできた川をせき止めてみたり、水たまりに映った景色を不思議そうにのぞきこんだ後今度は上を見上げたり、大きな葉っぱに溜まった雨水を揺らしたり、突然濡れた草はらに寝転んだり(ネイチャーゲーム〈大地の窓〉をやると、地面に寝転んで空を見上げるのはもはや習慣化します^^;)...積極的に雨と戯れるようになりました。そして、雨の日には自ら「カッパ着て外行かない?」と私を誘ってくれるようになっていきました。
子どもと雨の日積極的に外へ出はじめた私が、意外で嬉しかったことは、実際に我が子を伴い歩く雨の道が自分の想像以上に楽しくて、子どもの顔をキラキラに輝かせてくれる特別な時間だと気づかされたことです。私はずっとそれを伝える立場だったし、知っていたはずなのに、想像をはるかに超えていた!娘と自然との関わりを通して、雨は自然じゃない場所も自然に変えてくれるんだと気づきました。そして、雨がつくり出す魔法は、晴れの日がきて辺りが乾いて元どおりになったとしても、娘の心にいちいちちゃんと鮮明に残っていて、いつもの道で、公園で、森で、話題に出てきては自然の姿をいきいきと感じさせてくれるし、娘はますます愛着を持った目線を自然に送るのです。
子どもが遊びを見つける瞬間
何気ないいつもの道を進んでいくと、道沿いにはさまざまな自然があります。雑草1つにしても雨に濡れると違う様子になっていて、雨粒のつき方もちがいます。まずは雨粒をツン!と触ってみせると、すぐに嬉しそうに真似をしてツンツンしはじめます。葉っぱを引っ張ってピン!と放して雨粒を落としてみたり、紫陽花を「ぽわんぽわん」と言いながらやさしく手のひらで触ってみたりしながら進みます。コンクリートの坂道はすぐにそこここに小さな川ができるので、ちいさな両手を浸して流れていく雨水をただ見ている時間もあります。このときもものすごーく楽しそうなので、私もただ見守ります。
しばらく歩いていると神社に差し掛かりました。入り口は緩やかな坂になっています。ここにも小さな川。娘は小石を拾って川の水に浸して遊び始めたと思うと 急に立ち上がり、ぱっと顔を輝かせて、坂の上手に駆け上がり、たったったと下手に向かって走り下りてきました。何度も繰り返します。「なにしてるの?」と 尋ねてみると、「川になったの!」と。そうです。娘は雨水の一員になって小さな川を流れて遊んでいるのです!あの時の娘の楽しそうな顔は今でも忘れられません。娘は小さな川に手を浸した感覚や、小石が流れる様子を見て、自分が流れてみようと思いついたのではないでしょうか。すごく名案ですよね(笑)
(↑川になって何度も走りおりてきます。当時2歳)
子どもの目を通して見る自然の豊かな世界
そう。子どもと雨の外あそびを楽しむために、特別なスキルは何もいりません。ただ、雨だからこその自然の変化に気づくには五感を普段から開いておく必要があるのも事実。つまり、「見る・聞く・嗅ぐ・さわる」といった感覚がオープンになっていれば、とても小さな変化に気づけるというわけです。これはネイチャーゲームをすれば簡単に身につけたり磨いたりすることができます。自分の中に根付いたこのシェアリングネイチャーの感覚を、東京に来て、さらには娘との何気ない日常を通して、私はますます実感するようになりました。
雨の日に限らずですが、出かけた先々で〈音いくつ〉をやりします。ルーペは常備しているので〈ミクロハイク〉をしたり、娘が気になった道端の草花をのぞいてみたりもします。〈フィールドビンゴ〉をやっていると、においにも敏感になり、いろんな自然のにおいに関心を持つようになります。自然に対して五感を研ぎ澄ませる感覚をそばにいる大人が持っていることで、子どもたちのただの道草は、素晴らしい自然体験の場に変わります。
雨の日となると、服が汚れてしまうとか触ると汚いんじゃないかとか、とっさに考えて敬遠してしまうかもしれませんが...雨に限らず、汚すことなく思い切り自然と触れ合って遊ぶことはできません。我が子がちゃんと「どろんこ」になっているか確認するくらいの意気で(笑)、ぜひ雨の日の自然を一緒に楽しんでみてください。(上下カッパにフードまたは撥水性の帽子を着用させれば本人もママもごきげんです♪)
そして、子どもたちが見つけた自然や、感じたことはできるだけその場で共有して味わってください。子どもの行動からは片時も目が離せない私たちですが、彼らの目線を通して見る自然は、そのもの以上に壮大で色鮮やかで、ママ自身が深く自然に触れ合う極上の時間になっていきます。
(↑大きなユリノキの下で雨宿り。おうちに見立てて熱心にストーリーを解説中。)
水信亜衣 みずしな あい
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 スタッフ
10年前東京へやってきた時には、里山暮らしとのあまりに大きな自然ギャップに途方に暮れるも、シェアリングネイチャーの視点で徐々に東京ネイチャーの面白さを発見!!現在、2児のシェアリングネイチャー子育て中。6歳になった娘は、昨年生まれた弟に得意げに自然案内をしています(笑)
自然が好き!を資格に。(6/29〜30石川)
6月29日(土)〜30日(日)に石川県の白山青年の家にて、「ネイチャーゲームリーダー養成講座」が開催されました!
