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小中学生の自然体験
交流と学びの両得ネイチャーゲーム!〈この指とまれ〉
参加者のアイスブレイクにも使えて、交流にもなり、さらに学習や後に続くプログラムにもつなげやすい!お勧めのネイチャーゲーム〈この指とまれ〉のご紹介!
はじめに

ネイチャーゲームと言えば野外で、自然の中で実施するイメージが強いですが、場所を選ばない活動はアメプロや室内活動にも使えます。「雨が降ったら中止はもったいない。だから手数を増やしておきたい」、そうした思いを持っている自然体験活動の現場の方や、学校教育、幼児教育の現場の方も多いかと思います。


そんなときにおすすめなのが〈この指とまれ〉。

机・テーブルを出したままでも、できないことはない、というのもいいところ。ヒントカードの準備は大変かもしれませんが、そこでの工夫がとても意味を持つ活動なので、ぜひ準備から楽しんでください!

遊び方

この〈この指とまれ〉の遊び方は次の通りです。


1)生きものの特徴について書かれた「ヒントカード」を用意する

 (例:4種類の生きものについて、5つずつの特徴なら20枚)

2)生きものの特徴について書かれた「ヒントカード」を1枚ずつ配布する

3)せーのでヒントカードを読み、自分が何の生きものかを考える

4)なんの生きものかわかったら、人差し指を高く上げて、自分が思っている生きものの名前を言う

5)周りの人とヒントを確認しながら、同じ生きものの特徴のカードを持っている人とグループを作っていく

6)グループができたら、グループごとに特徴を読み上げてもらい、他のグループの人に何の生きものか当ててもらう

7)生きものについて気づいたことをシェアする

大人数に対応できる!

〈この指とまれ〉はたくさんの人数で楽しむと盛り上がります。登場する生きもの数や特徴も増えるので、学びを深める上でも人数が多いシーンにおすすめしたい活動です。


ただ人数が多くなったら、多くなったなりの工夫も必要になります。例えば私の場合80人ぐらいが経験した中でいちばん大きな人数です。


この人数になってくると人数が多すぎて、仲間を探すのがとても大変になってきます。そうしたときにはリーダーが、「あっちからも似たような仲間の人たちがいたよ」といった声かけをしたり、「ヘビーヘビー」って引き続き大きな声で呼んであげたり、あるいはスタート前に何人くらい集まることになるかを伝えておくことでスムーズにいくでしょう。

ヒントカードづくりを楽しもう!

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特徴の選び方、ヒントの出し方がとっても大切です。1枚のカードで1つの生きものにすぐにたどり着けるものも入れつつ、あまりわかりやすいものばかりにしないというのがコツです。
もう少し絞り込めたらこの生きものだってわかる。そのさじ加減がとても大事になってきます。

例えば「足がなくて、にょろにょろ動きます」というヒントだとどうでしょう?


何種類か頭に浮かびますよね?あれかな、これかなと考える余地が生まれると、周りの人のヒントを使って自分のカードを絞り込んでいかなくではいけません。

すると周りの声に耳を傾け、その中からあたりをつけて、聞きに行くというアクションが出てきます。そうした中に生きものについての理解を深めるだけなく、コミニケーションを深めていくきっかけも生まれます。


カードをもって悩んでいる顔や、周りと相談している様子、わかって嬉しいってよろこびを爆発させる、そんなシーンを思い浮かべながら、ぜひヒントカード作りを楽しんでください。

小さな子どもと楽しむには?

小さな子どもと楽しむときには、文字だけでは難しくなってしまいます。


そうしたときには「いきものビッグパズル」のようなイラストを使っての展開というのが考えられますね。ビックパズルでの保育園での実践については、こちらで紹介していますので、ぜひご覧ください。

小さな子どもと楽しめる「大きな」生きものパズル

STEAM教育としての有効性

生きものに関わるネイチャーゲームに共通することですが、学校教育における学習や、自然体験プログラムのテーマとなる生きものにつなげるときにも、〈この指とまれ〉はおすすめです。

楽しみながら、交流を深めながら、子どもたちの興味分野が拡大していくきっかけになっていきます。STEAM教育の郡司先生がお話ししていたことと通じますね。


ダンゴムシを育てる環境のデザインを通して、 生態系についての学びを深める(SNL42/20247月号)

学習につなげる際のポイント

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〈この指とまれ〉のヒントカードを作るためには、生きものについて調べる必要が出てきます。ネイチャーゲームは特別な知識はなくても楽しめるものが多いですが、準備する側としては少しだけ必要になる時がありますね。

ただし、誰も知らないような特徴だけをヒントにしても、この活動は楽しめません。例えば、「胸にトゲがある種類もいます」と書かれても、「なんだろう?」ですよね。


「知っているようで、よく知らないこと」「よく考えてみたら、そうだと分かること」、そうしたところに注目しながらヒントを作ることだなと思っています。


具体的にどういったプログラムの展開で使いたいか、どんな生きものの学習につなげたいのか、そうした観点から考えるとおのずからヒントが整ってくることと思います。生きものを選ぶときだけではなくて、ヒントにする特徴を選ぶ際にも流れを意識できると、さらにいいかもしれませんね。


もう一つ大事にしてほしいのが、各グループが出来上がったときに、各グループからその生きものを紹介してもらうセッションを持つことです。競争する活動であれば、ただ正解にたどり着けばそれで良いということになってしまいがちですが、〈この指とまれ〉や、ネイチャーゲームのねらいはそこではありません。


前半にワーワーとみんなが仲間を探して動き回る時間もとても楽しいですが、他のグループは何だったのかなと考えてもらいながらシェアしていく時間も面白い時間になり、「へ〜!」がいっぱいでてきます。


そうすることで参加者全員が共通した体験として、次のステップへと進目ていきましょう!



藤田 航平 ふじた こうへい
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会

事務局次長・マーケティング部

4歳になった次男の保育園で〈この指とまれ〉形式でビックパズルを楽しみました。この秋、ビッグパズルの生きものが12種類まで増えたので、なんと3回戦も楽しめました!「またやりたい!」という嬉しい声が届いているので、今から楽しみです。

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