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小中学生の自然体験
「自然がいいね」と思える。親子キャンプでネイチャーゲーム
思春期真っ只中の息子と2人でキャンプへ。あいにくの雨天や、夜も、「いいね」と感じさせてくれるネイチャーゲームの魅力を紹介します。
中学生の息子と二人でキャンプに

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昨年の夏、中学1年生男子の息子と2人でキャンプをすることになりました。

下り坂の天気予報の中、テントの設営手順を確認して準備をし、思春期真っ只中の息子と父子キャンプが無事に成功するかどうかと、不安と楽しみな気持ちで目的地に向かっています。以前はよくキャンプでネイチャーゲームをしたなと思い出しながら、果たして今はどうなるか。

キャンプ場に着くと、昼間なのに辺りは暗く、大粒の雨が降ってきました。息子と声を掛け合いながら、協力してテント本体を濡らさぬよう設営。どうにかタープとテントを張り終えると、次は雷鳴とともに土砂降りに。安全第一で車に避難し雷雨が通り過ぎるのを待つことに。天気レーダーはしばらく雨、言葉数も少なくなってきて、雨よりも重い空気が車内を包みます。

「ねえ、お父さん、キャンプでネイチャーゲームでもしようか」

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雷は過ぎても、雨が降りしきるキャンプ場。タープの中、食卓を囲んで二人で向かい合う。

メインの夕飯も粛々と平らげ、気づけば、もうあたりは暗くなっている。

せっかくのキャンプなのに、雨、今回は仕方ないかなと思っていると、息子が唐突に、僕に話しかけてきました。

あのさ、一度目を瞑って、雨の音を聞いてみようよ。じゃあ、目を瞑るよ

僕の返事を聞く前に、もう目を瞑っている息子。しかも、何かを数えるように、指を折っていく。

もしかして、数えているのは、自然の音? 

カラ松の梢からテントに落ちる雨粒の音。

風が木々を揺らす柔らかな音。

遠くに甲高い鳥の鳴き声。

近くに虫の羽音。

湿っぽい風が肌を撫でる音。

ガラガラ声のようで短く鳴く変えるの声。


息子とネイチャーゲームをしている。〈音いくつ〉と自然の音を数えている。

何度か家族で〈音いくつ〉をしたことがあって、覚えていたのかと、今日一番の豊かな良い時間が流れています。

夜の森へ。静かに自然を分かちあう

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ようやく小雨になりテントを出て、夜の森へ散歩に出る。カラ松の林の中で再び息子から

今度はちょっとここにいるのはどう?

と。カラ松の木の下で〈夜はともだち〉のように佇む。

時間にして10分程度。

夜の森に、しばらくひとりでいる。僕はカラ松の木の下。少し離れて、息子は、樹皮にいる虫を見ていたり、それぞれの夜の自然を分かち合っていました。

この時は、ライトも、会話もいりません。ただ夜の森に慣れて、〈夜はともだち〉になっていくと、この自然に溶け込んでいくような感覚になります。

そんな時間を過ごしてテントに入り、寝袋に潜り込んで、隣にいる息子から

お父さん、自然の中で、上をみても、下をみても、雨でも、キャンプで自然がいいねと思えるね。

と今日の感想を話してきます。

その場、その時の思いつきで自然を楽しむことができるネイチャーゲーム

遊び道具を持たなくても、十分に自然と分かち合うことが出来る。ネイチャーゲームは、キャンプの一コマをとても幸せな過ごし方にしてくれるところに、僕は大きな魅力を感じています。

これまでのキャンプで色々なネイチャーゲームをしていたなと思い出します。綿密な計画や細々した準備をしなくても、その場、その時で、出来るネイチャーゲームは、とても楽で気持ちがいいものです。

この日のネイチャーゲームは、〈音いくつ〉〈夜はともだち〉



宮川知之 みやかわ ともゆき
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会  

人材養成事業、教育支援・学生リーダー養成講座担当

学生時代に環境系NGOスタッフとなり、自然や環境に携わる人に出会い影響を受ける。また宮澤賢治の軌跡を追って野宿や山歩きをして自然の魅力にハマる。

大学卒業後、トレッキング&ツアースキーガイドを経て、日本協会の戸隠高原自然学校担当、ネイチャーゲームショップ担当を経て今に至る。思春期の子どもらの奮闘と成長を見守る父。

中学高校国語科教員免許あり

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