当日は警報レベルの大雨...!!(なんと3回続けてなのだとか...^^;)
大変なお天気でしたが、2日間の日程を思いきり楽しんだ参加者の皆さんの、この笑顔〜!
雨の楽しみ方も習得!ものすごーく充実した講座になったみたいですね!(皆さんの表情が物語ってます!!)
当日の様子は、石川県シェアリングネイチャー協会のFacebookページでも紹介されていますよ〜!
ぜひご覧くださいね(^^)
▶ 石川県シェリングネイチャー協会のフェイスブックページ
講師の青山裕子さん、開催いただきました石川県シェアリングネイチャー協会のみなさま、ありがとうございました&おつかれさまでした!
そして参加者のみなさま、これから一緒にシェアリングネイチャーライフを楽しみましょう!
2019年度も自然と人との素敵な出会いの場を作っていきます!
ネイチャーゲームリーダー養成講座の開催情報はこちらから
▼
ネイチャーゲームリーダーのご案内
ネイチャーゲームリーダー養成講座開催一覧
フォローアップセミナー [2019] 熊本県会場
6月23日、熊本県会場のフォローアップセミナーが開催されました。
熊本も梅雨の晴れ間。お天気に恵まれ、外でも充実した活動時間を持てました。フィールドの活かし方、アクティビティのアレンジの仕方、ウェルネスまで!多くの学びがありました。
熊本県フォローアップセミナーとしては初めての三好直子トレーナーを迎え、里山の温泉地を会場に、〈この指とまれ〉子どもバージョンで雰囲気が和んだ後は、外に出て「木の体操」「風の体操」で呼吸したり身体を緩めリラックス。
感覚のストレッチをしたら〈ディアストーク〉〈いねむりおじさん〉〈森のすみか〉などのアクティビティの流れの中で生きものの習性や自分の気配を感じたり、想像力を膨らませて視点を変える活動を体験しました。
午後はウェルネス〈心を映す湖面〉〈自然とわたし〉〈空と大地が私に触れた〉を体験しながら、三好トレーナーにより参加者のさまざまな疑問が解き明かされ、ウェルネスへの関心が高まっていきました。
・とてもわかりやすく楽しかった!心にすーっとしみた。
・指導員報だけではわからない部分があるので、トレーナーからのレクチャーがよかったです。
・体験したことのないアクティビティをいろいろすることができ、小さな子どもにもアレンジできそうなものがあって よかった。
・ウェルネスは普段の生活に取り入れることから始めてみることで、深い理解につなげていきたい!
・講師の参加者を受け入れる感じがステキでした
・地域の特質がよく利用されていました
・今回体験したことが自分の引き出しの中に入り、自然を呼び起こすことができそう。
・仲間同士でいろいろな意見が出て参考になった。
・講師自身がとても楽しんでいて、こちらも楽しくなった。
などなど参加者の声が届きました!
