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小中学生の自然体験
自然の中から同じ自然物探しに挑戦!〈同じものを見つけよう〉
リーダーが見せる自然物を覚えて、同じものを探す活動。同じものといっても実は、〝同じ〟じゃない。よく観察して見比べて違いに気づく、そのきっかけにもなるネイチャーゲームです。
「同じものを見つける」、その分かりやすさと面白さ

自然の落とし物を見つけて楽しむネイチャーゲームはいろいろある中で、小学校の授業に一押ししたいのがこの〈同じものを見つけよう〉。

自然の中にはパッと見渡すだけでも、枝や落ち葉、どんぐり、木の実、花びら、小石と、いろいろ落ちています。

その種類ごとにも、さまざまな特徴的な形や色をしたものがあり、たとえば落ち葉で言うと、葉柄(ようへい)の長さや、鋸歯(きょし:葉っぱの縁にあるいわゆるギザギザ)の形もさまざまです。


「自然物を覚えて探す」、このシンプルで、わかりやすい活動は、ミッションとして楽しめるだけでなく、集中力と自然への興味、関心を高めます。

学年や年齢にあわせて、探すものの数を増減させたり、時には一つずつ探すといったアレンジも
OKですから、汎用性が高いのも魅力です。

お題の自然の落とし物は、その場で選べる

〈フィールドビンゴ〉や〈宝さがし〉では、一人ひとりや、グループごとの感性の違いが出やすく、さまざまなものを見つけてきてくれます。たとえば「春を探そう」といったテーマで、授業につなげるときには、さまざまな春が見つかるのでオススメです。


一方で〈同じものを見つけよう〉では、「これ!」と指定したものを探すので、国語で出てくるこのお話に、自然素材を使った工作に、など、その後の展開へ繋げやすい特徴があります。


そして、この活動はそのお題となる自然物が、その日、その場所に行ってみないとわからない、という「出たとこ勝負」な側面があるのですが、そこに実はメリットも。

それはその場で準備できる、ということ!忙しい先生方におすすめしたいです。

(フィールドビンゴも「出たとこ勝負」な工夫の方法はあるのですが、それはまたの機会に)

バンダナを2枚持っていたら、その場ですぐにはじめられる。

この手軽さも、実はおすすめポイントなんです。

〈同じものを見つけよう〉の楽しみ方

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イベント型での楽しみ方では、そのフィールドの自然にたくさん触れて、楽しんでもらえるように、当日の朝などに余裕をもって自然物を集めて準備します。


1)子どもたちが出会ってほしい自然物を集める

2)地面に敷いたバンダナなどの上に自然物をならべ、その上にさらにバンダナをかける。上に載せるバンダナは、透けないように色が濃いものがベター。

3)子どもたちにバンダナの周りに集まってもらい、上に載せたバンダナを外して自然物を一定時間見せる(10秒とか)

4)覚えたら自然の中に探しに行く

5)終了の合図後に集合し、答え合わせをする


5の答え合わせで、一工夫すると自然の感じ方、楽しみ方のヒントになります。


たとえば、パッと自然物を見せるのではなく、バンダナの下に手を入れて、「お~、なんかツルツルしてますね~」など五感を交えながら、伝えると、子どもたちは手元にあるツルツルするものを探し始めます。こっちかな?それともこれかな?と触れながら、考えながらの答えあわせで、ワクワクする演出をしてみてください。

(1)の自然物は、年齢などに合わせて、数を変えることで、難易度の調整をしましょう。子どもたちの興味関心を引き出せるように、多種多様な自然物や、ここで出会ってほしい珍しいもの、なんだこれ?と思うようなものを選びたいですね。

授業への展開アイデア

季節ごとに違う具体的な「自然の拾い物」を楽しめる活動なので、たとえば図工の「しぜんからの、おくりもの」(2年生)、「季節を感じて」(5・6年生)や、各学年にある季節や生物についての授業に展開しやすいです。

校庭で見つかる自然を活かせることもメリット。準備だけでなく移動時間も短く調整しつつ、楽しく子どもたちの興味、関心を高められます。

お題にない自然物を拾ったら、、、

お題とは違う自然物を拾うことがよくあります。お題として提示した自然物が呼び水となって、きっとステキな自然の宝ものが見つかるからです。そうしたときには、ぜひ「すごいの見つけたね!」と声をかけてあげてください。

あらかじめ、「お題以外にもステキなものを見つけたら、拾ってきてね」と伝えておくのもありです。

子どもたちが「正解、不正解」にとらわれることなく、のびのびと楽しめると良いですね。


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また似てるけどちょっと違うものを拾ってくることもあります。

フウの実や葉っぱは種類ごとに少し違っていますから、記憶を頼りに探すとどうしても違うものが出てきます。そんなときは…チャンスですね!

この校庭には、よく似てる木があるんだよ、とぜひ伝える機会にしましょう!そして、その違いを確認できたのは、違う落ち葉を拾ってきた子どものおかげ、そこも大切に伝えたいですね。

多様性について考える

そしてもう一つ。
よーく見比べると同じようで、同じでないのが自然のおもしろさです。


「みんなおんなじ、でもみんな違う」、自然はいろいろ、わたしたちもいろいろ。多様性について考えるきっかけにもなったらな、とも思っています。

藤田 航平 ふじた こうへい
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会

事務局次長・マーケティング部



横浜市の環境活動支援センターに通うこと10年以上。毎年、横浜市の親子さんと自然の宝探しを楽しんでいます。その中で欠かせないアクティビティが、この〈同じものを見つけよう〉。多種多様な木々が植えられた児童遊園地の自然を活かして、自然のトレジャーハンティングを楽しんでいます。 意図があって多様な樹種が植えられた場所は多く、校庭もその一つだったりしますね。拾えるものの数が多いほど、自然との出会いも多くなります。時には下を見て歩くのも良いかもしれません。でも、ぶつからないように気をつけて。

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