---------
今 年の「講義テーマ」は「ネイチャーゲームのアレンジについて考えよう 〜ねらいを達成するための工夫〜」。全国の仲間たちが小さな子ども以外にも、高齢者 や障害のある方、人数が多いとき、少ないときなど、様々な条件に合わせてアクティビティを展開しています。そうした事例を講師、あるいは参加者のもってい るアイデアを持ち寄りながら、アレンジについて考えます。
実習では、自分自身が体験者として講師のスキルに刺激を受けたり、即実践できる内容をたくさん吸収できます!
ぜひ楽しみにご参加ください!
講師の三好直子さん、開催いただいた熊本県シェアリングネイチャー協会のみなさま、おつかれさまでした&ありがとうございました!
2019年度のフォローアップセミナー
開催情報はこちらから!
▼
【取り組み】持続可能な開発目標(SDGs)より「SDGsワークショップレポート(2019.6.2)」
【取り組み】持続可能な開発目標(SDGs)より転載
2019年5月30日(金)〜6月2日(日)に滋賀県で開催された「全国ネイチャーゲーム研究大会 2019 in 滋賀」において「ネイチャーゲーム×SDGsワークショップ」を実施しました。大会3日目に全参加者が参加する「全体会」の中でSDGsのアクティビティを実施しました。内容は「SDGs版〈この人を探せ〉」と「SDGs版〈ディスカバーウォーク〉」の2つです。
ネイチャーゲーム実践を担当した井上満常務理事によるレポートを掲載します。
全国ネイチャーゲーム研究大会2019in滋賀
SDGsワークショップレポート
SDGsって何?
アクティビティを始める前に、〝SDGsとは何か〟についてどの程度知っているかグーチョキパーで手を挙げてもらうことにしました。「初めて聞いた方」はグー、「よく分からないけど聞いたことがある人」はチョキ、「説明できる人」はパー。その結果、ほとんどの人がチョキでパーはちらほら。パーを挙げた方にSDGsを説明してもらいました。
SDGs版〈この人を探せ〉
その後、〈この人を探せ〉の項目を一つ一つ読み上げて、アクティビティ開始。100人を超える参加者が入り乱れての「この人を探せ」は圧巻!
〈この人を探せ〉SDGs版の項目
1,普段からエコバッグを持っていますか
2,水を汚さない工夫をしていますか
3,食品ロスを減らす工夫をしていますか
4,野菜や果物は旬のものや地元で獲れたものを食べるよう意識し ていますか
5,下水の行方を知っていますか
6,LGBTとは何かを知っていますか
7,3Rとその意味を知っていますか
8,環境に配慮したマークを一つ以上知っていますか
9,年齢、性別、立場に関係なく、さん・くん・愛称などで呼ぶよ うにしていますか
10,水筒を持ち歩くなどしてペットボトルを減らすようにしてい ますか
11,スーパーやコンビニで割り箸を受け取らないようにしています か
12,自然災害被災地への支援活動に関わったことがありますか
13,自治会や職場などで意識的にゴミ拾いをしたことがありますか
14,〝もったいない〟が口癖の人
15,打ち水や風鈴、グリーンカーテンなどで暑さをしのいだことが ありますか
16,フェアトレードとは何か知っていますか
項目がある程度埋まってきたところで、8~10人でグループを作り、それぞれの項目についての意見交換をしました。
「フェアトレードって何ですか?」
「なんでスーパーやコンビニで割り箸もらっちゃいけないの?」
「いやいや割り箸は間伐材で作っているからなくちゃ困るのよ、外国産のものはダメだけどね」
「呼び名にクンをつけるのはおかしいよ、今は学校でも男女関係なく〝さん〟で呼ぶから。クン呼びは上司が部下に対して使ったりすると、上から目線だよね」
「今は3Rより5Rですね」
「5Rってなんですか?」・・・・
こんなやりとりを、メンバーを代えながら3回実施。
日常の行いが白か黒かではなく、見方によっては白になったり黒になったり、立場や考え方でいろいろ変わることも様々な参加者とのやりとりの中で気づいたようで、そのこと自体、とても意味のある活動だったと思います。
SDGs版〈ディスカバーウォーク〉
二つ目の活動は「SDGs版〈ディスカバーウォーク〉」。4~5人グループに分かれてカードに書かれた項目を探しました。
〝ダンゴムシ〟、〝ハイブリッドカー〟、〝LED照明〟などそのものを探す項目もありますが、〝地域の繋がりが見えるもの〟や〝きれいな水を作り出すものや水をきれいにする工夫〟等の項目はそれぞれの視点が違うことで、同じグループ内でも「なるほど、そう言う見方もあるね」と新たな気づきに繫がる場面もあったようです。
現地の情報を元に16の項目を作りましたが、自動販売機の省エネモードを探したグループもあって、人の暮らしが環境に負荷を与えるマイナス面ばかりでなく、負荷を最小限に抑える工夫などにも気づく取り組みにもなりました。
ワークショップの終わりに
ワークショップの最後は下記のメッセージを伝えて締めくくりました。
*・ 南米に伝わる話で、『ハチドリのひとしずく』という物語がある。森が火事になったとき、動物たちはみな逃げたがハチドリは水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落として行った。動物たちは〝そんなことして何になるんだい〟と言って笑ったが、ハチドリは〝私は私にできることをしているだけ〟と答えた。私達も、大きなことはできないが、できるところから取り組んでいきましょう。
・ SDGsの取り組みはシェアリングネイチャーの考え方そのもので、30年以上も前から私達が取り組んできたことは地球の未来を考えるSDGsと同じであること。
・ グローバルな視点で地球の未来を考えなければいけないが、しかし、ネイチャーゲームをはじめとしたシェアリングネイチャー活動を地域で地道に続けることで、シェアリングネイチャーの目的である〝自然を尊重し自然と共生する社会の創造〟に近づけるし、それはSDGsと直結するものであること。
・ 〝誰一人取り残さない〟というSDGsのフレーズがあるが、誰一人は人間だけでなく、地球に住む生き物全てを指すのであって、人間だけの持続はあり得ないこと。その部分はシェアリングネイチャーの考え方として持っていなければならない視点で、そのことを意識しながらSDGsにも取り組んでいきましょう。
当日の実践・報告
井上 満(いのうえ みつる)
・公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 常務理事
・神奈川県シェアリングネイチャー協会 理事長
・グリーン相模原シェアリングネイチャーの会 運営委員長
・ネイチャーゲームトレーナー
ネイチャーゲームの仲間はみんな地球の未来を考えていて、それぞれの地域でできることをやっているはずです。私も畑では農薬や除草剤を使わないようにしたり、雨水をためて野菜の水やりに使ったりしています。たま~に散歩がてらゴミ拾いもしています。〝わたし〟にできることはたかがしれていますが、そんな〝わたし〟が増えていけば地球の未来は今よりも明るくなるはずです。地球を守る〝わたし〟なのか、地球を壊す〝わたし〟なのか・・・・。SDGsに取り組むことはまさに自分自身の生活のありようが問われているのだと思います。同じように私達がずっと行ってきたネイチャーゲームも、私達一人一人の生き方と無縁ではなく、〝自然との共生〟を〝わたし〟なりの方法で地道に実践していく中で初めて価値ある活動になりうるのだと思います。
【取り組み】持続可能な開発目標(SDGs)はこちらから
▼
https://www.naturegame.or.jp/about_us/action/sdgs/
片ハサミのザリガニが教えてくれたこと
こんにちは、ちゃっきーです。
自分の息抜きに、子育てと自然に関するコラムを自分のスマホに書き溜めています。その中から、ちょうど3年前の、2016年6月13日に書いたものを紹介します!
-------
J・コーネルの著書『ネイチャーゲーム3』に"鳥と鳥類図鑑とが一致しないときは、いつも鳥のほうを信じること"という格言が紹介されている。私はこの格言がネイチャーゲームの「体験第一、解説はあとで」や「チャンスを逃さないで」を含み、Sharing Natureの世界観をうまく表している言葉のように思っている。それに関するエピソード。
我が家ではザリガニを飼っている。同じ水槽に、ドジョウ・タニシ(メダカも時々)入れている。ザリガニを飼うなんて40年ぶり...図鑑や飼育のノウハウが書かれた本を読み、できるだけいい環境を整えようと勉強しながら「幅60cmの生態系」を見つめてきた。脱皮、交尾、産卵、脱皮不全による絶命、喧嘩による衰弱や絶命、水槽内の食う食われるの関係...この小さい空間は常にドラマチックだ。
いま4匹いるザリガニのうち、雄の1匹は脱皮の時に片方のハサミを落として以降、「片バサミ」で生きている。図鑑などによると2回程の脱皮を経て、新しいハサミを復元(?)させるらしい。人間にはない、ザリガニの「生態」に驚くことはこれが初めてではなく、脱皮前に体内のカルシウムを胃石に溜め込み保存することや、脱皮した殻を自分でほぼ完食すること、メダカを補食した「食べ残し」が全くないことなど...自分(人間)と比べて、勝っているとしか思えない生態を知っては、ザリガニへの尊敬が強まるばかりの日々である。
ここからが、文頭で紹介したバードウォッチャーの諺につながるエピソード...。図鑑や飼育本には「片ハサミのザリガニは繁殖ができません」と書いてあることが多い。繁殖の際には、雌の2つのハサミを雄が自分のハサミで挟み込み、押さえつけるように体を固定して交尾をするために、片方のハサミしかないと交尾ができないのだな...と頭で理解していた。しかし、うちの片ハサミくんは、雌の二本の腕をクロスさせて、クロスさせた接点を1つしかない自分のハサミで横から上手に挟み込み、交尾をする(交尾中に写真撮ることに気が引けて、写真はなし...いま思うと、大後悔)。何度かその姿で交尾をした後に相手の雌はしっかりと産卵し、孵化して元気な稚魚になった。
子どもとザリガニ釣りに行くと、高い確率で「片ハサミ」が釣れる。ある子連れのママ達が「ザリガニの飼い方」が書かれた冊子を手に「片ハサミは交尾できないって書いてあるよ。うちの雌の結婚相手にならないから両方にハサミがあるのを持って帰ろう」と子どもに説明していた。それを聞きながら、「いえいえ、片ハサミでも立派に交尾しますよ」と心の中で思っていた。
「片ハサミ」でいることは、食べ物を確保しづらかったり、喧嘩に弱くなったり、交尾に手間取って雌に逃げられたり、他の雄に横取りされる可能性も高いだろう。生存競争においては、両ハサミよりはリスクが高いことは否めない。うちの「片ハサミくん」が交尾できたのも水槽という限られた環境だっただけで、自然下ではあり得ないことだったのかもしれない。でも図鑑にある「片ハサミは繁殖できない」という定説に当てはまらないザリガニも実際にいるのである。
シロツメクサは三つ葉だが稀に四つ葉もいる。ここまでは「定説」だろう。でも、じつは五つ葉もあるし、逆に二つ葉だってある。私たちが思うよりももっと、自然の"触れ幅"は大きいのである。図鑑通りではないヤツが至る所に存在している...そう思うと、ますます自然が面白く感じるのである。
フォローアップセミナー [2019] 埼玉県会場
6月8日、埼玉会場のフォローアップセミナーが開催されました。
梅雨入り発表直後にもかかわらず、お天気にもめぐまれ、ゆったりとした時間の中での講座となりました。
会場は小川町の八幡神社と民泊かたおか。
アジサイが咲き誇り、緑が深まった鎮守の森で深呼吸。「この人をさがせ!ビンゴ」でスタートしました。
講師には「そのやん」こと、園田恵一トレーナーをお迎えし、
実習の中では新アクティビティに加え、トレーナーご自身が米・アナンダ村にてコーネルさんから直接体験されたアクティビティ〈ディア ストーキング〉、自らギターを弾きながらの〈空を飛ぶ鳥〉など、そのやんワールドをたっぷり体験することができました!
・新しいアクティビティの魅力がハンドブックを読んだだけではわからなかったけど、実際に体験できてよくわかった。さっそく家族と実践してみたい!
・これまでアレンジについて悩むことがあったが、「ねらい」を外さなければ状況に応じ柔軟に工夫することもシェアリングネイチャーにつながっていたらよいのだとわかった。
・これからもアレンジに臆せずどんどん実践していこうと思えた。
・メンバーとの親睦が深まった。
・実践に基づいたエピソードがすてきで、参考になった。
・講師の話し方や説明もわかりやすく、とても満足!充実した内容でした。
・期待以上の"そのやんワールド"ひきこまれました!!
などなど...参加者の皆さんから、たくさんの声が届きました!
---------
今年の「講義テーマ」は「ネイチャーゲームのアレンジについて考えよう 〜ねらいを達成するための工夫〜」。全国の仲間たちが小さな子ども以外にも、高齢者や障害のある方、人数が多いとき、少ないときなど、様々な条件に合わせてアクティビティを展開しています。そうした事例を講師、あるいは参加者のもっているアイデアを持ち寄りながら、アレンジについて考えます。
実習では、自分自身が体験者として講師のスキルに刺激を受けたり、即実践できる内容をたくさん吸収できます!
ぜひ楽しみにご参加ください!
講師の園田恵一さん、開催いただいた埼玉県シェアリングネイチャー協会のみなさま、おつかれさまでした&ありがとうございました!
2019年度のフォローアップセミナー
開催情報はこちらから!
▼
全国ネイチャーゲーム研究大会in滋賀2019 集合写真
全国研にご参加いただきました皆さん、ありがとうございました。
天候にも恵まれてよい3日間でしたね。
部屋が和室で過ごしやすい、
湖畔でロケーションがよい、
浜が広くて気持ちよい、
近江牛がおいしい、
温泉に朝から入れる、
ワークショップがどのコースも大満足、
お弁当もおいしい、
滋賀県協会スタッフの方が涙もろくて...ほっこりと癒やされて、
ネイチャーゲームでつながっている全国の仲間との3日間、お楽しみいただけたかと思います。
滋賀県協会から集合写真が届きましたのでご覧ください。
メッセージもいただきました。
全国研究大会(滋賀県会場)にご参加の皆様へ
皆様、本当に心から感謝致します。一つのイベントが成功するかどうかは、やはり主催する者と参加する者とのお互いがいいものを作ろうと心が一致したときだということを、今回のこの大会を通してつくづく思いました。皆様の、私たちの企画を成功させてやろうという心持ちを、本当に痛いほど感じました。本当にありがとうございました。滋賀県協会のスタッフも皆さんのおかげで事故なくうまくやり遂げられたと本当にありがたかったと喜んでいます。
「ネイチャーゲームを愛する者の心は一つ」。皆さん、がんばりましょうね。
滋賀県協会一同
さぁ、来年は何かがありそうな第30回記念、秋田のブナ林です!
- 19年06月06日
- 投稿者:風戸若葉
フォローアップセミナー [2019] 愛知県会場レポート
5月25日、気持ちのよいお天気の中、
愛知県にてネイチャーゲームフォローアップセミナーが開催されました!
・新しいアクティビティ体験や既存のアクティビティのアレンジの仕方が学べた。
・参加者同士で話し合いができ、とてもよい機会になった。
・導入からの工夫もとても参考になった
・とても楽しい雰囲気であっという間に時間が過ぎていた!
・講師の青山さんのアクティビティの進め方を見ることができ、とても参考になったし刺激になった。
・「ねらいをはずすことなく進められれば、指導員としては大丈夫」という言葉に勇気づけられた。
・ねらいをもう一度確認し、意識しながらやっていきたい。
などなど...参加者の皆さんから、たくさんの声が届きました!
---------
今年の「講義テーマ」は「ネイチャーゲームのアレンジについて考えよう 〜ねらいを達成するための工夫〜」。全国の仲間たちが小さな子ども以外にも、高齢者や障害のある方、人数が多いとき、少ないときなど、様々な条件に合わせてアクティビティを展開しています。そうした事例を講師、あるいは参加者のもっているアイデアを持ち寄りながら、アレンジについて考えます。
実習では、自分自身が体験者として講師のスキルに刺激を受けたり、即実践できる内容をたくさん吸収できます!
ぜひ楽しみにご参加ください!
講師の青山裕子さん、開催いただいた愛知県シェアリングネイチャー協会のみなさま、おつかれさまでした&ありがとうございました!
2019年度のフォローアップセミナー
開催情報はこちらから!
▼
最新コメント
- おもしろかったですbyんんんんんんんんn
- うっとうしかったのでbyカメノコテントウ
- お母様の凛とした姿やby西川記世
- あqwせdrfgtyby神様
- 「自然が好きで世界をbyイノッチ
- サリーさんの笑顔とやbyとめちゃん
- お疲れ様でした。とてby加藤 耕
- こないだとてつもないby香
- カナペコさん、ありがbyクッキー
- 今日のワークショップbyカナペコ
月別アーカイブ